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第五章
第五章「文化祭」9
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「はー、ひどい目に遭った。」
「それはこっちのセリフだ。」
「ん?」
自分一人しかいないと思っていた碧は聞こえた声を辿る。
「なんで、お前が。」
「てめえがオレの手を掴んだからだろうが。」
「わ、悪い。」
「………。」
口を閉ざし、肩で息をしている樹に息一つ乱していない碧は首を傾げる。
「お前息上がっている?」
「お前な体力馬鹿か。」
「ひっでーっ!」
「ふん。」
鼻を鳴らす樹に碧はふと不思議そうに首を傾げる。
「お前格闘技やってんのに体力ないな。」
「オレがやっているのは空手と柔道だけだ、ついでに言えば、オレは標準化それよりもあるくらいで、お前が異常なんだよ。」
「んだと?」
「お前を追いかけるのだってこっちは全力疾走をしても追いつかないし、お前の脚はどうなっているんだよ。」
「んあ?この全国でも通用する脚力に異常だと?」
「ああ、異常だ、異常。」
「この野郎っ!」
殴りかかりたいがそうすれば確実に負けるのが分かっているので、碧は樹を睨む事しか出来ない。
「ふん。」
「………いい加減夫婦喧嘩は止めてくんないかな?」
「「えっ?」」
二人が同時に声を上げ振り返るとそこには碧にとっては顔見知りで、樹に取っとは見知らぬ女性がそこにいた。
「あ、藍妃さん?」
「ハロー、あおちゃん。」
「誰だ……。」
警戒する樹に碧は思わず樹の口を押えようとするが、それよりも早く藍妃が動く。
「あら?意外に弱いのね。」
いつの間に投げられたのか分からない程鮮やかに樹は地面に倒れていた。
「だ、誰だ?」
「…ふーん、咄嗟の事だったけど、上手く受け身は取れたようね。」
「だ、大丈夫か?」
オロオロとする碧に樹は一瞥すると女性を睨むようにして見上げる。
「あんたは?」
「普通、聞くよりも先に名乗るのが常識でしょう?」
「……。」
「ま、いいけど、それにしても、あおちゃん、見目だけは良い旦那さん捕まえたわね。」
「見目だけ…。」
「旦那じゃないってっ!」
「つーか、突っ込む所そこだけじゃないだろうが。」
「ん?どこがだよ。」
樹の言葉に碧は怪訝そうな顔をする。
「色々あるだろうが。」
「いいんだよ、藍妃さんは昔から人の話を聞かないし。」
「あーおーちゃん、なーにか言ったかしら?」
容赦なく碧の頬を引っ張る藍妃に樹は体ごと引く。
「いしゃい、いしゃいっ!」
「ふふふ~。」
機嫌がよさそうに笑う藍妃に対し、痛みで碧はボロボロと涙を零すが、残念ながら彼を助ける人はここにはいなかった。
「ところで、名乗らないの?」
顔は笑っている藍妃だったが、その眼は樹を見た瞬間氷のように冷たいような目に変わった。
「つっ!」
只者じゃない藍妃の纏う空気に樹は怯むがすぐに持ち直す。
「名倉、樹。」
「名倉、名倉……あー、名倉ね。」
何度か樹の苗字を呟いていた藍妃は何か思い出したのか、ふーん、と言いながら上から下まで樹を見る。
その眼はまるで品定めをしているようで、樹は居心地が悪そうな顔をしているが、彼を見ている藍妃は気づいているのか、いないのか、そのまま見つめ、溜息を零す。
「何というか、面倒臭いわね。」
溜息さらに吐こうとする藍妃だったが、軽くだが服を引っ張られ、ようやくそれに気づく。
