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第二章
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額から流れるそれを拭う。
真っ赤に染まる手に私は顔を顰める。
「……怒られてしまう…。」
ポツリと呟くが、その言葉に返るものはない。
ここに居るのは私一人。
他の人とは離れてしまった。
あの二人ならば大丈夫だろう、だけど、残りの人たちは無事だろうか。
私は歩き出そうと一歩踏み出す。
「――っ!」
足に激痛が走る。
「足やらかしてしまったようね……。」
この傷み具合だと折れてはないけれども酷い色に変色はしているだろう。
手当てする事は出来るだろうけど、こんな場所で手当ては難しいだろう。
どうにかして移動しないと。
脚を引きずる。
ああ、情けない。
惨めだ。
どこか自惚れていたんだ。
私たちは強くなった。
だから、この世界でも通用するのだと。
それは思い上がりだったんだ。
私は、私たちは神様じゃないんだ。
ただの人間だ。
傲慢だった。
私はいつの間にか彼らの事を下に見ていた。
情けない。
「……………?」
涙が勝手に零れたのかと思った、だけど、違った、雨粒が私の体を狙うように降ってくる。
「……。」
駄目だ。
弱気になるな。
唇を噛む。
口の中に血の味が広がる。
「……。」
何度この味を味わっただろう。
また、味わうなんて、本当に私は弱い。
目を瞑れば前の彼の姿が浮かぶ。
大丈夫、私は一人じゃない。
まずはこの雨を凌がないと。
そして、火を焚いて体を温める。
する事は沢山ある。
「諦めるな。」
諦めるな。
「絶対に助けが来る。」
絶対に助けに行く。
私の脳裏に力強い言葉が聞こえたような気がした。
初心忘れるべからず。
私は雨の中さ迷い歩いた。
そして、運がいいのか空洞の洞窟を見つける。
人二人くらいならば十分に体を休める事が出来るだろう。
わたしはひとまずここで一夜を明かす事を決めた。
どうにかこうにかして火を起こし、力を使って水を確保してホッと息を吐く。
食料はほとんど持っていなかったが、常に持っていた非常用袋のお陰で節約すれば一日は持つだろう。
薬と包帯も入っていたので足の手当てをする。
ようやく人心地ついた。
「……。」
他の人たちは大丈夫だっただろうか。
私たちがこうなったきっかけは一人の魔族が私たちの目の前に現れた事から始まる。
身構え、そして、相手の攻撃が戦いののろしとなった。
私も補助的役割で戦いに参戦していた。
アルファードも、メイカもいるので少し油断してしまっていたかもしれない。
魔族は私たちの中で一番弱い人間に攻撃をしようとした。
もし、彼女がもっと他の人たちと友好関係をちゃんと気づけていたら彼らも気づいてくれただろう。
だけど、誰も、彼女を気にかけていなかった。
いや、私だけが気づいてしまった。
だけら、体が反射的に動き、彼女の攻撃をその身に受けた。
そして、それをみたアルファードが切れ。
魔族との一騎打ちが始まった。
そこまではよかったのかもしれない。
本気になりすぎたアルファードと熱くなった魔族。
それらの力がぶつかり合い。
爆発が起きた。
そして、地盤が緩くなっていたのか、私がいた場所が崩れた。
反射的に彼女を安全地帯に突き飛ばし、私はそのまま飲まれた。
その時石で頭を切ったのか血が流れるし。
どこかのタイミングで足をやらかすしで、散々な目に遭ってしまった。
急ぐ旅なので、放っておかれる可能性もゼロじゃないのだが。
あそこにはアルファードがいる。
彼ならば一人でも私を探しに来てくれるだろう。
だから、私は生き延びる。
死ぬ気なんてない。
彼をおいて死ぬなんてもう二度としないと誓ったんだから。
死ぬときは一緒。
そう、約束したんだから。
「………。」
体力を戻すためにも寝ないと。
目を瞑る。
気持ちが高ぶってしまっていてなかなか眠れそうにない。
呼吸を整えながら数字を数える。
一。
二。
三。
眩しい光が私の瞼越しに見えた。
どうやらいつの間にか眠れていたようだ。
背伸びをして、強張った体をほぐす。
大丈夫、体に異常はない。
正直足のケガで熱が出るのではないのかと思ったけど、それもなかったようだ。
「――っ…。」
一瞬風か何かの音かと思った。
だけど、頭がそう思っているのにも関わらず、私の体は足の痛みを忘れて走り出していた。
何で自分が走り出したのか分からなかった。
だけど、止まる気はなかった。
そして、私は彼と再会する。
「アルファード。」
「イザベラっ!」
彼は私に手を伸ばし、しっかりと抱きしめる。
私は彼のぬくもり感じて、涙が出そうになる。
