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第3章 祭壇の謎
絶対零度
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腕の速度は遅かったもののこいつの雄たけびで怯んでいたのか避けられず直撃し、凄まじいスピードでこちらに飛ばされてくる。受け止めるべきかと悩んでいたが、跳んでくるレクスが大きくなっているように感じ瞬時に避けた。
その直後ドゴッ‼という音が辺りに響く。おかしい。確かに前に跳んできた時音はした。でも、こんなに鈍く重みのある音ではなかった。それにレクスが小言を言ってこない。
「おい、レクス。大丈夫か‼」
そう言っても返事はなく、手を伸ばしレクスであるはずのものを触る。
「つめたっ‼」
「思い出した‼あいつはパゴノ・ジャリド。あいつの攻撃を受けると凍っちゃうのよ‼」
「そうか。俺も今それがわかったところだよ。」
名前はわからなかった。でも、攻撃の方は目の前のレクスを見たら明らかだった。凍っているのだ、全身。というかまるごと氷で覆われていた。
「ファイア」
「・・・ええええええ。ってあれ?ボク飛ばされたんじゃ?」
今はレクスに構っている暇はない。不思議がっているレクスを尻目に俺はジャリドに向かう。
「ちょ、ちょっと、ロガ。策はあるの?ないなら戻ってきなさい‼」
返事はしないが、策はある。ジャリドはおそらく氷の体だ。俺の攻撃が有効なはずだ。それにあいつの一撃一撃は重そうだが、避けられないスピードじゃない。だから俺は、突進しているのだ。
「フレイムソード」
魔法を出し、ジャリドの懐に潜り込み、切りつける。
「おりゃあああ‼」
ジュワーと氷が解け蒸発する音がする。ただ、切りつけたところを見ると、傷はついているもののすぐに再生されていた。内側からの冷たさの方が俺の魔法の熱より上回っているということだ。
「噓だろ⁉あの熱で溶けないのかよ。・・・じゃあこれならどうだ‼」
俺は、フレイムソードで一回のみならず何度切りつける。だが、俺の安易な行動は無謀だったことがわかった。
「くっそ、何回やっても溶けねぇ、何なんだこいつは。」
さっきの連続攻撃で息が途切れ途切れだ。態勢を整えるべく懐からでてディタの方に戻ろうとする。
「ロガ‼早くこっち来て‼」
いきなりディタが大声で叫んできた。何かあったのかと思い、走りながら上半身を捻りジャリドの方に視線をやる。そこには大口を開け、思いっきり空気を吸い込んでいるジャリドの姿があった。俺は無我夢中でディタのほうに走った。ああ、言っていたのだ、何か策があるはず、そうあって欲しい。だが、俺の走り虚しく、ジャリドの声が聞こえた。
「ゴギャアアアア‼」
その叫びはさっきの雄叫び以外の要素が含まれている気がした。俺の体は、それを感じブルブルと震えてくる。そして、一番最初に捕まったのは、左足だった。接着剤か何かでくっつけられたように動かない。振り返るとそこには透明な何かに覆われた足があった。それは徐々に俺の体を覆い始めてくる。
「くっそー‼動け、俺の足~‼」
「メイロストロム‼」
その直後ドゴッ‼という音が辺りに響く。おかしい。確かに前に跳んできた時音はした。でも、こんなに鈍く重みのある音ではなかった。それにレクスが小言を言ってこない。
「おい、レクス。大丈夫か‼」
そう言っても返事はなく、手を伸ばしレクスであるはずのものを触る。
「つめたっ‼」
「思い出した‼あいつはパゴノ・ジャリド。あいつの攻撃を受けると凍っちゃうのよ‼」
「そうか。俺も今それがわかったところだよ。」
名前はわからなかった。でも、攻撃の方は目の前のレクスを見たら明らかだった。凍っているのだ、全身。というかまるごと氷で覆われていた。
「ファイア」
「・・・ええええええ。ってあれ?ボク飛ばされたんじゃ?」
今はレクスに構っている暇はない。不思議がっているレクスを尻目に俺はジャリドに向かう。
「ちょ、ちょっと、ロガ。策はあるの?ないなら戻ってきなさい‼」
返事はしないが、策はある。ジャリドはおそらく氷の体だ。俺の攻撃が有効なはずだ。それにあいつの一撃一撃は重そうだが、避けられないスピードじゃない。だから俺は、突進しているのだ。
「フレイムソード」
魔法を出し、ジャリドの懐に潜り込み、切りつける。
「おりゃあああ‼」
ジュワーと氷が解け蒸発する音がする。ただ、切りつけたところを見ると、傷はついているもののすぐに再生されていた。内側からの冷たさの方が俺の魔法の熱より上回っているということだ。
「噓だろ⁉あの熱で溶けないのかよ。・・・じゃあこれならどうだ‼」
俺は、フレイムソードで一回のみならず何度切りつける。だが、俺の安易な行動は無謀だったことがわかった。
「くっそ、何回やっても溶けねぇ、何なんだこいつは。」
さっきの連続攻撃で息が途切れ途切れだ。態勢を整えるべく懐からでてディタの方に戻ろうとする。
「ロガ‼早くこっち来て‼」
いきなりディタが大声で叫んできた。何かあったのかと思い、走りながら上半身を捻りジャリドの方に視線をやる。そこには大口を開け、思いっきり空気を吸い込んでいるジャリドの姿があった。俺は無我夢中でディタのほうに走った。ああ、言っていたのだ、何か策があるはず、そうあって欲しい。だが、俺の走り虚しく、ジャリドの声が聞こえた。
「ゴギャアアアア‼」
その叫びはさっきの雄叫び以外の要素が含まれている気がした。俺の体は、それを感じブルブルと震えてくる。そして、一番最初に捕まったのは、左足だった。接着剤か何かでくっつけられたように動かない。振り返るとそこには透明な何かに覆われた足があった。それは徐々に俺の体を覆い始めてくる。
「くっそー‼動け、俺の足~‼」
「メイロストロム‼」
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