アナスタシス・フルム

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第5章 異常気象の正体

積み重なるもの

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山がいくつか見える場所。その片隅で俺たちは休憩していた。冷えたことに変わりはないのだが、別の意味で冷えたものが流れてくる。最後の方なんて殺す気で撃っていたように思えたのは気のせいだろうか


「手加減ってものを知らないのかよ」


「何のことかしら?それより、早く探しましょう。氷も解けてきそうだし」


あまりの暑さにそのままでは耐え切れず、俺たちはディタの魔法で作った氷の壁のなかで休憩をしていたのだ。ただ、外気の暑さで氷も解け始めている。今何度も魔法を撃ってはダンジョン内で持たないから早く探そうということなんだろうが、今の俺には厳しかった


「ちょっとだけ待ってくれ」


「だらしないわね」


疲れ切った体にその冷めた目を向けられると堪えるものがある。ここは心まで冷え切るのは避けたかった


「そうだ、情報を整理しようぜ。あいつが言ってたのは“火山の神殿、水に囲まれたり。その入り口騙されるべからず。知恵を振り絞り、挑み給え”だってよな」


「そうね。多分今重要なのは“水に囲まれたり”てとこかしら」


「あいつの口ぶりだとそれが今の状態なのかわからないけどな。もし、今の状態を指しているなら一番楽なんだけどな。・・・一番なさそうだけど」


「あと考えられるのは、干からびて山の周りに凹みだけが残っているとか、凹みすらなくなっている可能性も捨てきれないわね」


「それだと見つけようがなくないか」


それを想像すると、場当たり的に探さなくてはいけなくなってしまう。そんなのいくら時間があってもたりない。あいつのヒントはヒントにすらなっていないのではないか


「うーん、方法はなくはないわ。ほら、地層っておぼ・・・えてないわよね。簡単に言うと物質の異なったものが積み重なってできるのが地層ね」


「それはなんとなく覚えてる気がする。でも、それがどう関係して来るんだよ?」


「はあ・・・その山の周りにあった水が干からびたとするでしょ。そこに新しい物質が積もって凹みがなくなる。そしたら、周りに元からできている地層と水があったところにできた地層は違うものでしょ」


「ああ、そういうことか。その違いで見つけるってことだな・・・でも、現実的じゃないよな」


「そうなのよ」


俺たちにはそんな専門知識もないし、はっきりとその違いが出ているかもわからない。ましてや水があったところとの境がわからないし、その原理でいくと水があったところ以外も新しく積もっている可能性もあるのだ。探すにしても相当時間がかかるだろう、最悪わからないという結果に終わる可能性がある


「それだけはないと信じたいな」


「あとは、マグマで囲まれている可能性かしら。これも御免被りたいわね」


「そう、だな」


そこに近づいたのを想像しただけで体が溶けてしまいそうだ。そんなことになっていれば人一人も寄せ付けないだろう


「そんなところかしら。あとは実際に見て見ないとなんとも言えないわね」


「“入り口騙されるべからず”ってのも気になるな」


「それも、見て見ないとわからないわね」


「そうだよな~」


まずい、このままではここが快適過ぎてここから出るのが嫌になってしまいそうだ。そろそろ出た方がいいか


「そろそろ探しますか」


「もういいの?」


「ん?ああ」


「そう、ならいいんだけど」


なんなんだ?さっきあんなに冷めた目で見てきていたのに。内心心配していたとか?いやいや、あの目は本物の目だった、間違いない。まあ、考えたところでディタの本心なんて俺にはわかりっこないのだけれど


「よし、行くぞ‼・・・やっぱもうちょっとここに」


「行くって決めたんでしょ、しっかりしなさいよ」


一瞬で暑さに参り引き返そうとしたが、ディタがすぐ後ろについており、引き返そうにも引き返せない。終いにはドンッと突き飛ばされてしまう


「あっつー」



「だから言わないの」
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