44 / 98
第3章 祭壇の謎
風を送るやつだよ
しおりを挟む
声の聞こえたほうに視線をやるとそこにはディタがいた。どうやらディタの方からこっちに来てくれたようだ。
「ロガ、無理に外そうとしない。足もげるわよ。」
「怖いこと言うなよ。でも、ありがとう。助かった。ファイア」
「お礼はあと。これをどうにかしないと。」
そう、ジャリドから放たれた冷気の波はまだ続いているのだ。それどころか、辺りの水分を氷に変え、その氷が飛んで来ているのだ。パン、パンと弾ける音が鳴り響いている。それに、ディタの魔法では直撃は防げても冷気に冷やされた周りの空気までは防げない。このままでは全員凍え死んでしまう。
「っていうか、どんだけ息続くんだよ。化け物か。」
「そうよ、化け物よ。そんなことより、ロガも何か考えてよ。」
そうは言っても、寒さで頭が回転しない。まあ、もともとたいして回転する頭はないのだが。・・・まずい、ネガティブになってしまっている。うーん、何か、何かないか。
「ううう、余計寒くなっているような。なんかディタの魔法、あれ見たい、ほらなんだっけ、前にロガが呼んでいた本に載っていたような、羽みたいなのがグルグル回って風送るやつ。何だっけ、ロガ?」
「レクス、今それどころじゃ・・・そうか。いや、でも。そううまくいくか。」
「何?ブツブツ呟いて。何か思いついたなら早くやりなさいよ。今は試すしかないでしょ。」
「そうだな。でも、これだけは言っとく。信じてるからな、ディタ。」
「なっ⁉何よ、急に。」
ディタの言葉を無視し、魔法を放つ。何度も何度も、ディタの魔法に向けて。
「ファイア、ファイア、ファイア、ファイア‼」
ディタは何も言わずに見守ってくれる。驚いて言葉が出ないだけかもしれないけどな。
「極めつけだ‼フレイムソード‼」
ディタの魔法が蒸発しきってしまわないよう調節する。水が沸騰するイメージで。
「そういうこと。やるならやるって、いいなさいよね。少し考えちゃったじゃない。それより、手加減しなくてもいいわよ。それともさっきの言葉は嘘なの?」
「いや、嘘じゃない。」
俺は火力をあげる。さっきジャリドに放ったみたく。いや、それ以上に。ディタに負けたくない一心で。
「おりゃああああああ‼」
辺りが暖かくなっていく。そして徐々に蒸しかえるような暑さに、焼けるような熱さへと変わっていく。汗が滝のように流れてくる。勝ち負けではないことはわかってはいるが、目の前の光景に悔しい気持ちになる。
「はあ、はあ。まだ足りないか?」
目の前が見えないため、ジャリドの様子が見られない。冷気もなくなっている気がするけど、確信が得られない。
「わからないわ。それより、今度は熱さにやられそう。」
俺もディタも限界だった。何とかしなければ。自分たちの策でやられるわけにはいかない。
「ええい、なるようになるさ。とおっ‼」
「ちょ、ロガ!?」
俺はディタの魔法の範囲外へと飛び出た。ジャリドの攻撃で凍えてしまうかもしれなかったが。申し訳程度に魔法を添えて。
「ロガ、無理に外そうとしない。足もげるわよ。」
「怖いこと言うなよ。でも、ありがとう。助かった。ファイア」
「お礼はあと。これをどうにかしないと。」
そう、ジャリドから放たれた冷気の波はまだ続いているのだ。それどころか、辺りの水分を氷に変え、その氷が飛んで来ているのだ。パン、パンと弾ける音が鳴り響いている。それに、ディタの魔法では直撃は防げても冷気に冷やされた周りの空気までは防げない。このままでは全員凍え死んでしまう。
「っていうか、どんだけ息続くんだよ。化け物か。」
「そうよ、化け物よ。そんなことより、ロガも何か考えてよ。」
そうは言っても、寒さで頭が回転しない。まあ、もともとたいして回転する頭はないのだが。・・・まずい、ネガティブになってしまっている。うーん、何か、何かないか。
