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第四章 不変
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「以上だ。それぞれ持ち場に戻って対応して欲しい。」
やっとすべてを話し終え、ようやく対策が決まり各々動き出す。
「はいよ~。やっと終わったか。はあ、いつもとあんま変わんないな。でなくても良かったかもな。」
「ちょっと話があります。こっち来なさい。」
「嫌だね。・・・って、いてててて‼わ、わかった。着いていくから耳引っ張るな。おい。聞いてるのか。」
あの二人もいつもの調子である。まあ、あれであれば俺が出ていく必要もあるまい。そうこうしていると幹部たちが全員席を外した。
「ふう、やっと終わったか。ヴァイセもご苦労様、疲れただろう。曲者揃いで困ったものだな。」
「あ、いえ。私は別に。いつものことですから。・・・それよりママがすみません。玉座であんなことを。」
「それこそ別にいい。大したことじゃない、あの時に比べれば。」
それにしても、あいつは子離れできていないように感じる。終始ヴァイセの言うことに過剰に反応していた気がする。まあ、ヴァイセが言っていることはほとんど正しいから良いのだが。
「ううう。思ってないですよね。あとでママに言って聞かせますから。」
「あ、いや。本当に気にしてない。まあ、なおるならこしたことはことないが。」
ヴァイセが言って聞かせてもなおることがないだろうと思いつつも、試してみて損はないかとも思う。
「ほどほどにな。あいつも悪気があってしているわけではないからな。」
「はい、それはわかってます。わかってはいるのですが、その・・・」
その言葉を聞いたらあいつ発狂するだろう、間違いない。どこで聞いているかわからないので、俺はその言葉を遮った。
「それより、俺たちもここから出るか。」
俺はヴァイセの言葉を待たず椅子から立ち上がり部屋から出るべく歩を進めた。
「あ、ちょっと待ってくださいよ。魔王様~。」
それにしてもこの調子だと、チャイルも大変だろう。ご愁傷様というほかない。あんな親バカな母親と世話焼きな上司が付いているのだから。
やっと、ヴァイセが追いついたのかはあはあ言いながら横に並んだ。
「なんだか、魔王様ってパパ見たいですよね。」
「なんだ、急に!?心臓に悪いからやめてくれ。」
「まあ、私パパのこと知らないんですけど、パパがいたらこんななのかなと思って。・・・あっ、すみません。私恐れ多いことを。」
急に言い出すから驚いてしまった。まあ、約束ではあったからそう思われてるってことはその約束も果たされていると思っていいのか。
「はははっ、構わんよ。ただ、他の者の前で言うなよ。袋叩きに遭うかもしれん。」
「はい。気をつけます。」
「で、ヴァイセよ。いつまで着いてくる気だ。もう私の自室の前なのだが。」
「はっ!?ボーっとしていました。私も仕事に戻ります。」
「情報収集か。」
「はい。情報収集は私の得意分野ですから。これなら魔王様の役に立てます。それでは。」
「ほどほどにな。無理はするなよ。」
俺の言葉は届かなかったのかヴァイセからの返事は返って来なかった。無事を祈るしかできない。この立場に立ってからというものあの人の言葉を思い出してばかりだ。もっと色々話を聞いておくべきだったか。
「そんなこと考えても今更遅いか。」
俺は自室のドアに手をかけ、自分の仕事を片付けるべく仕事スペースに向かう。そこには、大量の紙の山がテーブルの上にあった。目を背けたい光景、ただそれから逃げることは出来ない。
「さてと、やりますか。」
やっとすべてを話し終え、ようやく対策が決まり各々動き出す。
「はいよ~。やっと終わったか。はあ、いつもとあんま変わんないな。でなくても良かったかもな。」
「ちょっと話があります。こっち来なさい。」
「嫌だね。・・・って、いてててて‼わ、わかった。着いていくから耳引っ張るな。おい。聞いてるのか。」
あの二人もいつもの調子である。まあ、あれであれば俺が出ていく必要もあるまい。そうこうしていると幹部たちが全員席を外した。
「ふう、やっと終わったか。ヴァイセもご苦労様、疲れただろう。曲者揃いで困ったものだな。」
「あ、いえ。私は別に。いつものことですから。・・・それよりママがすみません。玉座であんなことを。」
「それこそ別にいい。大したことじゃない、あの時に比べれば。」
それにしても、あいつは子離れできていないように感じる。終始ヴァイセの言うことに過剰に反応していた気がする。まあ、ヴァイセが言っていることはほとんど正しいから良いのだが。
「ううう。思ってないですよね。あとでママに言って聞かせますから。」
「あ、いや。本当に気にしてない。まあ、なおるならこしたことはことないが。」
ヴァイセが言って聞かせてもなおることがないだろうと思いつつも、試してみて損はないかとも思う。
「ほどほどにな。あいつも悪気があってしているわけではないからな。」
「はい、それはわかってます。わかってはいるのですが、その・・・」
その言葉を聞いたらあいつ発狂するだろう、間違いない。どこで聞いているかわからないので、俺はその言葉を遮った。
「それより、俺たちもここから出るか。」
俺はヴァイセの言葉を待たず椅子から立ち上がり部屋から出るべく歩を進めた。
「あ、ちょっと待ってくださいよ。魔王様~。」
それにしてもこの調子だと、チャイルも大変だろう。ご愁傷様というほかない。あんな親バカな母親と世話焼きな上司が付いているのだから。
やっと、ヴァイセが追いついたのかはあはあ言いながら横に並んだ。
「なんだか、魔王様ってパパ見たいですよね。」
「なんだ、急に!?心臓に悪いからやめてくれ。」
「まあ、私パパのこと知らないんですけど、パパがいたらこんななのかなと思って。・・・あっ、すみません。私恐れ多いことを。」
急に言い出すから驚いてしまった。まあ、約束ではあったからそう思われてるってことはその約束も果たされていると思っていいのか。
「はははっ、構わんよ。ただ、他の者の前で言うなよ。袋叩きに遭うかもしれん。」
「はい。気をつけます。」
「で、ヴァイセよ。いつまで着いてくる気だ。もう私の自室の前なのだが。」
「はっ!?ボーっとしていました。私も仕事に戻ります。」
「情報収集か。」
「はい。情報収集は私の得意分野ですから。これなら魔王様の役に立てます。それでは。」
「ほどほどにな。無理はするなよ。」
俺の言葉は届かなかったのかヴァイセからの返事は返って来なかった。無事を祈るしかできない。この立場に立ってからというものあの人の言葉を思い出してばかりだ。もっと色々話を聞いておくべきだったか。
「そんなこと考えても今更遅いか。」
俺は自室のドアに手をかけ、自分の仕事を片付けるべく仕事スペースに向かう。そこには、大量の紙の山がテーブルの上にあった。目を背けたい光景、ただそれから逃げることは出来ない。
「さてと、やりますか。」
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