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魔道列車にて※R15~18
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モブですが痴漢行為のシーンがあります。
魔道列車が晴れた空の下、静かに宙を走る。揺れ一つない一般車両に柔らかな黒髪の大きな男が足を大きく広げどかりと腰を下ろしていた。
むすっとしているようなその顔からは優しさの欠片も見えず、目が合えばいちゃもんをつけられそうなほど恐ろしい雰囲気を身に纏っている。
「ラッキー、ここあいてるじゃねーかぁ……。あ……! あー……、俺、乗り込む車両間違えちまった! 参った参った! ハハハ……」
停車駅で乗り込んで来た、空いていてゆったり座れるじゃないかラッキーとばかりにウキウキで入ってきた青年は、誰に言い訳しているのかわからないほど大声でそう言うと、くるっと体の向きを変えて遠ざかる。右手と右足が一緒に出ていて歩きにくそうだ。
おかげでそこそこ混んでいるというのに、彼の座る座席は7人掛けだが左右はがら空きで前方に人もいない。
その分、他の場所の人口密度が高くなっており、人々は車窓から景色を眺めたり、魔道ニュースを見たりして彼の方を一切見ていない異様な空間が出来上がっていた。
切れ長の瞳にすっとした鼻、やや下唇が厚いものの整った顔立ちだというのに、その表情、特に、赤い瞳からは殺気かと思えるほどの剣呑な視線が投げかけられているため、このような重苦しい空気があるのだが彼は気が付いていない。
シュッ
車両の連結部分の扉が滑らかに開く。ぴたりと体のラインを隠さない服を着た女性が入って来た。微笑みを浮かべた赤い唇の左下には小さなほくろがあり色っぽい。
均整の取れた体型の彼女のえりぐりは大きく開いており柔らかそうな胸の谷間を強調している。スカート丈は膝上15センチくらいで、そこから伸びる白い足は細く白い。男なら何度も見ては心で舌なめずりをするだろう。
黒髪の男は、ちらりとそちらを見て興味なさそうに視線をそらした。
──良い女だなあ。是非とも今夜の相手に……。いや、だめだ。今は任務中でターゲットはまだ来ないから動けない。
そう自重しながらも、一瞬で把握した女性のサイズを思い浮かべ、内心は鼻の下を伸ばしている。実際、車両のほとんどの男性は彼女を食い入るように見つめニヤニヤしているが。
黒髪の男は興味がなさそうに視線をドア付近に移動させながらも視界の角に彼女の姿を捕らえていた。声をかけ、一緒にバーに行き、そして……など、彼女との甘いひと時を思い浮かべる。本当に声をかけたところで怖がり逃げられるのが常である。こうして楽しい妄想をするくらいは許して欲しい。
幸せな、女性とのあれこれを想像しながら注意深くターゲットを待つがなかなか現れない。
その時、彼女の側に移動した男がいた。男のお陰で妄想の中でデートをしているというのに彼女の姿が見えなくなり心で舌打ちをする。
すると、男は女性にさりげなく手を伸ばしつんっと上を向いた尻を手の甲で偶然かどうかわからないように触れる。女性の抵抗がないため徐々に動きが大胆になり、ついに短いスカートと足の境目に指が入り内ももを撫で始めた。
──痴漢現行犯だ。捕まえるか……。だが、ここで目立つ行動をすれば任務に支障が……
黒髪の男が任務のために逡巡していたが、痴漢を見過ごす事に決めた時、ついに痴漢の手が彼女の股間にたどり着いたようだ。
女性は、上半身がかがんでいて、痴漢のもう片方の手に胸の尖りをいじられているようだ。
周囲も気づいているだろう。だが、誰もが止めようとせず、彼女のスカートが上にずり上がり、ついに下着が見えた。やはり、すでに下着の中に手が入っておりきらりと液体で痴漢の手首まで濡れている。太ももから膝にかけて、つーっと透明な水が垂れ落ちていくのが見えた。
女性の荒い息がここまで聞こえるようだ。身もだえ始めた彼女の踵があがる。
痴漢がズボンのチャックを下げてごそごそし出した。
ごくりと咽を鳴らしたのは車両にいるどの人物だったのだろう。この、人がいる電車内でまさかそこまでするのかと信じられない思いで動けない者もいるかもしれない。乗客の視線を集中させながら、二人の痴態はエスカレートしていったのである。
