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白猫は見た②
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「どうして……」
「俺が気がついていないとでも?」
「……違います。私はそのような名前ではありません」
なるほど、あくまでもパメラ・ジェローム・ライネック伯爵令嬢ではないと言い張るつもりのようである。
「なになに? ご主人様の知り合いなの? もしかして訳あり? 本当はどこかのお偉いさんのところのご令嬢なんじゃないの?」
緑色の二つの目を三日月型にして、ニヤニヤとシロがパメラに迫った。
「し、知りません!」
パメラは下を向いた。今にも泣きだしそうである。膝の上で両手の拳とグッと握りしめていた。
うーん、どうしよう。俺としてはこちらはお見通しですよ。だから何があったか話して下さいねって小一時間ほど問い詰めたいところなんだけど。まさか本気で俺と子作りをしたいだけなのか? 俺は今の自由気ままな生活を少しでも長く堪能したいんだけど。
「ご主人様、パメラをいじめるのは良くないよ」
首を左右に振りながらそう言った。まるで俺が追い詰めたかのようである。
「犯人はお前だ! とにかく、俺はパメラと呼ぶからな」
「……はい」
よしよし、渋々ではあるが了承してくれたようである。さて、伯爵令嬢を奴隷にしてしまったわけだがこれからどうしようかな。本当に普通に使って良いのかな?
「パメラはどんなことができるんだ?」
俺の問いかけにようやく顔を上げたパメラ。
「洗濯、掃除、食事の準備、それから夜伽を……」
「さ、左様ですか」
うーん、薮蛇! シロが目と口を三日月型にしてこちらを見ている。違うから! そんなやましい下心があって買ったわけじゃないから!
とりあえずは一通りはできるようだな。なら、役に立ってもらうか。俺一人でも全部できるから、別に要らないと言えば要らない。でも、それを言ったらパメラが傷つくかも知れない。
……このことは当然、ライネック伯爵も知っているんだよな? でなければ、ギルマスも奴隷商のオーナーも協力しないだろうし。勝手に家出したとかじゃないよね? 信じてるぞ、パメラ。
それにしても、ライネック伯爵はとんだ災難だな。ライネック伯爵夫人、寝込んでないよね? 手紙書いた方が良いのかしら? いや、その辺りはパメラ、もしくは、その他諸々の人たちがやってくれるだろう。下手に貴族とのつながりを持つべきではないな。
「それじゃ、夕飯の買い物に行くとしよう。ついでにパメラの服も買わないといけないな。氷室には食料が残ってないから、ちょうど良かったよ」
「お供いたしますわ。ご主人様」
「パメラ、俺のことはエルと呼ぶように」
何だかパメラにご主人様と呼ばれると腹の内側がムズムズする。そう呼ばれるのには慣れているはずなのになんでだろう。……あれ? パメラの反応が……って、どうしたパメラ、顔か真っ赤じゃないか。俺なんか間違ったこと言っちゃいました!?
「分かりましたわ。エル様……」
味わうようにゆっくりと、そしてうっとりとしたような声が返ってきた。
う、いきなり愛称で呼ばせたのは、箱入り娘と思われるパメラにはハードルが高かったか? いや、もし本当に箱入り娘なら、こんな強引なタックルはしてこないだろう。
見た目にだまされてはいけない。きっとパメラの心の中では「ククク……計算通りっ!」って思っているに違いない。
「キィィィイ! 何だかとってもド畜生!」
なぜかシロが俺の袖をかみながら嫉妬している。伸びるからやめなさい。
パメラが入れてくれたお茶を飲み終えると、再びパメラにマントをかぶせた。パメラの入れてくれたお茶は大変おいしかった。どうやら本当に花嫁修業してきたようである。
これは本気だ。……どうしよう。
「俺が気がついていないとでも?」
「……違います。私はそのような名前ではありません」
なるほど、あくまでもパメラ・ジェローム・ライネック伯爵令嬢ではないと言い張るつもりのようである。
「なになに? ご主人様の知り合いなの? もしかして訳あり? 本当はどこかのお偉いさんのところのご令嬢なんじゃないの?」
緑色の二つの目を三日月型にして、ニヤニヤとシロがパメラに迫った。
「し、知りません!」
パメラは下を向いた。今にも泣きだしそうである。膝の上で両手の拳とグッと握りしめていた。
うーん、どうしよう。俺としてはこちらはお見通しですよ。だから何があったか話して下さいねって小一時間ほど問い詰めたいところなんだけど。まさか本気で俺と子作りをしたいだけなのか? 俺は今の自由気ままな生活を少しでも長く堪能したいんだけど。
「ご主人様、パメラをいじめるのは良くないよ」
首を左右に振りながらそう言った。まるで俺が追い詰めたかのようである。
「犯人はお前だ! とにかく、俺はパメラと呼ぶからな」
「……はい」
よしよし、渋々ではあるが了承してくれたようである。さて、伯爵令嬢を奴隷にしてしまったわけだがこれからどうしようかな。本当に普通に使って良いのかな?
「パメラはどんなことができるんだ?」
俺の問いかけにようやく顔を上げたパメラ。
「洗濯、掃除、食事の準備、それから夜伽を……」
「さ、左様ですか」
うーん、薮蛇! シロが目と口を三日月型にしてこちらを見ている。違うから! そんなやましい下心があって買ったわけじゃないから!
とりあえずは一通りはできるようだな。なら、役に立ってもらうか。俺一人でも全部できるから、別に要らないと言えば要らない。でも、それを言ったらパメラが傷つくかも知れない。
……このことは当然、ライネック伯爵も知っているんだよな? でなければ、ギルマスも奴隷商のオーナーも協力しないだろうし。勝手に家出したとかじゃないよね? 信じてるぞ、パメラ。
それにしても、ライネック伯爵はとんだ災難だな。ライネック伯爵夫人、寝込んでないよね? 手紙書いた方が良いのかしら? いや、その辺りはパメラ、もしくは、その他諸々の人たちがやってくれるだろう。下手に貴族とのつながりを持つべきではないな。
「それじゃ、夕飯の買い物に行くとしよう。ついでにパメラの服も買わないといけないな。氷室には食料が残ってないから、ちょうど良かったよ」
「お供いたしますわ。ご主人様」
「パメラ、俺のことはエルと呼ぶように」
何だかパメラにご主人様と呼ばれると腹の内側がムズムズする。そう呼ばれるのには慣れているはずなのになんでだろう。……あれ? パメラの反応が……って、どうしたパメラ、顔か真っ赤じゃないか。俺なんか間違ったこと言っちゃいました!?
「分かりましたわ。エル様……」
味わうようにゆっくりと、そしてうっとりとしたような声が返ってきた。
う、いきなり愛称で呼ばせたのは、箱入り娘と思われるパメラにはハードルが高かったか? いや、もし本当に箱入り娘なら、こんな強引なタックルはしてこないだろう。
見た目にだまされてはいけない。きっとパメラの心の中では「ククク……計算通りっ!」って思っているに違いない。
「キィィィイ! 何だかとってもド畜生!」
なぜかシロが俺の袖をかみながら嫉妬している。伸びるからやめなさい。
パメラが入れてくれたお茶を飲み終えると、再びパメラにマントをかぶせた。パメラの入れてくれたお茶は大変おいしかった。どうやら本当に花嫁修業してきたようである。
これは本気だ。……どうしよう。
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