【完結】【R18】クリスマスプレゼントは、魅惑のガチャ~婚約者をNTRれた令嬢は、ガチャでサンタさんを引き当てたい!

にじくす まさしよ

文字の大きさ
53 / 66

46 ガチャを回そう~本当に欲しい「もの」① R~

しおりを挟む
  擽られて、苦しいほどの感覚の末に、シンディはヨウルプッキの膝の上に乗せられくったりともたれ掛かった。

  ソファに沈み混むように上半身が斜めになっており、彼女の体の重みと柔らかさがヨウルプッキに余すことなく伝わる。

  まだ、完全に擽られた感覚が消えていないシンディの、柔らかくて深い谷間から、毛玉がゆっくり出てきた。

「ピ♪  ピゥ♪  ピーィッ♪」

  毛玉はご主人様を擽り、楽しく満足してもらったとご機嫌だ。
  細長い手足のような触手かと思われたものの先には柔らかい2センチほどの毛がある。しゅるしゅるとしまわれ、シンディのとろけた顔を見たあと、小さく踊るようにぴょんぴょん跳ねて消えた。

「…………」

「はぁ……ん。ヨウルプッキさま、あれは何なんですの?」

「あ、あれは。まだ幼体のようですね。えーと、確か、キスを贈られると、主人に悦んで貰おうと頑張るペットなんです。ただ、産まれたばかりで、方法が分からず擽ったんだと……」


  嘘は言っていない。あれは成長すると、主人の快楽のために、手足のようなものを伸ばして柔らかな毛先があらゆる愛撫を施すのだ。


──う、産まれたばかりで擽るしか知らなかったか。た……、助かった……!


  万が一、アレがシンディに性的快楽をもたらす動きをしたのなら、間違いなく軽蔑されただろう。

「はぁ……、そうだったのですね。では大きくなればダンスとか芸を覚えたりしてくれるのでしょうか……。ふふふ、びっくりしましたけれど、擽ってくるなんてかわいい」

  シンディは、まさかアレが淫らな芸を覚えるなど考えない。ほほえましく、毛玉が可愛い動きをするのを想像した。

  ヨウルプッキは、居たたまれなくなるが、まだ擽ったさに敏感になっている純真無垢な彼の(心の中の)恋人の頭を撫でる。

「その、お見苦しい姿をお見せいたしました……」

  目を閉じて彼の暑い胸板に頬をつけて、大きな手のひらが頭を撫でるのをうっとりして味わう。

──やっぱり、安心する……。このまま彼の腕の中でこうしていたい。

「ヨウルプッキさま……」
「シンディ……」

──いつの間にか名前で呼んでくれていた。嬉しい……

「ヨウルプッキさま、わたくし、欲しいものがありますの」

「欲しいもの?」

「でも、望んじゃダメなんです」

「なぜ?」

  そっと胸に手をつき、顔を上げて彼を見下ろす。

──なんて、綺麗……

  シンディは、彼の左右の瞳をじっと見つめる。頬の赤らみ、少し乱れた髪もそのままに、そっと小さな唇を開いた。

「ヨウルプッキ、さま……」

──お慕いしております

  そう告白すれば、優しくて紳士な貴方を困らせてしまうだろう。
  然るべき青年を婿に迎え入れねばならない身の上が悲しい。
  彼女の瞳が潤みだし、涙がぽたりとヨウルプッキの大きな唇に落ちた。

「シンディ、貴女が望むなら僕が叶えてあげる。だから、なんでも望んでいい」

  言葉以上に想いを伝え合う瞳に、お互い吸い込まれるように唇が近づく。

──せめて、今だけ。唇だけでいい。彼が欲しい。

  ヨウルプッキは、愛しい人の頭を撫でていた手をゆっくり自分に近づけていった。

「シンディ……」

  歓喜で心と体が満ち溢れる。ヨウルプッキとて、これが最後の時だと理解しわきまえていた。

  重なった唇が、短くリップ音を奏でて離れて行く。

「シンディ、愛している。あれから、ずっと。いや、もっと想いが強くなって忘れられなかった」

  思いがけない彼からの言葉を聞いて、シンディの目から次々に涙が溢れ彼の頬を濡らす。

「……ヨウルプッキさま、わたくしも。わたくしも貴方の事を忘れられなかった。想いが強くなる一方で……。だから、執事たちがこの時をわたくしにくれたんです。お慕い、しております」

  ヨウルプッキもまた、彼女の言葉に目を大きく開いた。

「「愛しています」」

  




 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました

蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。 そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。 どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。 離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない! 夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー ※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。

物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜

丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。 与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。 専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、 失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。 そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、 セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。 「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」 彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、 彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。 嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、 広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、 独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。 栄養と愛情を取り戻したセレナは、 誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、 社交界で注目される存在となる。 一方、セレナを失った伯爵家は、 彼女の能力なしでは立ち行かず、 ゆっくりと没落していくのだった――。 虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。

王宮メイドは今日も夫を「観察」する

kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」 王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。 ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。 だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……? ※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。

処理中です...