ちゃんと、彼は私を見つけてくれた。
大好きよ、メイヤ…。
真っ赤に染まる手に私は顔を顰める。
「……怒られてしまう…。」
ポツリと呟くが、その言葉に返るものはない。
ここに居るのは私一人。
他の人とは離れてしまった。
あの二人ならば大丈夫だろう、だけど、残りの人たちは無事だろうか。
私は歩き出そうと一歩踏み出す。
「――っ!」
足に激痛が走る。
「足やらかしてしまったようね……。」
この傷み具合だと折れてはないけれども酷い色に変色はしているだろう。
手当てする事は出来るだろうけど、こんな場所で手当ては難しいだろう。
どうにかして移動しないと。
脚を引きずる。
ああ、情けない。
惨めだ。
どこか自惚れていたんだ。
私たちは強くなった。
だから、この世界でも通用するのだと。
それは思い上がりだったんだ。
私は、私たちは神様じゃないんだ。
ただの人間だ。
傲慢だった。
私はいつの間にか彼らの事を下に見ていた。
情けない。
「……………?」
涙が勝手に零れたのかと思った、だけど、違った、雨粒が私の体を狙うように降ってくる。
「……。」
駄目だ。
弱気になるな。
唇を噛む。
口の中に血の味が広がる。
「……。」
何度この味を味わっただろう。
また、味わうなんて、本当に私は弱い。
目を瞑れば前の彼の姿が浮かぶ。
大丈夫、私は一人じゃない。
まずはこの雨を凌がないと。
そして、火を焚いて体を温める。
する事は沢山ある。
「諦めるな。」
諦めるな。
「絶対に助けが来る。」
絶対に助けに行く。
私の脳裏に力強い言葉が聞こえたような気がした。
初心忘れるべからず。
私は雨の中さ迷い歩いた。
そして、運がいいのか空洞の洞窟を見つける。
人二人くらいならば十分に体を休める事が出来るだろう。
わたしはひとまずここで一夜を明かす事を決めた。
どうにかこうにかして火を起こし、力を使って水を確保してホッと息を吐く。
食料はほとんど持っていなかったが、常に持っていた非常用袋のお陰で節約すれば一日は持つだろう。
薬と包帯も入っていたので足の手当てをする。
ようやく人心地ついた。
「……。」
他の人たちは大丈夫だっただろうか。
私たちがこうなったきっかけは一人の魔族が私たちの目の前に現れた事から始まる。
身構え、そして、相手の攻撃が戦いののろしとなった。
私も補助的役割で戦いに参戦していた。
アルファードも、メイカもいるので少し油断してしまっていたかもしれない。
魔族は私たちの中で一番弱い人間に攻撃をしようとした。
もし、彼女がもっと他の人たちと友好関係をちゃんと気づけていたら彼らも気づいてくれただろう。
だけど、誰も、彼女を気にかけていなかった。
いや、私だけが気づいてしまった。
だけら、体が反射的に動き、彼女の攻撃をその身に受けた。
そして、それをみたアルファードが切れ。
魔族との一騎打ちが始まった。
そこまではよかったのかもしれない。
本気になりすぎたアルファードと熱くなった魔族。
それらの力がぶつかり合い。
爆発が起きた。
そして、地盤が緩くなっていたのか、私がいた場所が崩れた。
反射的に彼女を安全地帯に突き飛ばし、私はそのまま飲まれた。
その時石で頭を切ったのか血が流れるし。
どこかのタイミングで足をやらかすしで、散々な目に遭ってしまった。
急ぐ旅なので、放っておかれる可能性もゼロじゃないのだが。
あそこにはアルファードがいる。
彼ならば一人でも私を探しに来てくれるだろう。
だから、私は生き延びる。
死ぬ気なんてない。
彼をおいて死ぬなんてもう二度としないと誓ったんだから。
死ぬときは一緒。
そう、約束したんだから。
「………。」
体力を戻すためにも寝ないと。
目を瞑る。
気持ちが高ぶってしまっていてなかなか眠れそうにない。
呼吸を整えながら数字を数える。
一。
二。
三。
眩しい光が私の瞼越しに見えた。
どうやらいつの間にか眠れていたようだ。
背伸びをして、強張った体をほぐす。
大丈夫、体に異常はない。
正直足のケガで熱が出るのではないのかと思ったけど、それもなかったようだ。
「――っ…。」
一瞬風か何かの音かと思った。
だけど、頭がそう思っているのにも関わらず、私の体は足の痛みを忘れて走り出していた。
何で自分が走り出したのか分からなかった。
だけど、止まる気はなかった。
そして、私は彼と再会する。
「アルファード。」
「イザベラっ!」
彼は私に手を伸ばし、しっかりと抱きしめる。
私は彼のぬくもり感じて、涙が出そうになる。
ちゃんと、彼は私を見つけてくれた。
大好きよ、メイヤ…。
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