ヒレイスト物語

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第五章 旅立ち

襲撃者の正体

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俺はメイユとともにアシオンの元に向かう。そこにはレスプケ様とサジュを守りながら戦っているアシオンの姿があった


「大丈夫か、アシオン‼」

「ああ、なんとかな・・・というかお前たちも着ちまったのか。俺のこと信用してないのか」

「今そんなこと言ってる暇ないだろ。それに今の状況でそんなこと言えるのか‼」

「ははっ。面目ねえ」


そんなことを言ったが、仕方がないことだということはわかっていた。二人を守りながら戦うことの困難さ。それがこれほどアシオンを苦しめているのだろう


「なぜお主たちも来たのじゃ。さっさと逃げればよいものを」

「婆さんそんなこと言っても、もう遅いぜ。きちまったんだからな」

「次から次へと。邪魔をするんじゃないだわさ。おい、お前ら突っ立ってないで早く攻撃しろ」


アシオンと相対している女性の声とともに周りにいた魔物たちが俺たちに襲い掛かってこようとする。だが、それをアシオンは防いだ


「おっとここから先は通さないぜ」

「くっ。なぜあんたたちは邪魔をするだわさ。特にアシオンとメイユ。あんたたちはこっち側の者だわさ」


よく見ると、その女性は角が生え、肌の色も青紫がかっている。そして、一番特徴的なのは背中に翼が生えているということ。俺の記憶が正しければ、あの女性はおそらく悪魔族であろう。ということはこの事態の首謀者は・・・


「関係ないね、“テジュ”。それにこれはラオザムの独断なんじゃないのか」

「ラオザム様だわさ。様をつけろ無礼者‼ウチはそんなこと知らないだわさ。ラオダム様の命令に従っているだけだわさ」

「じゃあ、オレはそれに従う必要はねえな。それにもし、王様の命令だとしても、殺す命令はされていないはずだ」

「ぬるいだわさ。あんたも、王も」

「おめえも様つけてねえじゃねえか‼・・・ってあぶねえ。いきなり攻撃してくるなよ」


テジュと言われた悪魔族の女性は爪を極限まで鋭く伸ばしアシオンに攻撃している


「ちっ、外しただわさ」

「アシオン俺も手伝う」

「来るな‼・・・オレの方は大丈夫だ。それより、ソエルとパヴィがあぶねえ。そいつらの話しだとおそらくラオダムと対峙しているはずだ。そっちに向かってくれ」

「様をつけろと言っているだわさ。それにウチがそいつらを通すとでも?」

「通させて見せるさ・・・今の内だ、ビス、メイユ‼早く行け‼」

アシオンがテジュに大剣でテジュを押し潰さんばかりに圧をかけている


「ソエルとパヴィさんはラルヘスセルスのところです」

「ありがとう、サジュさん。行くぞ、メイユ」

「ええ」

俺たちは何とか抜けることができた


「くっ‼・・・まあいいだわさ。ウチの他にも来ているしね。それより、アシオン。良かったの?行かしてしまって。そんなボロボロな体でウチを倒せるとでも思っているんだわさ?後ろの二人を守りながら」

「へっ。お前相手ならこのぐらいのハンデで十分だ」

「っっ‼後悔しても知らないだわさ」
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