藍妃の服を引っ張ったのは未だに彼女に頬を引っ張られ続けられていた碧で、彼の頬は可愛そうなほど赤くなっていた。
「あら~、ごめんなさいね。」
「う……あいねぇちゃん、マジひでぇ。」
「あら、それ久しぶりに聞いたじゃない。」
「へ?」
幼い頃からの愛称が出た事に気づかない碧はキョトンとした顔をして藍妃を見る。
「ふふふ、可愛い~。」
「うわっ!や、止めてっ!」
ガバリと年上の女性に抱きしめられた碧は顔を真っ赤に染めるが、体は口ほどに抵抗していない、否、抵抗したら余計に何をされるか分からないので彼は抵抗できないでいるのだが、それを知らない樹は冷たい目で碧を見ていた。
「は、離してっ!」
「もう少しだけ。」
「…お嬢様、お楽しみの所誠に申し訳ありませんが。」
突然現れた黒いサングラスをかけた真っ黒なスーツを着込んだ男に樹はギョッとなるが、碧はまるで神が現れたかのように目を輝かせた。
「田中さんっ!」
平凡な苗字に樹は微かに肩を揺らす。
「何よ、田中太郎。」
「……何度も言いますが、、わたしは田中太郎ではありません。」
「どうでもいいのよ、田中太郎。」
「……。」
男は諦めたのかスッと藍妃を見る。
「分かりました、お嬢様のお好きなようにお呼びください。」
「ふん、分かればいいのよ。」
胸を張り、髪を靡かせる藍妃に男はどこか疲れたような顔をしているが、残念ながらこの場にいる誰もがそのサングラスよって隠された素顔を知らないでいた。
「で、何なの?」
「お時間です。」
「もうそんな時間。」
「はい。」
「もう……、もうちょっとあおちゃんで遊びたかったけど仕方ないわね。」
「……。」
物憂げな顔をされて碧を見つめる藍妃、その視線を受けて体を強張らせる碧、傍から見れば、確実に藍妃に同情などの感情を抱くだろうが、先ほどのやり取りを見ている男二人は碧に同情の目を向けている。
「あおちゃん。」
「は、はいっ!」
敬礼までする碧に可愛い馬鹿な子を見るような目で藍妃は見守るように見つめる。
「本当にいいの?」
「……。」
最初、何を言われたのか分からない碧だったが、すぐに何かを思い出したのかハッとしたような顔をして、そして、樹の知らないようなどこか大人びた曖昧の笑みを浮かべる。
「うん、それが、俺の選んだ道だから。」
「気が変わったなら、すぐに言いなさいよ。」
「変わらないよ。」
「あと一年……ううん、いつまでも相談に乗るから一人で何でもかんでも背負い込むのは止めなさい。」
「お嬢様。」
「分かっているわ。」
最後に碧を見つめ、樹を睨み、藍妃は後ろに一人の男を従わせながら颯爽と立ち去った。
「何だったんだ。」
「ははは、名倉、災難だったな。」
「あいつ、誰だよ結局。」
「んー、俺も藍妃さんの苗字は知らないけど、取り敢えず、俺たち孤児の施設の責任者?のお子さんらしい。」
「らしい、ってなんだ。」
「だって、俺たちには教えてくれないからな。」
「……。」
そういうモノなのか、と樹は怪訝に思いながらも、それ以上聞く事はなかった。
「そう言えば、お前も時間は大丈夫なのか?」
「えっ…。」
樹の腕時計を見せられた碧はピシリと音を立てながら固まる。
「や、やばいっ!」
短いスカートがめくれ上がるくらいに足を上げ、走り出す碧に呆気に取られる樹だったが、すぐに碧の格好を思い出し彼を追う。
「おい、この馬鹿、走るならおしとやかに走れっ!」
「無理っ!」
「てめぇっ!」
せっかくの忠告を無視する碧に樹は青筋を立てる。
「この馬鹿野郎。」
彼の後を追うように樹も駆け出した。
