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第2章 老人との出会い
老人(2)
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そして俺たちは今町はずれのフォルクさんのところにいる。家ではなくテントがそこには建っている。ただ、強風が吹けば倒れてしまうのではと思うほどのテントだった。
「フォルクさん、フォルクさん‼」
「なんじゃ、騒々しいの。何か用かね。」
「俺はロガって言います。こっちはディタです。俺たちヒルさんから紹介されて来たんだけど・・・」
フォルクさんが出てきた時はどこにでもいそうな優しそうなおじいさんである。外見は置いといてだが。ただ、ヒルさんの名前を出した途端フォルクさんの纏う空気が変わったのだ。
「あやつに紹介されてきただと⁉・・・お前らに話すことなど何もない帰れ‼」
何でそんなにヒルさんのことを毛嫌いしているんだろう。その疑問をディタが聞いてくれた。
「何でそんなにヒルさんのこと毛嫌いしているんですか?」
纏う空気は変わっていなかったが、声は淡々としていた。
「あやつ、しつこいのじゃ。どこまでも追ってくる。恐怖すら感じているぞ。ここまで来ると意地でも教えたくなくなってしまったのじゃ。その関係者なぞに教えるつもりはないぞ。」
「ま、待って。どうしても聞きたいことがあるんだ。」
そう言うとフォルクはテントの方に向かうが、かろうじてこちらに顔を向けてくれた。
「察しはついておる。どうせ火山の神殿について聞きたいのじゃろ。それにワシは火山の神殿なぞ知らん。早く帰れ。ワシも忙しいのじゃ。」
なるほど、ヒルさんの言う通り手強い。ただ、火山の神殿について知らないというのは嘘だと思った。
「噓でしょ。知らないなんて。」
その言葉にフォルクさんは食いつく。
「ほう。なぜそう思うのじゃ?」
「だってさっき”意地でも教えたくない”って言ってたじゃないか。」
フォルクさんは鼻で笑い、こう吐き捨てた。
「そんなこと言ったかの?」
とぼけやがった。フォルクさんは俺が今まで見てきた人の表情のなかで一番のアホ面を向けてきている。顔の力はすべて抜けており、鼻くそをほじっているのだ。一瞬にして脳みそが溶けてしまったのか。それでも俺は諦めなかった。ただ、視線は下に下がってしまっていた。
「俺絶対に叶えたいことがあるんだ。だから・・・」
「やめておけ。」
全部言い終わる前にフォルクさんが口を出してきた。それにその言葉は力が抜けているのに力がある、そんな矛盾のはらんだ言葉であった。俺は下に向けていた視線をフォルクさんに戻すとアホ面はしていなかった。それどころかみずぼらしかった見た目が気品の感じられる雰囲気があった。
「お前の叶えたいことはなんじゃ?」
「それは・・・」
口がうまく開かない。言いたくないのだ。その気持ちが無意識のうちに口を閉ざす。
「言いたくない、か。お嬢ちゃんの方は?」
「私はロガの付き添いです。」
フォルクさんは頭を左右に振っている。話にならんとでも言うように。
「はあ、大した願いもなく挑戦しようとしておるのか。そんなでは教えたところで死ぬのが関の山じゃ。」
「俺はちが・・・」
「ロガそれはダメ‼」
俺が叫ぼうとしようとしたらそれをかき消すようにレクスが大声で叫ぶ。その叫び声に我に帰る。レクスに助けられたと思ったが、レクスの叫び声はすでに無駄であった。ディタが俯いていたのだから。そしてプルプルと震えている。
言い方を間違えてしまった。視線の行き先が定まらず自然と下に向けてしまう。それに俺の言おうとしたことはフォルクさんにも届いていたらしい。
「じゃあ、なぜはっきりと言えぬのじゃ。絶対に叶えたいモノであればはっきりと言えるはずじゃがな。」
「っ。」
エミンに乗っかられたのかと思うほどの重さが俺の頭を襲い、下を向いていた視線が地面に近づく感じがする。
「仲がいいのか、悪いのかわからんな。」
そうフォルクが吐き捨てる。俺は無理矢理視線をあげ、首が半分ほどまっすぐになったところで止める。決して上がらなかったわけでない。今できる最大の反抗をするためにそうしたのだ。俺はその状態でフォルクに視線を向ける。
「おう、怖い、怖い。か弱い老人にそんな目を向けるでない。怖さで腰が抜けそうじゃ。」
フォルクさんは言葉とは裏腹に怖がっている様子はなかった。むしろその言葉は人の感情を逆なでする意味をはらんでいる。
「そんな状態では、教える気にはなれんな。帰れ。」
フォルクさんの視線が外れたことで俺にかかっていた重さから解き放たれ手が何かを掴むべく動き出した。
