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第五章 旅立ち
足止め
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アシオンの足止めの甲斐あって追ってくる魔物の数は減っていた。しかし、あの状態で戦っていて大丈夫だろうか・・・止めよう。任せると決めたのだ
「あの木はまだ無事だな」
「そうみたいね」
「これはこれは、メイユさんにビスさんじゃあ~りませんか。もしかして手伝いに来てくれた~んですか、嬉しいですね」
「ロブネル、あなたまでここに来ているなんて」
ロブネルと呼ばれた者は、中肉中背、糸目の男性であった。ぱっと見何の種族だかわからなかったが、よく見ると耳が尖っているし、話始めた時牙らしきものが見え、そして服装がなんの種族だか物語っていた・・・名前を知られていることはもう気にすまい
「・・・気をつけてね。あいつは吸血鬼族。むやみに近づいたら血を吸われるわよ」
小声でそうメイユが注意してきた。俺の予想はあたっていたらしい。まあ、あれだけわかりやすいローブを着ていればな
「ワタクシが気を引くからその内にビスは行って」
「わかった」
「何で~すか?二人してコソコソ。我も混ぜて欲しいで~すね」
「何でもないですわ。それより戦況はどうなっているんですの?」
「ん?何で~すか。聞こえませ~んよ、もうちょっと近づいて下さ~い」
わかりやすい挑発だ。だが、メイユはその言葉にのりロブネルに近づいていく。相手の思うつぼというやつだが、メイユ自身も近距離タイプだ。近づかなければ攻撃できない。それも踏まえての行動だろう
「戦況はどうなってるんですの?」
「ああ、戦況で~すね」
今度は聞こえたらしい。ただ、今度はこっちが聞こえづらくなっている。何やら羽音のようなものが言葉をかき消しているのだ
「まずいわ。ビス、耳を塞いで‼」
「え!?」
微かに聞き取ることができ、すぐさま耳を塞いだ。そして、メイユは大きく後ろに飛び退いた。その直後、耳障りな音が響き渡る
「ぐあ‼なんだこれ」
「超音波よ。やつの蝙蝠がやっているの」
気が付けば周りには蝙蝠だらけであった。気が付かなかった。闇にうまく溶け込んでいたのだろう
「教えるわけないじゃないで~すか。あなたたちは我の敵のようで~すしね。先ほど、我のペットちゃんたちが教えてくれま~した。殺しの命令は出ていませんし、お二人とも事が終わるまでそこで気絶していてもらいま~す」
超音波は勢いを増し、両耳に襲い掛かってくる。このままでは気絶する前に耳が壊れてしまう
「ぐああああ、カヴァグロム‼」
辛うじて、魔法を使うことができた。そして、近くにいた蝙蝠たちが音をたてて地面に落ちていく
「やったか?」
「ええ、でもまずいことになったわ」
「へ、どういうことだ?」
「ロブネルを見て見なさい」
メイユの言う通り、ロブネルに視線を移すと、顔が真っ赤に染まり、糸目だった目が、見開き赤く染まった目があらわになっている
「よくもよくも、我のペットちゃんたちを。許しませ~んよ、絶対に。命令何て知りませ~ん、お前たちはここで消し炭にしてくれるわ‼」
最後口調が変わったような。それにドスの効いた声に変わっていた。それにしても、そんなに大事にしていた蝙蝠たちを踏みつぶしているがいいのだろうか
「ビス、なにぼーっとしているの。ここはワタクシに任せて早く行きなさい」
「わ、わかった」
「待て、お前は絶対に逃がさん‼」
ロブネルがこちらに突進してくる。だが、メイユがどうにか気を引いたらしくこっちにぶつかることはなかった。怖いもの見たさで振り返ってみると、メイユが一匹の蝙蝠を拾い上げていた
「ぐおおおお‼、メイユ‼許さんぞ、許してなるものか‼」
見なければ良かったと少し後悔している。そこには滝のように涙を流しているロブネルの姿があった。可哀想と思いつつも、一番蝙蝠を踏みつぶしているのはロブネルなのだが。複雑な心境になってしまった。まあ、あんなに怒り狂っているが、強いのだろう。別れる間際に見たメイユの顔は真剣そのものであったのだから
