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第五章 旅立ち
懐かしい人影
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ようやく出入口までやってくることができた。そして、目の前にはオレンジ色の光が差し込んでくる。その光に向かって駆け上がった。階段を登り切り見えてきた光景は想像以上の悲惨なものであった。色鮮やかだった花は踏み荒らされ、木も切られるというよりも内側から食い破られたのかと思うほどなかは空洞で幹が申し訳程度に残っていた
「なんだよ、これ・・・そこの人大丈夫ですか?」
目の先に女性のエルフが立ち尽くしていた。背中しか見えないが、おそらくこの光景に目を背けたいのか下を向いている。そして、近づくとこう投げかけられた
「何で戻ってきたのですか?早々にこの里から立ち去ってください。ここは危険です。さあ早く‼」
その声は聞き覚えのある声だった。昔、聞いたことがあるような、そしてそれはこの世にはもういないはずの人の声だった
「・・・ペル?」
そう問わずにはいられなかった。エルフが言った言葉など何も入ってこなかったのだ。そして、顔を覗き込むと涙を一筋流しているペルの顔があった。そう思わざるを得なかった。そんなはずはないと頭では理解していても体と口は勝手に動いてしまう
「なんで?どうしてここにいるの、ペル。答えてよ」
「人違いです。それより、早く戻ってください。そうしないとやつがここに来ます」
そんなこと言われても信じられるか。俺はペルらしきエルフの腕を掴んだ、そうしなければまたいなくなってしまうと思ったから
「離してください。人違いだと言っているでしょう‼」
思いっきり腕を振り回され、力で負けてはいなかったはずなのに、掴んでいた手が放り投げられてしまった。もう一度掴もうと試みるが、そのエルフは一目散に走り去っていった。もう一度腕を掴むことは出来なかった
「待って。待ってくれよ、ペル」
「いいですね。早くここから去るのです。出なければあなた方はここで死ぬことになりますよ」
そう言い残して、その女性は消えていった。目で捉えていたはずなのに、一瞬でいなくなってしまった。何かの魔法だろうか
「ビス何しているの⁉早くこっちに来て。アシオンが襲われているわ」
おいかけようとするも、メイユの言葉に足は止まった。どちらを取るべきなのか何て決まっていた。私的な理由で身勝手な行動をとることが今非常にまずいことなど分かり切っていたのだ。まあ、姿をくらませる魔法を使えるのだ。生き延びることは出来るだろう。それに俺の作り出した幻影なのかもしれない
「クソッ」
「なんだよ、これ・・・そこの人大丈夫ですか?」
目の先に女性のエルフが立ち尽くしていた。背中しか見えないが、おそらくこの光景に目を背けたいのか下を向いている。そして、近づくとこう投げかけられた
「何で戻ってきたのですか?早々にこの里から立ち去ってください。ここは危険です。さあ早く‼」
その声は聞き覚えのある声だった。昔、聞いたことがあるような、そしてそれはこの世にはもういないはずの人の声だった
「・・・ペル?」
そう問わずにはいられなかった。エルフが言った言葉など何も入ってこなかったのだ。そして、顔を覗き込むと涙を一筋流しているペルの顔があった。そう思わざるを得なかった。そんなはずはないと頭では理解していても体と口は勝手に動いてしまう
「なんで?どうしてここにいるの、ペル。答えてよ」
「人違いです。それより、早く戻ってください。そうしないとやつがここに来ます」
そんなこと言われても信じられるか。俺はペルらしきエルフの腕を掴んだ、そうしなければまたいなくなってしまうと思ったから
「離してください。人違いだと言っているでしょう‼」
思いっきり腕を振り回され、力で負けてはいなかったはずなのに、掴んでいた手が放り投げられてしまった。もう一度掴もうと試みるが、そのエルフは一目散に走り去っていった。もう一度腕を掴むことは出来なかった
「待って。待ってくれよ、ペル」
「いいですね。早くここから去るのです。出なければあなた方はここで死ぬことになりますよ」
そう言い残して、その女性は消えていった。目で捉えていたはずなのに、一瞬でいなくなってしまった。何かの魔法だろうか
「ビス何しているの⁉早くこっちに来て。アシオンが襲われているわ」
おいかけようとするも、メイユの言葉に足は止まった。どちらを取るべきなのか何て決まっていた。私的な理由で身勝手な行動をとることが今非常にまずいことなど分かり切っていたのだ。まあ、姿をくらませる魔法を使えるのだ。生き延びることは出来るだろう。それに俺の作り出した幻影なのかもしれない
「クソッ」
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