【完結】【R18】妹に婚約者を寝取られ断罪されたわたくし。~連行する騎士様、監禁先で蹂躙してくださいませ【本編完結。番外編7つ】

にじくす まさしよ

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知り合い以上、友達未満?

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 わたくしは、わりと冷遇されて来たと思う。屋敷でもとりあえずは令嬢としてくいっぱぐれはなかったけれど、自由がなく、がんじがらめの生活だった。わたくしを酷くいじめた相手は、あとで3時間くすぐりの刑に処したし、鞭などの物理攻撃は当たったふりをして魔法で防御していたからどうという事はないものの、やはり寂しさや悲しみ、そして憎み嫉妬する事はあった。

 ──だって、聖女でもなんでもないもん。ただのか弱い美少女だもん!

 王子と妹は、最後の一線は超えてはいない。妃として迎える時に、純潔の証を立てねばならない。婚約者である相手なら、婚約期間中にその証を立てれば良いとされているが、あいにく王子の相手はわたくしだ。

 わたくしは、王子が趣味じゃないし、エスコートやダンスなど必要最低限しか触れさせなかった。

  令嬢たちが言うには、妹は後ろの純潔はすでに奪われてしまっているという。なぜなら、王子は妹にあれほどのめり込んでいるというのに、物足りないのか相変わらず遊びで令嬢たちを食い物にしているのだ。彼女たちは、ベッドの上で、王子からアレコレを聞き出し、そして、王子の耳に入らないように情報共有して影に隠れて言いたい放題していた。

『王子ったらバカの一つ覚えで腰ふってりゃいいとか思っているわよねえ?』
『触り方も雑すぎて痛いから濡れるのに……。演技を真に受けてご自分が性技の神か何かだと思ってらっしゃるんじゃないかしら……』
『じゃあ、ヒーロニアンヌ様も演技かしら?』
『あれは、生来のものじゃないかしら? きっと感じやすいとかいう淫乱なお体なのでしょう』
『ですわよねえ……。まあ、王子に恋をしてらっしゃるから気分だけでああなっているのかも』
『まあ、残り僅かの生活。王家のご不興を買わないように頑張りましょう?』
『ええ』


──うわあ、個人情報保護、どこいった? 誰も本気で相手にしてないじゃない。王子気の毒かもしんない……。これって、ある意味サイレントざまあされてない?


 王子の事は、なんというか手のかかるやんちゃな弟どころか息子のような感覚で接していた。ほぼ肉親の情みたいなものもあるし、ひねくれたガキンチョがキャンキャン吠えてもあまり堪えなかったのはそのためである。

 妹に関しては、まあ、処女膜さえ無事ならいいので、婚前の高位貴族の男女はそこで遊ぶというが、ネタでもなんでもなく真実だと知ったのは、今、目の前にいる自称ライバルの令嬢の話から聞いたからである。

「無様なものね」
「あら、ジャンヌ様。ご機嫌よう」


 ジャンヌ様は、王子と同い年で、わたくしがというより、妹が入学するまでは王子のメインのお相手だったらしい。いずれ王子妃になり、王妃になる事を虎視眈々と狙っているのは知っていた。王子は、絶世の美男子だし、わたくし以外には完璧なので王子に嫌悪感がないどころか好意はあるようだ。

 ジャンヌ様は、冷遇されているわたくしは、そのうち婚約解消か破棄されて、卒業と同時に自分が王子の隣に立つと確信していたに違いない。

 ところが、妹が現れてしまいこうやってわたくしに対して嫌味を言いつつ、ちょっとずつ王子とのアレコレをカミングアウトされてきた。

  正直、他人のそういう事情は聞きたいような聞きたくないような気分になり、SAN値がごりごりと削られていったのである。

 王子のご尊ブツの形状や、令嬢のたしなみである菊の門を使用する事などは、彼女からチラリと聞き、興味本意と多少の嫌がらせ目的でしつこく訊ねたところ、本を貸してくれたのである。今まで受けたどの教育よりも素晴らしく感銘を受けたのは言うまでもない。

「あなた、このままでいいの?」
「なるようになるわ。それに、妹が王子を好いているならそれでいいの」
「はぁ~。まあ、王子と結婚だなんて、妃と彼にに興味のないあなたなら、このまま破談になるほうがいいのかもしれないけれど」
「そうねえ……」
「家にいる事は出来るのかしら?」
「追い出されるでしょうねぇ……」
「あなた、そんな他人事みたいに……。はぁ、しょうがないわね。そうなったらわたくしを訪ねてらっしゃい。悪いようにはしないわ」
「ふふふ、その時には是非」

 今では、なんだかんだで気の置けない知り合い以上友達未満の関係を築いている。



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