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第三章 変化
再戦(2)
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「どちらを見てるんですか。説得するのは僕です。ハウさん。」
「お前、親に・・・んん。何でもない。それで話はなんだ。」
俺の方を向いていうのを止めてしまった。全部言ったところで突っついてやろうと思ったのに。俺は少しの綻びも見逃すことがないように集中する。
「僕は、ビスさんと一緒に旅に出ます。その許可を取りに来ました。」
「ほう、そうか。俺は反対だ。」
「なぜですか?理由を教えてください。」
「お前がガキだからだ。・・・とビス言われる前に言っとくがこれは親としての言葉じゃないぞ。傭兵の先輩としてモルテがガキだから冷静な判断をできないと言っているんだ。」
先手を打たれてしまった。でも、確かにそう言われてしまえばこっちは言う言葉はない。それでも、モルテは淡々と話す。
「そうですか。具体的にはどんなところがガキだというんですか。」
さっきの言葉でモルテが怯むと思ったのか、少し表情が動きを見せた気がする。
「そういうところだよ。言わないとわからないのか。」
「わかりませんでした。そうでしたか、ご教授ありがとうございます。ハウさん。」
ハウとモルテの感情が相反している。
「そんなことより反論をしなくていいのか。」
「そんなのしませんよ。だってわかってますから。僕がガキだということは。」
「はははっ。自分で認めてどうする。じゃあ、これで話は終わりだな。解散、解散。」
「話はまだ終わってませんよ。ハウさん僕に教えてくださいよ。どうすれば大人になれるんですか?ハウさんがしたように敵を目の前にして大声で逃げ回れば大人になったというんですか?」
ここまで聞いて俺の出番はないなと思った。ハウはこっちを一瞥してくる。その時見えた顔は完全に崩れていた。
「お前、誰から聞いた?」
「誰だっていいじゃないですか。話を逸らさないでくださいよ。どうなんですか?」
この場が静寂に包まれる。ハウでも何も浮かばないのか、それとも言葉を選んでいるのか。それは後者であった。
「そうだよ。自分の実力もわからないで敵に向かっていくよりは大人と言えるんじゃないか。」
ただ、それは墓穴だった。まあ、俺が突っつく必要もないでしょう。
「おかしいですね。僕はガキだと自分自身で認めましたよ。それじゃあ僕が大人だと言っているようなものじゃないですか。」
「くっ‼屁理屈だ。それに俺はお前の実力をはっきりわかっているわけじゃない。それで判断は出来ない。」
そういった瞬間ハウははっと顔のパーツすべてを見開いた。しまったといわんばかりに。
「あれ?またおかしいことを言うんですね。僕の実力がわかっているからガキだと言ったんじゃないんですか。それで反対しているとそう言いましたよね。僕おかしいこと言ってます?」
ハウはドツボに嵌っていく。親としての“ガキ”であれば何とでも言い返せたし、そもそもモルテからこんな言葉は出てこなかっただろう。今ハウが言っている“ガキ”は傭兵の先輩としての言葉だ。感情云々の“ガキ”は通用しない。まあ、仲間想いの先輩だったらそうなるとは思うが、仕事で接するとなるとそう簡単な話ではなくなるのだ。
「ははははははっ。」
ハウが壊れたのかと思うぐらいに笑い飛ばしている。そしてその笑いが止まり、ハウがゆっくりと吐き捨てた。
「・・・俺の負けだよ。勝手にしろ。ただ、どうなっても知らないからな。」
ハウはそう言い終わると、今朝一瞬目に入った姿をしていた。自分の想いが大切な人に伝わらないことを嘆いているような、諦めているかのような、そんな姿。
ハウのその姿を見て何か思うところがあったのか、リベが今まで開いて来なかった口を開いた。
「お前、親に・・・んん。何でもない。それで話はなんだ。」
俺の方を向いていうのを止めてしまった。全部言ったところで突っついてやろうと思ったのに。俺は少しの綻びも見逃すことがないように集中する。
「僕は、ビスさんと一緒に旅に出ます。その許可を取りに来ました。」
「ほう、そうか。俺は反対だ。」
「なぜですか?理由を教えてください。」
「お前がガキだからだ。・・・とビス言われる前に言っとくがこれは親としての言葉じゃないぞ。傭兵の先輩としてモルテがガキだから冷静な判断をできないと言っているんだ。」
先手を打たれてしまった。でも、確かにそう言われてしまえばこっちは言う言葉はない。それでも、モルテは淡々と話す。
「そうですか。具体的にはどんなところがガキだというんですか。」
さっきの言葉でモルテが怯むと思ったのか、少し表情が動きを見せた気がする。
「そういうところだよ。言わないとわからないのか。」
「わかりませんでした。そうでしたか、ご教授ありがとうございます。ハウさん。」
ハウとモルテの感情が相反している。
「そんなことより反論をしなくていいのか。」
「そんなのしませんよ。だってわかってますから。僕がガキだということは。」
「はははっ。自分で認めてどうする。じゃあ、これで話は終わりだな。解散、解散。」
「話はまだ終わってませんよ。ハウさん僕に教えてくださいよ。どうすれば大人になれるんですか?ハウさんがしたように敵を目の前にして大声で逃げ回れば大人になったというんですか?」
ここまで聞いて俺の出番はないなと思った。ハウはこっちを一瞥してくる。その時見えた顔は完全に崩れていた。
「お前、誰から聞いた?」
「誰だっていいじゃないですか。話を逸らさないでくださいよ。どうなんですか?」
この場が静寂に包まれる。ハウでも何も浮かばないのか、それとも言葉を選んでいるのか。それは後者であった。
「そうだよ。自分の実力もわからないで敵に向かっていくよりは大人と言えるんじゃないか。」
ただ、それは墓穴だった。まあ、俺が突っつく必要もないでしょう。
「おかしいですね。僕はガキだと自分自身で認めましたよ。それじゃあ僕が大人だと言っているようなものじゃないですか。」
「くっ‼屁理屈だ。それに俺はお前の実力をはっきりわかっているわけじゃない。それで判断は出来ない。」
そういった瞬間ハウははっと顔のパーツすべてを見開いた。しまったといわんばかりに。
「あれ?またおかしいことを言うんですね。僕の実力がわかっているからガキだと言ったんじゃないんですか。それで反対しているとそう言いましたよね。僕おかしいこと言ってます?」
ハウはドツボに嵌っていく。親としての“ガキ”であれば何とでも言い返せたし、そもそもモルテからこんな言葉は出てこなかっただろう。今ハウが言っている“ガキ”は傭兵の先輩としての言葉だ。感情云々の“ガキ”は通用しない。まあ、仲間想いの先輩だったらそうなるとは思うが、仕事で接するとなるとそう簡単な話ではなくなるのだ。
「ははははははっ。」
ハウが壊れたのかと思うぐらいに笑い飛ばしている。そしてその笑いが止まり、ハウがゆっくりと吐き捨てた。
「・・・俺の負けだよ。勝手にしろ。ただ、どうなっても知らないからな。」
ハウはそう言い終わると、今朝一瞬目に入った姿をしていた。自分の想いが大切な人に伝わらないことを嘆いているような、諦めているかのような、そんな姿。
ハウのその姿を見て何か思うところがあったのか、リベが今まで開いて来なかった口を開いた。
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