「ううう、余計寒くなっているような。なんかディタの魔法、あれ見たい、ほらなんだっけ、前にロガが呼んでいた本に載っていたような、羽みたいなのがグルグル回って風送るやつ。何だっけ、ロガ?」
「レクス、今それどころじゃ・・・そうか。いや、でも。そううまくいくか。」
「何?ブツブツ呟いて。何か思いついたなら早くやりなさいよ。今は試すしかないでしょ。」
「そうだな。でも、これだけは言っとく。信じてるからな、ディタ。」
「なっ⁉何よ、急に。」
ディタの言葉を無視し、魔法を放つ。何度も何度も、ディタの魔法に向けて。
「ファイア、ファイア、ファイア、ファイア‼」
ディタは何も言わずに見守ってくれる。驚いて言葉が出ないだけかもしれないけどな。
「極めつけだ‼フレイムソード‼」
ディタの魔法が蒸発しきってしまわないよう調節する。水が沸騰するイメージで。
「そういうこと。やるならやるって、いいなさいよね。少し考えちゃったじゃない。それより、手加減しなくてもいいわよ。それともさっきの言葉は嘘なの?」
「いや、嘘じゃない。」
俺は火力をあげる。さっきジャリドに放ったみたく。いや、それ以上に。ディタに負けたくない一心で。
「おりゃああああああ‼」
辺りが暖かくなっていく。そして徐々に蒸しかえるような暑さに、焼けるような熱さへと変わっていく。汗が滝のように流れてくる。勝ち負けではないことはわかってはいるが、目の前の光景に悔しい気持ちになる。
「はあ、はあ。まだ足りないか?」
目の前が見えないため、ジャリドの様子が見られない。冷気もなくなっている気がするけど、確信が得られない。
「わからないわ。それより、今度は熱さにやられそう。」
俺もディタも限界だった。何とかしなければ。自分たちの策でやられるわけにはいかない。
「ええい、なるようになるさ。とおっ‼」
「ちょ、ロガ!?」
俺はディタの魔法の範囲外へと飛び出た。ジャリドの攻撃で凍えてしまうかもしれなかったが。申し訳程度に魔法を添えて。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
世界の現実は、理不尽で残酷だ――平等など存在しない
鷹 綾
恋愛
「学園内は、身分に関係なく平等であるべきです」
その“正義”が、王国を崩しかけた。
王太子ルイスは、貴族学院で平民出身の聖女マリアがいじめられたと信じ、
婚約者である公爵令嬢アリエノール・ダキテーヌを断罪し、婚約破棄を宣言する。
だが――
たとえそれが事実であったとしても、
それは婚約破棄の正当な理由にはならなかった。
貴族社会において、婚約とは恋愛ではない。
それは契約であり、権力であり、国家の均衡そのものだ。
「世界は、残酷で不平等なのです」
その現実を理解しないまま振るわれた“善意の正義”は、
王太子の廃嫡、聖女の幽閉、王家と公爵家の決定的な断絶を招く。
婚約破棄は恋愛劇では終わらない。
それは、国家が牙を剥く瞬間だ。
本作は、
「いじめられたという事実があっても、それは免罪符にはならない」
「平等を信じた者が、最も残酷な結末に辿り着く」
そんな現実を、徹底して描く。
――これは、ざまぁではない。
誰も救われない、残酷な現実の物語である。
※本作は中世ヨーロッパをモデルにしたフィクションです。
学園制度・男女共学などは史実とは異なりますが、
権力構造と政治的判断の冷酷さを重視して描いています。
---
あなたが愛人を作るのなら
あんど もあ
ファンタジー
結婚して八年の夫が、愛人を作った。それも私の推しの女優を! 「君と違って彼女には才能がある」と言う。ならば、私も才能のある愛人を持つ事にいたしましょう。愛人の才能を花開かせる事が出来るのはどちら?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる