115 / 171
第四章 不変
信じ通すこと
しおりを挟む
そのあと、メイユはアシオンから直ぐに離れた。モルテが来たことでもうやる必要はないと思ったのだろう。もうちょっと見ていたかったところだが仕方がない。
「くっそー。あとで覚えてろよ、ビス、メイユ。」
「そんなことよりアシオン。モルテさんが来たんですから。話さないと。」
「わかってる。ったく、手加減を知らないのか。・・・よっと。」
モルテは何が起きているのかわからないのか、俺の方を見て説明を求めているようだった。まあ、今言わなくてもアシオンが話始めたらわかるだろうと思い、ここは無言をつらぬいた。
それにしても、改めて見ると背が大きい。下から上にゆっくりと視線を上げると何か違和感のようなものがあった。確かに大きいとは思っていたがこんなに大きかったかと。アシオンの顔に視線が到達した時その違和感が正しいものだとわかった。アシオンの顔は赤く、額には一本の角が生えていた。無意識に身構えてしまう。
「なっ‼」
モルテも驚いているようである。それに、アシオンがこういう姿になったということはメイユも。メイユがいた方向に視線を向けるとそこには先ほどよりも縮んだメイユの姿があった。ただ、アシオンよりも変化がないように感じられる。それほどアシオンの変化が驚きであった。
「見ての通りオレは人間じゃねぇ。メイユもな。俺は“オーガ”で、メイユは”ドワーフ”だ。騙しててなんだが、謝りはしねえぞ。ただ、これだけは信じて欲しい。オレたちはお前たちの敵じゃない。」
”それを見てどこを信じればいいんですか?”という言葉は聞こえてはこなかった。驚きすぎて声が出ないのか、それとも何か考え込んでいるのか。おそらく後者だろう。
「そうでしたか。何かあるとは思ってましたが・・・納得しました。」
そんな事をモルテは呟いていた。しかし、なんと答えるべきか。ここで有耶無耶にしてもダメな気がする。
「”信じてほしい”か。・・・無理だ。」
「ビスさん⁉」
「俺たちは騙されていたんだ。手放しに信じるなんてできないだろ。ただ、お前たちの強さは信用している。だから一緒に旅をしてくれ、以上だ。」
アシオンの顔は、力が抜け色々なところが開ききっている。そうかと思うと急に俯いてしまった。
「ぷっあはははははっ。なんだ、それ。俺たちのこと利用してやるって言ってるのと同じだろ。」
「ダメか?」
俺の言葉に鼻を鳴らし、言葉を吐き出した。
「いいや。気に入った。利用されてやるよ、ビス。ただ、信じさせることを諦めたわけじゃないからな。覚えとけ。それでいいよな、メイユ。」
「ええ。ワタクシもそれで構わないわ。」
二人の了承を得られた。これでこれからの旅は楽になるだろう。一安心というところだろうか。いい感じに終わったかと思うとなんだか急にアシオンが笑い出す。こらえようとしているようだが、無理だったみたいだ。
「くくくっ。あ、あと、それとな。オレたちは、くくくっ。親子じゃない。それにメイユのほうが。いてててて‼」
笑っているかと思うと急に痛み出している。まあ、何を言いたかったのかも何が起きているのかも想像は出来るが。アシオンの言葉に各々の反応を見せる。
「それは言わなくていいことよ。」
「何言ってるんですか。そんなの分かり切ったことでしょう。」
モルテの言葉を聞いて、アシオンは驚きの顔をしていた。どうやら騙せていたと思っていたみたいだ。
「なっ。マジか。ビスは騙せてたのにな。」
「えっ。ビスさんわからなかったんですか⁉」
やめてくれ。そんな顔でこっちを見ないでくれ。仕方がないここまで来たら、乗ってやる。ただ、お願いだから、モルテはわかってくれと思うばかりである。
「ああ、わからなかったな~。そうだったんだ。おどろいたな~。」
自分のできる限りをした。心が籠ってないなんて言わせない。
「ほらな。馬鹿だろうこいつ。」
「ああ、そういうことですか。ビスさんご愁傷様です。」
よかった。モルテはわかってくれたみたいだ。ただ、アシオンが言った言葉は聞き流せなかった。
「メイユ。いけ~‼」
「わかってるわ。」
「や、やめろ。何なんだよ。さっきから。いってーーー‼」
「くっそー。あとで覚えてろよ、ビス、メイユ。」
「そんなことよりアシオン。モルテさんが来たんですから。話さないと。」
「わかってる。ったく、手加減を知らないのか。・・・よっと。」
モルテは何が起きているのかわからないのか、俺の方を見て説明を求めているようだった。まあ、今言わなくてもアシオンが話始めたらわかるだろうと思い、ここは無言をつらぬいた。
それにしても、改めて見ると背が大きい。下から上にゆっくりと視線を上げると何か違和感のようなものがあった。確かに大きいとは思っていたがこんなに大きかったかと。アシオンの顔に視線が到達した時その違和感が正しいものだとわかった。アシオンの顔は赤く、額には一本の角が生えていた。無意識に身構えてしまう。
「なっ‼」
モルテも驚いているようである。それに、アシオンがこういう姿になったということはメイユも。メイユがいた方向に視線を向けるとそこには先ほどよりも縮んだメイユの姿があった。ただ、アシオンよりも変化がないように感じられる。それほどアシオンの変化が驚きであった。
「見ての通りオレは人間じゃねぇ。メイユもな。俺は“オーガ”で、メイユは”ドワーフ”だ。騙しててなんだが、謝りはしねえぞ。ただ、これだけは信じて欲しい。オレたちはお前たちの敵じゃない。」
”それを見てどこを信じればいいんですか?”という言葉は聞こえてはこなかった。驚きすぎて声が出ないのか、それとも何か考え込んでいるのか。おそらく後者だろう。
「そうでしたか。何かあるとは思ってましたが・・・納得しました。」
そんな事をモルテは呟いていた。しかし、なんと答えるべきか。ここで有耶無耶にしてもダメな気がする。
「”信じてほしい”か。・・・無理だ。」
「ビスさん⁉」
「俺たちは騙されていたんだ。手放しに信じるなんてできないだろ。ただ、お前たちの強さは信用している。だから一緒に旅をしてくれ、以上だ。」
アシオンの顔は、力が抜け色々なところが開ききっている。そうかと思うと急に俯いてしまった。
「ぷっあはははははっ。なんだ、それ。俺たちのこと利用してやるって言ってるのと同じだろ。」
「ダメか?」
俺の言葉に鼻を鳴らし、言葉を吐き出した。
「いいや。気に入った。利用されてやるよ、ビス。ただ、信じさせることを諦めたわけじゃないからな。覚えとけ。それでいいよな、メイユ。」
「ええ。ワタクシもそれで構わないわ。」
二人の了承を得られた。これでこれからの旅は楽になるだろう。一安心というところだろうか。いい感じに終わったかと思うとなんだか急にアシオンが笑い出す。こらえようとしているようだが、無理だったみたいだ。
「くくくっ。あ、あと、それとな。オレたちは、くくくっ。親子じゃない。それにメイユのほうが。いてててて‼」
笑っているかと思うと急に痛み出している。まあ、何を言いたかったのかも何が起きているのかも想像は出来るが。アシオンの言葉に各々の反応を見せる。
「それは言わなくていいことよ。」
「何言ってるんですか。そんなの分かり切ったことでしょう。」
モルテの言葉を聞いて、アシオンは驚きの顔をしていた。どうやら騙せていたと思っていたみたいだ。
「なっ。マジか。ビスは騙せてたのにな。」
「えっ。ビスさんわからなかったんですか⁉」
やめてくれ。そんな顔でこっちを見ないでくれ。仕方がないここまで来たら、乗ってやる。ただ、お願いだから、モルテはわかってくれと思うばかりである。
「ああ、わからなかったな~。そうだったんだ。おどろいたな~。」
自分のできる限りをした。心が籠ってないなんて言わせない。
「ほらな。馬鹿だろうこいつ。」
「ああ、そういうことですか。ビスさんご愁傷様です。」
よかった。モルテはわかってくれたみたいだ。ただ、アシオンが言った言葉は聞き流せなかった。
「メイユ。いけ~‼」
「わかってるわ。」
「や、やめろ。何なんだよ。さっきから。いってーーー‼」
0
あなたにおすすめの小説
王女様は聖女様?おてんば姫の大冒険~ペットのドラゴンが迷子なので冒険者になって探しに行きます!~
しましまにゃんこ
ファンタジー
アリシア王国の第3王女ティアラ姫には誰にも言えない秘密があった。
それは自分が全属性の魔力を持ち、最強のチート能力を持っていた「建国の賢者アリシア」の生まれ変わりであること!
8才の誕生日を境に前世の記憶を取り戻したものの、500年後に転生したことを知って慌てる。なぜなら死の直前、パートナーのドラゴンに必ず生まれ変わって会いにいくと約束したから。
どこにいてもきっとわかる!と豪語したものの、肝心のドラゴンの気配を感じることができない。全属性の魔力は受け継いだものの、かつての力に比べて圧倒的に弱くなっていたのだ!
