もう一度君と…

弥生 桜香

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第七章

第七章「ハロウィン」6

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 ハロウィン当日。
 涼也は碧が住む施設に向かって歩いていた。
 ただ、彼は今一人ではなく。

「涼ちゃん楽しみね。」
「……。」

 ウキウキとしている雪美が隣にいた。

「何よ、その顔涼ちゃんは楽しみじゃないの?」
「普通だよ。」
「ふーん、それにしても、あいつ来れないなんてすっごく残念ね。」
「……。」

 涼也はもしかして脈でもあるのかと、雪美の顔を見るが、残念な事にそんな色事があるような顔をしていなかった。
 明らかにおもちゃを逃したような子どものような顔をした雪美の顔に涼也は彼女に片思いをしている彼の人に合掌する。

「あーあ、あいつにだったら何が似合ったかしらね。」
「吸血鬼とか?」
「ありきたりすぎる。」
「狼男。」
「だーかーら、面白みがないわ。」
「……何だったらありなんだよ。」

 涼也はことごとく却下され不貞腐れたように言うが、すぐにハッとなったが、残念な事に言葉は戻る事はなかった。

「そーね、あいつ意外に綺麗な顔立ちしているし、雪女とか?」
「……それ女だよな。」
「そうよ、受け顔してるんだから、女装でもいけるでしょ。」
「何処が受け顔だよ。」

 彼の人を思い出し、ちゃんと男らしい顔立ちをしているのに、この従姉の目は腐っているのではないのかと涼也は思わずそんな失礼な事を思ってしまった。
 いや、よくよく考えなくても彼女の目は別の意味で腐っている事に涼也はげんなりとなる。

「受けよ、受け。」
「……。」
「やっぱ、イケメン受けもいいし、会長受け、あー、ヘタレ受けでもいいし、うん、やっぱり、あいつは受けよ。」
「……。」

 涼也は余計な事を言うんではなかったと、本気で後悔する。

「それにしても、涼ちゃんが男装だなんて、予想外だったわ。」
「そりゃどうも。」
「はぁ…ミニスカポリス。」
「ぜってーやだ。」
「えー、脚綺麗じゃん。」
「ヤなものは、ヤだ。」
「それなら、白衣。」
「それな…って、どんなんだ。」

 一瞬お医者様とかが羽織っているアレを思い浮かべた涼也だったが、この従姉が最近特にぶっ飛んでいる事を思い出し、言葉を止める。

「えー、白衣の天使。」
「……ぜってー無理。」
「…さっき、オッケーしてくれたじゃない。」
「してない。」
「した。」
「してない。」

 意味のない言い争いをしていると、碧の住んでいる施設の門の前までやってくる。

「よーし、今日は萌るぞ。」
「……。」

 明らかに壊れた従姉に涼也はこれで何度目になるか分からなくなるほど遠い目をするのだった。
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