「あの木はまだ無事だな」
「そうみたいね」
「これはこれは、メイユさんにビスさんじゃあ~りませんか。もしかして手伝いに来てくれた~んですか、嬉しいですね」
「ロブネル、あなたまでここに来ているなんて」
ロブネルと呼ばれた者は、中肉中背、糸目の男性であった。ぱっと見何の種族だかわからなかったが、よく見ると耳が尖っているし、話始めた時牙らしきものが見え、そして服装がなんの種族だか物語っていた・・・名前を知られていることはもう気にすまい
「・・・気をつけてね。あいつは吸血鬼族。むやみに近づいたら血を吸われるわよ」
小声でそうメイユが注意してきた。俺の予想はあたっていたらしい。まあ、あれだけわかりやすいローブを着ていればな
「ワタクシが気を引くからその内にビスは行って」
「わかった」
「何で~すか?二人してコソコソ。我も混ぜて欲しいで~すね」
「何でもないですわ。それより戦況はどうなっているんですの?」
「ん?何で~すか。聞こえませ~んよ、もうちょっと近づいて下さ~い」
わかりやすい挑発だ。だが、メイユはその言葉にのりロブネルに近づいていく。相手の思うつぼというやつだが、メイユ自身も近距離タイプだ。近づかなければ攻撃できない。それも踏まえての行動だろう
「戦況はどうなってるんですの?」
「ああ、戦況で~すね」
今度は聞こえたらしい。ただ、今度はこっちが聞こえづらくなっている。何やら羽音のようなものが言葉をかき消しているのだ
「まずいわ。ビス、耳を塞いで‼」
「え!?」
微かに聞き取ることができ、すぐさま耳を塞いだ。そして、メイユは大きく後ろに飛び退いた。その直後、耳障りな音が響き渡る
「ぐあ‼なんだこれ」
「超音波よ。やつの蝙蝠がやっているの」
気が付けば周りには蝙蝠だらけであった。気が付かなかった。闇にうまく溶け込んでいたのだろう
「教えるわけないじゃないで~すか。あなたたちは我の敵のようで~すしね。先ほど、我のペットちゃんたちが教えてくれま~した。殺しの命令は出ていませんし、お二人とも事が終わるまでそこで気絶していてもらいま~す」
超音波は勢いを増し、両耳に襲い掛かってくる。このままでは気絶する前に耳が壊れてしまう
「ぐああああ、カヴァグロム‼」
辛うじて、魔法を使うことができた。そして、近くにいた蝙蝠たちが音をたてて地面に落ちていく
「やったか?」
「ええ、でもまずいことになったわ」
「へ、どういうことだ?」
「ロブネルを見て見なさい」
メイユの言う通り、ロブネルに視線を移すと、顔が真っ赤に染まり、糸目だった目が、見開き赤く染まった目があらわになっている
「よくもよくも、我のペットちゃんたちを。許しませ~んよ、絶対に。命令何て知りませ~ん、お前たちはここで消し炭にしてくれるわ‼」
最後口調が変わったような。それにドスの効いた声に変わっていた。それにしても、そんなに大事にしていた蝙蝠たちを踏みつぶしているがいいのだろうか
「ビス、なにぼーっとしているの。ここはワタクシに任せて早く行きなさい」
「わ、わかった」
「待て、お前は絶対に逃がさん‼」
ロブネルがこちらに突進してくる。だが、メイユがどうにか気を引いたらしくこっちにぶつかることはなかった。怖いもの見たさで振り返ってみると、メイユが一匹の蝙蝠を拾い上げていた
「ぐおおおお‼、メイユ‼許さんぞ、許してなるものか‼」
見なければ良かったと少し後悔している。そこには滝のように涙を流しているロブネルの姿があった。可哀想と思いつつも、一番蝙蝠を踏みつぶしているのはロブネルなのだが。複雑な心境になってしまった。まあ、あんなに怒り狂っているが、強いのだろう。別れる間際に見たメイユの顔は真剣そのものであったのだから
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