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第四章 不変
弱点
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自分の部屋に戻ると、モルテが部屋の前で待っていた。
「遅いですよ。何かしていたんですか?」
「いや、ちょっと掃除に手こずってな。」
自分が言っておいて、仕事をほっぽってしまった後ろめたさで、俺は嘘を着いてしまった。
「まさかサボってた何て言いませんよね。・・・まあ、ビスさんに限ってそんなことはないか。」
今はモルテの信頼の言葉が突き刺さってくる。
「ははははっ。そんなことないだろ。それより、ドイボさんから聞いたよ。モルテがすごかったって。」
俺はうまく笑えるだろうか。うまく誤魔化せただろうか。そのことばかり気になってしまった。
「そんなことないですよ。いつものことをやっただけです。そんなことより早く入りませんか?」
モルテは俺から視線を外し、部屋のドアへと視線を移した。
「ああ、そうだったな。ほら、開けたぞ、入れ。」
「ありがとうございます。」
部屋の中に入るに連れ外の音が大きくなっていく。今朝よりも強くなっている気がした。
「弱くなりませんね。」
モルテは、窓の外を眺めながらそう言った。そして俺も窓の外を見ようとした時、一瞬光が指し目を閉じてしまった。その直後、凄まじい音が聞こえてくる。鼓膜を割らんばかりの揺れを伴った音が。
俺は光がおさまったのを確認し、目を開ける。一瞬爆発物を投げ込まれたかと思ったが、部屋が荒れている様子もなければ、窓ガラスが割れているということもない。そして自分自身も無傷だった。ここから想像できるのは、さっきの光は自然発生的にできたものだということだ。俺は肩を撫でおろした。
「はあ、良かった。・・・モルテ?」
安心したのも束の間モルテの姿が見当たらなかった。モルテが立っていただろうところに視線を向けるとモルテの服らしきものがソファの影からはみ出していた。俺はゆっくりと近づく。そこには丸く縮こまって震えているモルテの姿があった。
「大丈夫か?」
「すみません。ちょっとこのままでいさせてください。すぐ治まりますから。」
そう言われてしまってはこの場から離れるしかない。俺はソファから離れ、ベッドの方に向かう。それにしても、何かあるとは思ってはいたが、予想以上のものだった。最悪、雨が弱まれば出発することも考えていたが、それも叶わないだろう。
こんなところでモルテの弱点を知ることになるとは思っても見なかった。ただ、詳しい内容は聞かないことにした。話たくなったら、話してもらおう。そのあとも何回か凄まじい音が鳴り響いていた。
それからどれぐらい時間が経っただろうか。何とかモルテは動けるくらいまでには回復していた。
そのあと、ドイボさんがやってきて、昼食を二人分置いて行った。おそらく、モルテが仕事が終わった後にでも俺の部屋に昼食を運んでくれと伝えていたのだろう。スムーズに受け取るやり取りは終わった。俺が二人分の食事を持ってテーブルの方に戻ると、こちらを向いて頭を下げていたのだ。
「すみませんでした。あの・・・」
「気にしてないよ。ほら、早く食べよう。」
「そうですね。」
そう言うとモルテは、俺から自分の分の昼食を受け取りソファに座る。ただ、受け取る時のモルテの手はわずかに震えていた。切り替えが早いのか、そうじゃないのか。俺も椅子に座り今日の昼食であるサンドウィッチを食べ始めた。
「遅いですよ。何かしていたんですか?」
「いや、ちょっと掃除に手こずってな。」
自分が言っておいて、仕事をほっぽってしまった後ろめたさで、俺は嘘を着いてしまった。
「まさかサボってた何て言いませんよね。・・・まあ、ビスさんに限ってそんなことはないか。」
今はモルテの信頼の言葉が突き刺さってくる。
「ははははっ。そんなことないだろ。それより、ドイボさんから聞いたよ。モルテがすごかったって。」
俺はうまく笑えるだろうか。うまく誤魔化せただろうか。そのことばかり気になってしまった。
「そんなことないですよ。いつものことをやっただけです。そんなことより早く入りませんか?」
モルテは俺から視線を外し、部屋のドアへと視線を移した。
「ああ、そうだったな。ほら、開けたぞ、入れ。」
「ありがとうございます。」
部屋の中に入るに連れ外の音が大きくなっていく。今朝よりも強くなっている気がした。
「弱くなりませんね。」
モルテは、窓の外を眺めながらそう言った。そして俺も窓の外を見ようとした時、一瞬光が指し目を閉じてしまった。その直後、凄まじい音が聞こえてくる。鼓膜を割らんばかりの揺れを伴った音が。
俺は光がおさまったのを確認し、目を開ける。一瞬爆発物を投げ込まれたかと思ったが、部屋が荒れている様子もなければ、窓ガラスが割れているということもない。そして自分自身も無傷だった。ここから想像できるのは、さっきの光は自然発生的にできたものだということだ。俺は肩を撫でおろした。
「はあ、良かった。・・・モルテ?」
安心したのも束の間モルテの姿が見当たらなかった。モルテが立っていただろうところに視線を向けるとモルテの服らしきものがソファの影からはみ出していた。俺はゆっくりと近づく。そこには丸く縮こまって震えているモルテの姿があった。
「大丈夫か?」
「すみません。ちょっとこのままでいさせてください。すぐ治まりますから。」
そう言われてしまってはこの場から離れるしかない。俺はソファから離れ、ベッドの方に向かう。それにしても、何かあるとは思ってはいたが、予想以上のものだった。最悪、雨が弱まれば出発することも考えていたが、それも叶わないだろう。
こんなところでモルテの弱点を知ることになるとは思っても見なかった。ただ、詳しい内容は聞かないことにした。話たくなったら、話してもらおう。そのあとも何回か凄まじい音が鳴り響いていた。
それからどれぐらい時間が経っただろうか。何とかモルテは動けるくらいまでには回復していた。
そのあと、ドイボさんがやってきて、昼食を二人分置いて行った。おそらく、モルテが仕事が終わった後にでも俺の部屋に昼食を運んでくれと伝えていたのだろう。スムーズに受け取るやり取りは終わった。俺が二人分の食事を持ってテーブルの方に戻ると、こちらを向いて頭を下げていたのだ。
「すみませんでした。あの・・・」
「気にしてないよ。ほら、早く食べよう。」
「そうですね。」
そう言うとモルテは、俺から自分の分の昼食を受け取りソファに座る。ただ、受け取る時のモルテの手はわずかに震えていた。切り替えが早いのか、そうじゃないのか。俺も椅子に座り今日の昼食であるサンドウィッチを食べ始めた。
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