アナスタシス・フルム

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第1章 初めてのダンジョン

決着と

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どうにかこうにかあと一歩まで追い詰めることができた。二人とももうヘトヘトだ。


「はあ、はあ。ロガ、あなたが留めを刺していいわよ。」


「いや、ここまで追い詰めることができたのはディタお前のおかげだ。留めはお前が刺してくれ。」


疲れているから譲っているわけではない。それにディタがやつの動きを遅くしてくれなきゃ早々にあの角の餌食になっていた。本当にそう思ったからお願いをしたのだ。それに、ディタの自信にもなるし、手土産になるだろうと思ってのことだ。


「わかったわ。ウォーター。」


ディタの一撃にジャラー・フォーンは崩れ落ちた。



倒した余韻に浸っていると何か声が聞こえてくる。


「汝らよ。その机に本を置き給え。さすれば力を与えん。」


目の前に視線を戻すと、いつの間にか机が現れていた。


「ほら、ロガ。先どうぞ。」


ディタが促してくれる。恐る恐る近づき、その机を見る。そうすると、本がピッタリはまりそうな凹みがあった。


「おい、レクス・・・ってもうなってるのか。」


レクスの方を見るとすでに本の姿になっている。俺は、本を机のくぼみに嵌める。
すると、本が浮き上がりページがパラパラと開く。そしてどこから現れたのか羽ペンがスラスラと何かを書き込んでいる。本が俺の前にやってくる。その部分を読むとこう書かれていた。




”炎で創られし刃 フレイムソード”






ディタが魔法を手に入れた後、謎の声がまた聞こえてくる。


「それにしても、お主ら、戦いというものを知らんのか。見苦しくて見てられなかったぞ。」


謎の声が悪態をついてくる。


「う、うるせー。そんなこと言うんだったら出てこい。相手してやる。」


「やめなさいよ。私は手伝わないからね。」


ディタから衝撃の言葉が出てくる。”えっ。手伝ってくれないの?”と言葉が出かかってしまう。疲れもあり意地で言ってしまった言葉。ディタが手伝ってくれるならと密かに期待していたのだが、拒否されてしまう。もう意地で戦うしかないのかと天を仰いでいると有難い言葉が返ってきた。


「そんなことするわけなかろう。お前らでは我の相手にならん。無用な殺生はしたくないからな。」


助かったと思いつつも、手に力が入ってしまう。


「さて、次も控えておる。お主らには早々に立ち去ってもらわねば。」


俺たちの体が光に包まれ始める。


「な、なんだよ、これ?」


「ダンジョンの入り口まで戻るのよ。」


俺がテンパっているとディタがそう教えてくれた。ただ、焦りが消えることはなかった。なぜだかわからないが、この声の主にどうしても聞かなければならないことがあるとそう思ったのだ。俺は無意識に声を発していた。


「お前、”火山の神殿”を知らないか。」


「ほう、今の時代それを聞いてくる輩がいるとは。少なくなっても追い求める馬鹿はいつの時代もいるものだな。最近それを聞いてきたのは、お前で二人目だよ。」


何か意味深な言葉をはき捨てている。それに姿を見せていないので、なんとも言えないが、声から少し嬉しそうな感じがする。


「知ってるんだな‼知ってんだったら早く教えろ‼」


「それが人に聞く態度か。まあ、よい。よかろう。但し、・・・また会うことができればな。楽しみしておるぞ。童《わっぱ》。」


俺たちを包む光が強くなり、一瞬光で目が開けられなくなる。恐る恐る目を開けるとそこは見覚えのある景色が広がっていた。太陽は申し訳程度に雲から顔を覗かせている。せっかく手に入りそうだったのに。やっと近づけるとそう思ったのに。


「くっそーーーー‼」


俺は叫ばずにはいられなかった。どこに向けるでもないその声は空に消えていく。





「く、くそ。進めない。何でだよ‼」


ダンジョンにもう一度入ろうとしたが、見えない壁に阻まれる。


「無駄よ、やめなさい。一度攻略したダンジョンはもう二度と入れないんだから。」


ディタが俺を止めようとする。だが、その行為を止めることができなかった。


「何でだよ。俺はもう一度あいつに聞かなきゃいけないんだよ。だから、・・・開けてくれよ。」



その見えない壁を叩くが拳に血で滲むだけだった。段々と壁を叩くスピードは落ちていく。
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