「500年……長い。いや、でも、ドラゴンだし。きっと生きてる、よね?待ってて。約束通りきっと会いにいくから!」
かつての力を取り戻しつつ、チートな魔法で大活躍!愛する家族と優しい婚約者候補、可愛い獣人たちに囲まれた穏やかで平和な日々。
しかし、かつての母国が各国に向けて宣戦布告したことにより、少しずつ世界の平和が脅かされていく。
「今度こそ、私が世界を救って見せる!」
失われたドラゴンと世界の破滅を防ぐため、ティアラ姫の冒険の旅が今、始まる!
剣と魔法が織りなすファンタジーの世界で、アリシア王国第3王女として生まれ変わったかつての賢者が巻き起こす、愛と成長と冒険の物語です。
イケメン王子たちとの甘い恋の行方もお見逃しなく。
小説家になろう、カクヨムさま他サイトでも投稿しています。
まず、後宮に入れませんっ! ~悪役令嬢として他の国に嫁がされましたが、何故か荷物から勇者の剣が出てきたので、魔王を倒しに行くことになりました
菱沼あゆ
ファンタジー
妹の婚約者を狙う悪女だと罵られ、国を追い出された王女フェリシア。
残忍で好色だと評判のトレラント王のもとに嫁ぐことになるが。
何故か、輿入れの荷物の中には、勇者の剣が入っていた。
後宮にも入れず、魔王を倒しに行くことになったフェリシアは――。
(小説家になろうでも掲載しています)
異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~
存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?!
はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?!
火・金・日、投稿予定
投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』
感情の贈与税 〜光の加護より、確かな契約。没落令嬢による国家再生録〜
しょくぱん
恋愛
「君のような地味な女、僕の隣にふさわしくない」
魔王軍を討伐し、凱旋した公爵令息カシアンが放ったのは、婚約者エレナへの冷酷な決別だった。
彼の傍らには、可憐な「救国の聖女」レティシア。
だがカシアンは忘れていた。彼の眩い金髪も、魔王を圧倒した剣技も、すべてはエレナが十年間「愛の贈与」として捧げ続けた魔力の賜物であることを。
「……承知いたしました。では、滞納分を含め、全魔力を今この場で『徴収』いたします」
2度死んだ王子は今度こそ生き残りたい
緑緑緑
ファンタジー
王太子ロイは、かつて二度の革命によって祖国を崩壊させてしまった過去を持つ。命を落とすたび、彼はある時点へと巻き戻される。そして今、三度目の人生が静かに幕を開けようとしていた。
――自分は民を理解しているつもりだった。
だが実際には、その表面しか見えていなかったのだ。
その痛烈な自覚から、物語は動き始める。
革命を回避するために必要なのは、制度でも権力でもない。「人を知る」ことこそが鍵だと、ロイは気付く。
彼はエコール学園での生活を通じ、身分も立場も異なる様々な人間と深く関わっていく。
そこで出会う一人ひとりの想いと現実が、やがて国の未来を大きく左右していくことになるとは、この時のロイはまだ知らない。
婚約破棄された元OL悪役令嬢、コンサル知識で潰れかけのギルドを王国一に再建します
黒崎隼人
ファンタジー
エルムガンド王国の第一王子から、卒業パーティーの最中に婚約破棄を宣告された公爵令嬢イザベラ。
断罪のショックで、彼女は自分が現代日本で経営コンサルタントとして働いていた前世の記憶を取り戻す。
ここは乙女ゲームの世界。このままでは爵位剥奪、領地没収の破滅ルートが待っている!
「冗談じゃない。そんな未来、絶対に受け入れてなるものか」
イザベラは破滅フラグを回避するため、父の道楽である赤字続きの冒険者ギルド「白銀の獅子」の運営を引き継ぐことを宣言。
前世で培った現状分析、プロジェクト管理、成果報酬制度などのビジネススキルを駆使し、潰れかけのギルドの改革に乗り出す。
クエストの可視化、新人教育、そしてエルフの賢者や獣人ギルドのマスターとの異種族間連携。
最初は彼女を馬鹿にしていた荒くれ者の冒険者たちも、その圧倒的な手腕とカリスマ性に惹かれ、いつしか彼女の頼もしい仲間となっていく。
やがて彼女のギルドは王都最大の組織へと成長し、彼女を陥れた敵の陰謀すらも打ち砕く!
恋愛よりも仕事! 最高の仲間たちと共に、すべての種族が笑って暮らせる未来を創り上げる、元悪役令嬢の痛快お仕事ファンタジー、開幕!
【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】
暖夢 由
恋愛
「サリー・ナシェルカ伯爵令嬢、あなたの婚約は破棄いたします!」
高らかに宣言された婚約破棄の言葉。
ドルマン侯爵主催のガーデンパーティーの庭にその声は響き渡った。
でもその婚約破棄、どうしてあなたが言うのですか?
*********
以前投稿した小説を長編版にリメイクして投稿しております。
内容も少し変わっておりますので、お楽し頂ければ嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる