アナスタシス・フルム

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第2章 老人との出会い

視線

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色々見て回ったがしっくりくるものが一つしかなかった。それはこれ。剣である。
無難とか言わないでね。


「よしこれにするか。」


「あら、決まったの?案外早かったわね。・・・剣ね。うん。いいと思うわ。」


絶対こいつ無難なやつ選んだとか思ってるよ。別にいいのだが。


「じゃあ、あっちで買ってくるといいわ。」


「ああ、行ってくる。」


俺はレジに向かう。だが、ふと頭によぎったことがあった。これっていくらだっけ。だが、一足遅かった。もうすでにレジに剣を置いてしまっている。



「まいどあり~。」



なんとか間に合った。間に合わなければディタにでも借りようとも思っていたけれど。だが、財布の中身はすっからかんになっていた。あれだけ入っていたものが一瞬にして消え去った。中身はヒルさんに会う前より少なくなっていた。俺が下を向いてとぼとぼ歩いているとディタに声を掛けられた。


「まだ時間もあるし、お昼前に試しに行かない?」


上に目をやると、日はまだ天辺に登り切る前だった。体感としてはもっと長く感じていたが。


「そうだな。せっかくだし。」


「じゃあ、決まりね。でも荷物もあるし、一回戻ってからにしましょう。」


そういうとディタはスタスタと歩いて行ってしまう。いや、そういうなら荷物をちょっとぐらい持ってくれても良くないか。宿に戻る途中何か嫌な視線を感じた。ジメジメまとわりつく視線が。


「じゃあ、ここで一旦お別れね。荷物置き終わったら外に集合ね。」


やっと荷物運びから解放された。俺が持っていた荷物をほとんどディタが持って行き手元に残ったのは剣だけだった。・・・俺部屋に戻る必要なくない?出入口で棒立ちしているとヒルさんに声を掛けられた。


「どうやらめいっぱい楽しんできたみたいだね。」


「ヒルさんにはそう見えるのか。俺は疲れたよ。」


「そうかい。そんな風には見られないけど。」


そういうと、ヒルさんは奥へと消えてった。どうやら仕事で忙しいみたいだ。そういえば稼いでるっていってたし、何か副業でもやっているのかと考える。そんな事を考えているとディタが戻ってくる。


「準備はいい?」


「ああ。」


といっても俺は部屋に戻ってないんだが。俺たちは外に出る。するとあのお調子者たちが目に入る。横目に見えるディタは少し震えているようだった。
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