「ま、待って。」
しかし、今度は俺の言葉には届かなかった。パサッと音が聞こえる。俺の手は虚空を掴んでいた。
「フォルクさん、フォルクさん‼」
「なんじゃ、騒々しいの。何か用かね。」
「俺はロガって言います。こっちはディタです。俺たちヒルさんから紹介されて来たんだけど・・・」
フォルクさんが出てきた時はどこにでもいそうな優しそうなおじいさんである。外見は置いといてだが。ただ、ヒルさんの名前を出した途端フォルクさんの纏う空気が変わったのだ。
「あやつに紹介されてきただと⁉・・・お前らに話すことなど何もない帰れ‼」
何でそんなにヒルさんのことを毛嫌いしているんだろう。その疑問をディタが聞いてくれた。
「何でそんなにヒルさんのこと毛嫌いしているんですか?」
纏う空気は変わっていなかったが、声は淡々としていた。
「あやつ、しつこいのじゃ。どこまでも追ってくる。恐怖すら感じているぞ。ここまで来ると意地でも教えたくなくなってしまったのじゃ。その関係者なぞに教えるつもりはないぞ。」
「ま、待って。どうしても聞きたいことがあるんだ。」
そう言うとフォルクはテントの方に向かうが、かろうじてこちらに顔を向けてくれた。
「察しはついておる。どうせ火山の神殿について聞きたいのじゃろ。それにワシは火山の神殿なぞ知らん。早く帰れ。ワシも忙しいのじゃ。」
なるほど、ヒルさんの言う通り手強い。ただ、火山の神殿について知らないというのは嘘だと思った。
「噓でしょ。知らないなんて。」
その言葉にフォルクさんは食いつく。
「ほう。なぜそう思うのじゃ?」
「だってさっき”意地でも教えたくない”って言ってたじゃないか。」
フォルクさんは鼻で笑い、こう吐き捨てた。
「そんなこと言ったかの?」
とぼけやがった。フォルクさんは俺が今まで見てきた人の表情のなかで一番のアホ面を向けてきている。顔の力はすべて抜けており、鼻くそをほじっているのだ。一瞬にして脳みそが溶けてしまったのか。それでも俺は諦めなかった。ただ、視線は下に下がってしまっていた。
「俺絶対に叶えたいことがあるんだ。だから・・・」
「やめておけ。」
全部言い終わる前にフォルクさんが口を出してきた。それにその言葉は力が抜けているのに力がある、そんな矛盾のはらんだ言葉であった。俺は下に向けていた視線をフォルクさんに戻すとアホ面はしていなかった。それどころかみずぼらしかった見た目が気品の感じられる雰囲気があった。
「お前の叶えたいことはなんじゃ?」
「それは・・・」
口がうまく開かない。言いたくないのだ。その気持ちが無意識のうちに口を閉ざす。
「言いたくない、か。お嬢ちゃんの方は?」
「私はロガの付き添いです。」
フォルクさんは頭を左右に振っている。話にならんとでも言うように。
「はあ、大した願いもなく挑戦しようとしておるのか。そんなでは教えたところで死ぬのが関の山じゃ。」
「俺はちが・・・」
「ロガそれはダメ‼」
俺が叫ぼうとしようとしたらそれをかき消すようにレクスが大声で叫ぶ。その叫び声に我に帰る。レクスに助けられたと思ったが、レクスの叫び声はすでに無駄であった。ディタが俯いていたのだから。そしてプルプルと震えている。
言い方を間違えてしまった。視線の行き先が定まらず自然と下に向けてしまう。それに俺の言おうとしたことはフォルクさんにも届いていたらしい。
「じゃあ、なぜはっきりと言えぬのじゃ。絶対に叶えたいモノであればはっきりと言えるはずじゃがな。」
「っ。」
エミンに乗っかられたのかと思うほどの重さが俺の頭を襲い、下を向いていた視線が地面に近づく感じがする。
「仲がいいのか、悪いのかわからんな。」
そうフォルクが吐き捨てる。俺は無理矢理視線をあげ、首が半分ほどまっすぐになったところで止める。決して上がらなかったわけでない。今できる最大の反抗をするためにそうしたのだ。俺はその状態でフォルクに視線を向ける。
「おう、怖い、怖い。か弱い老人にそんな目を向けるでない。怖さで腰が抜けそうじゃ。」
フォルクさんは言葉とは裏腹に怖がっている様子はなかった。むしろその言葉は人の感情を逆なでする意味をはらんでいる。
「そんな状態では、教える気にはなれんな。帰れ。」
フォルクさんの視線が外れたことで俺にかかっていた重さから解き放たれ手が何かを掴むべく動き出した。
「ま、待って。」
しかし、今度は俺の言葉には届かなかった。パサッと音が聞こえる。俺の手は虚空を掴んでいた。
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