もう一度君と…

弥生 桜香

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第七章

第七章「ハロウィン」4

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 結局涼也の仮想はアイドル(男)の格好をしたエルフとなった。

「……。」

 涼也は死屍累々となった男子の面々を見ながら自分はかなりマシな方だと一人ホッとしていた。

「……………………夢魔(サキュバス)…ウエディングドレス。」
「ドンマイ、オレなんてフランケンのナース服だぞ。」
「誰得?」
「さあ?」

 落ち込む面々はそれぞれを慰める。

「くだらないな。」

 涼也と同じでマシな仮装となった樹は馬鹿にしたようにそう言った。

「んだと。」
「くだらんと言った。」
「お前はマシだからそんな事が言えるんだよっ!」

 少数以外の面々の心の声を言う碧に樹は鼻で笑う。

「日頃の行いが悪いからだろう。」
「んだと、そんじゃ、お前は良いっていうのかよ。」
「いいから、この結果だろう。」
「……ぐぐぐ…。」
「そもそも、日ごろの行いがよかったら、こんな行事に巻き込まれないんじゃないか?」

 涼也はそう言って、ふっとブーメランだったな、と一人落ち込む。

「……涼也。」
「何だよ。」
「助太刀?」
「いや、自爆しただろう明らか。」

 自分を助けてくれたのかと碧は目を輝かせるが、先ほどの発言は明らか自爆だろうと首を振る。

「そうなのか?」
「ああ。」

 まだ理解していない碧に涼也は髪を掻き上げる。

「そういや、衣装とかどうするんだよ。」
「あー、雪美さんの知り合いのキサキさんって方が全面的に協力するからって、こっちはお菓子だけ用意してって言ってたよ。」
「あー…。」

 涼也は一度しか会っていない彼女を思い出し、納得する。

「成程な。」
「そのキサキさんって何者だよ。」
「ラッキー菓子だけでいいんだ。」

 彼女の言葉に涼也は納得。
 樹は訝しみ。
 碧は単純に喜んでいる。

「さあ、わたしたちはあった事がないけど、すっごく素敵な人なんですって。」
「……。」

 涼也はどこか遠い目をする。
 当然だろう、雪美のような女性だった記憶がるのだ、雪美が素敵な女性かと問われれば、彼は間違いなく首を横に振るだろう。
 何せ、従弟にも容赦のない女性なのだから。

「はぁ、楽しみだわ。」
「そういや、菓子だけど、何人分くらいだ?」
「三十人くらいかな?」
「それにクラスメートとか余分を考えると五十以上か。」

 涼也はどうするか色々と迷う。

「あー、本城はパンプキンパイね。」
「はぁ?」
「雪美さんからの指示よ。」
「……分かった。」
「ああ、それ以外に何か作れたらそれもお願いとも言っていたわよ。」
「……。」

 涼也は完全に肩を落とす。

「分かったよ。」

 本当に人使いの荒い従姉だよ、と涼也は毒づくが、決して手を抜かないのはきっと人が良いからだろう。
 しかし、その事に残念ながら当の本人は気づいていなかったりする。
 こうして、短い期間の間に着々と話が進んでいった。
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