魔道列車が晴れた空の下、静かに宙を走る。揺れ一つない一般車両に柔らかな黒髪の大きな男が足を大きく広げどかりと腰を下ろしていた。
むすっとしているようなその顔からは優しさの欠片も見えず、目が合えばいちゃもんをつけられそうなほど恐ろしい雰囲気を身に纏っている。
「ラッキー、ここあいてるじゃねーかぁ……。あ……! あー……、俺、乗り込む車両間違えちまった! 参った参った! ハハハ……」
停車駅で乗り込んで来た、空いていてゆったり座れるじゃないかラッキーとばかりにウキウキで入ってきた青年は、誰に言い訳しているのかわからないほど大声でそう言うと、くるっと体の向きを変えて遠ざかる。右手と右足が一緒に出ていて歩きにくそうだ。
おかげでそこそこ混んでいるというのに、彼の座る座席は7人掛けだが左右はがら空きで前方に人もいない。
その分、他の場所の人口密度が高くなっており、人々は車窓から景色を眺めたり、魔道ニュースを見たりして彼の方を一切見ていない異様な空間が出来上がっていた。
切れ長の瞳にすっとした鼻、やや下唇が厚いものの整った顔立ちだというのに、その表情、特に、赤い瞳からは殺気かと思えるほどの剣呑な視線が投げかけられているため、このような重苦しい空気があるのだが彼は気が付いていない。
シュッ
車両の連結部分の扉が滑らかに開く。ぴたりと体のラインを隠さない服を着た女性が入って来た。微笑みを浮かべた赤い唇の左下には小さなほくろがあり色っぽい。
均整の取れた体型の彼女のえりぐりは大きく開いており柔らかそうな胸の谷間を強調している。スカート丈は膝上15センチくらいで、そこから伸びる白い足は細く白い。男なら何度も見ては心で舌なめずりをするだろう。
黒髪の男は、ちらりとそちらを見て興味なさそうに視線をそらした。
──良い女だなあ。是非とも今夜の相手に……。いや、だめだ。今は任務中でターゲットはまだ来ないから動けない。
そう自重しながらも、一瞬で把握した女性のサイズを思い浮かべ、内心は鼻の下を伸ばしている。実際、車両のほとんどの男性は彼女を食い入るように見つめニヤニヤしているが。
黒髪の男は興味がなさそうに視線をドア付近に移動させながらも視界の角に彼女の姿を捕らえていた。声をかけ、一緒にバーに行き、そして……など、彼女との甘いひと時を思い浮かべる。本当に声をかけたところで怖がり逃げられるのが常である。こうして楽しい妄想をするくらいは許して欲しい。
幸せな、女性とのあれこれを想像しながら注意深くターゲットを待つがなかなか現れない。
その時、彼女の側に移動した男がいた。男のお陰で妄想の中でデートをしているというのに彼女の姿が見えなくなり心で舌打ちをする。
すると、男は女性にさりげなく手を伸ばしつんっと上を向いた尻を手の甲で偶然かどうかわからないように触れる。女性の抵抗がないため徐々に動きが大胆になり、ついに短いスカートと足の境目に指が入り内ももを撫で始めた。
──痴漢現行犯だ。捕まえるか……。だが、ここで目立つ行動をすれば任務に支障が……
黒髪の男が任務のために逡巡していたが、痴漢を見過ごす事に決めた時、ついに痴漢の手が彼女の股間にたどり着いたようだ。
女性は、上半身がかがんでいて、痴漢のもう片方の手に胸の尖りをいじられているようだ。
周囲も気づいているだろう。だが、誰もが止めようとせず、彼女のスカートが上にずり上がり、ついに下着が見えた。やはり、すでに下着の中に手が入っておりきらりと液体で痴漢の手首まで濡れている。太ももから膝にかけて、つーっと透明な水が垂れ落ちていくのが見えた。
女性の荒い息がここまで聞こえるようだ。身もだえ始めた彼女の踵があがる。
痴漢がズボンのチャックを下げてごそごそし出した。
ごくりと咽を鳴らしたのは車両にいるどの人物だったのだろう。この、人がいる電車内でまさかそこまでするのかと信じられない思いで動けない者もいるかもしれない。乗客の視線を集中させながら、二人の痴態はエスカレートしていったのである。
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