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第十章
第十章「バレンタイン」10
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「…はぁ…。」
ようやく告白ラッシュから解放された樹はため息を零し、前髪を掻き上げる。
「………本当に……………。」
樹は自分に好きだとか、愛しているだとか言ってくる女性陣を思い出し、嫌気がする。
「何が好きだ…、愛しているだと…欲しいのは名と金じゃねぇのかよ。」
苦い顔をして樹がまたため息を零そうとした瞬間――。
「いたああああああああああああああああああああああああああああっ!」
あまりにも騒がしい声に樹は反射的に顔をしかめた。
「……。」
「おい、お前、そこから一歩も動くなよ、ぜってー、動くなよ、いいな、絶対だからなっ!」
「……。」
校舎の一角から顔をのぞかせ怒鳴る碧に樹は思わずどっか行ってやろうかと本気で考える。
「ぜー、はー、ぜー、はー。」
「……お前、才能の使い方を間違っているだろう。」
明らかに全力疾走をして肩で息をしている碧に樹はあきれ顔になる。
「てめぇ……げほ…まじ…げほ…どこに…ごほごほ…いやがった。」
「放課後からずっと、ここにいたぞ。」
「……マジ…か?」
「嘘ついてどうする、寒いからさっさと帰りたい。」
「……そうか、俺は熱い。」
「それは全力疾走してたからだろう。」
「……。」
碧は樹の指摘に顔をしかめる。
「………はぁ、もう、いい、おい、これを受け取れ。」
碧はずかずかと樹に近づき走っている時に強く握っていたのか箱がつぶれ、包装紙が寄れているそれを彼に押し付ける。
「何だよ。」
「お前に世話なったからな、その礼だ。」
ふいと顔を赤く染めながら碧は顔を逸らす。
「……それなら、受け取ってやるよ。」
「あん、何だよ、その上から目線は。」
「お前こそ何だ。受け取ってやったんだからもっと嬉しそうにしたらどうだ?」
「ああ?マジ何様だよ。」
「名倉樹様だ。」
「……はぁ、もういい、用事は済んだし、帰る。」
「……お前、これだけの為に残っていたのか?」
「悪いかよ。」
「……いや、ありがとうな。」
素直にお礼を言った樹に碧は目を丸くさせる。
「明日は…雪が降るのか?」
「んだと?」
「うわー、楽しみだけど、寒いだろうな。」
「……お前。」
「さーて、帰ろうぜ。」
「……はぁ。ああ、帰るか。」
二人はカバンを取りに教室に戻った。
そして、何となく一緒に帰ることになった。
「なあ、いつまで、その格好でいる気だ?」
「ん?」
「女装。」
「……のおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
家路の半ばほど来た時、樹は疑問を投げかけ、そして、それに気づいた碧は道路のど真ん中で叫び頭を抱えるのだった。
ようやく告白ラッシュから解放された樹はため息を零し、前髪を掻き上げる。
「………本当に……………。」
樹は自分に好きだとか、愛しているだとか言ってくる女性陣を思い出し、嫌気がする。
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苦い顔をして樹がまたため息を零そうとした瞬間――。
「いたああああああああああああああああああああああああああああっ!」
あまりにも騒がしい声に樹は反射的に顔をしかめた。
「……。」
「おい、お前、そこから一歩も動くなよ、ぜってー、動くなよ、いいな、絶対だからなっ!」
「……。」
校舎の一角から顔をのぞかせ怒鳴る碧に樹は思わずどっか行ってやろうかと本気で考える。
「ぜー、はー、ぜー、はー。」
「……お前、才能の使い方を間違っているだろう。」
明らかに全力疾走をして肩で息をしている碧に樹はあきれ顔になる。
「てめぇ……げほ…まじ…げほ…どこに…ごほごほ…いやがった。」
「放課後からずっと、ここにいたぞ。」
「……マジ…か?」
「嘘ついてどうする、寒いからさっさと帰りたい。」
「……そうか、俺は熱い。」
「それは全力疾走してたからだろう。」
「……。」
碧は樹の指摘に顔をしかめる。
「………はぁ、もう、いい、おい、これを受け取れ。」
碧はずかずかと樹に近づき走っている時に強く握っていたのか箱がつぶれ、包装紙が寄れているそれを彼に押し付ける。
「何だよ。」
「お前に世話なったからな、その礼だ。」
ふいと顔を赤く染めながら碧は顔を逸らす。
「……それなら、受け取ってやるよ。」
「あん、何だよ、その上から目線は。」
「お前こそ何だ。受け取ってやったんだからもっと嬉しそうにしたらどうだ?」
「ああ?マジ何様だよ。」
「名倉樹様だ。」
「……はぁ、もういい、用事は済んだし、帰る。」
「……お前、これだけの為に残っていたのか?」
「悪いかよ。」
「……いや、ありがとうな。」
素直にお礼を言った樹に碧は目を丸くさせる。
「明日は…雪が降るのか?」
「んだと?」
「うわー、楽しみだけど、寒いだろうな。」
「……お前。」
「さーて、帰ろうぜ。」
「……はぁ。ああ、帰るか。」
二人はカバンを取りに教室に戻った。
そして、何となく一緒に帰ることになった。
「なあ、いつまで、その格好でいる気だ?」
「ん?」
「女装。」
「……のおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
家路の半ばほど来た時、樹は疑問を投げかけ、そして、それに気づいた碧は道路のど真ん中で叫び頭を抱えるのだった。
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