「それはこっちのセリフだ。」
「ん?」
自分一人しかいないと思っていた碧は聞こえた声を辿る。
「なんで、お前が。」
「てめえがオレの手を掴んだからだろうが。」
「わ、悪い。」
「………。」
口を閉ざし、肩で息をしている樹に息一つ乱していない碧は首を傾げる。
「お前息上がっている?」
「お前な体力馬鹿か。」
「ひっでーっ!」
「ふん。」
鼻を鳴らす樹に碧はふと不思議そうに首を傾げる。
「お前格闘技やってんのに体力ないな。」
「オレがやっているのは空手と柔道だけだ、ついでに言えば、オレは標準化それよりもあるくらいで、お前が異常なんだよ。」
「んだと?」
「お前を追いかけるのだってこっちは全力疾走をしても追いつかないし、お前の脚はどうなっているんだよ。」
「んあ?この全国でも通用する脚力に異常だと?」
「ああ、異常だ、異常。」
「この野郎っ!」
殴りかかりたいがそうすれば確実に負けるのが分かっているので、碧は樹を睨む事しか出来ない。
「ふん。」
「………いい加減夫婦喧嘩は止めてくんないかな?」
「「えっ?」」
二人が同時に声を上げ振り返るとそこには碧にとっては顔見知りで、樹に取っとは見知らぬ女性がそこにいた。
「あ、藍妃さん?」
「ハロー、あおちゃん。」
「誰だ……。」
警戒する樹に碧は思わず樹の口を押えようとするが、それよりも早く藍妃が動く。
「あら?意外に弱いのね。」
いつの間に投げられたのか分からない程鮮やかに樹は地面に倒れていた。
「だ、誰だ?」
「…ふーん、咄嗟の事だったけど、上手く受け身は取れたようね。」
「だ、大丈夫か?」
オロオロとする碧に樹は一瞥すると女性を睨むようにして見上げる。
「あんたは?」
「普通、聞くよりも先に名乗るのが常識でしょう?」
「……。」
「ま、いいけど、それにしても、あおちゃん、見目だけは良い旦那さん捕まえたわね。」
「見目だけ…。」
「旦那じゃないってっ!」
「つーか、突っ込む所そこだけじゃないだろうが。」
「ん?どこがだよ。」
樹の言葉に碧は怪訝そうな顔をする。
「色々あるだろうが。」
「いいんだよ、藍妃さんは昔から人の話を聞かないし。」
「あーおーちゃん、なーにか言ったかしら?」
容赦なく碧の頬を引っ張る藍妃に樹は体ごと引く。
「いしゃい、いしゃいっ!」
「ふふふ~。」
機嫌がよさそうに笑う藍妃に対し、痛みで碧はボロボロと涙を零すが、残念ながら彼を助ける人はここにはいなかった。
「ところで、名乗らないの?」
顔は笑っている藍妃だったが、その眼は樹を見た瞬間氷のように冷たいような目に変わった。
「つっ!」
只者じゃない藍妃の纏う空気に樹は怯むがすぐに持ち直す。
「名倉、樹。」
「名倉、名倉……あー、名倉ね。」
何度か樹の苗字を呟いていた藍妃は何か思い出したのか、ふーん、と言いながら上から下まで樹を見る。
その眼はまるで品定めをしているようで、樹は居心地が悪そうな顔をしているが、彼を見ている藍妃は気づいているのか、いないのか、そのまま見つめ、溜息を零す。
「何というか、面倒臭いわね。」
溜息さらに吐こうとする藍妃だったが、軽くだが服を引っ張られ、ようやくそれに気づく。
藍妃の服を引っ張ったのは未だに彼女に頬を引っ張られ続けられていた碧で、彼の頬は可愛そうなほど赤くなっていた。
「あら~、ごめんなさいね。」
「う……あいねぇちゃん、マジひでぇ。」
「あら、それ久しぶりに聞いたじゃない。」
「へ?」
幼い頃からの愛称が出た事に気づかない碧はキョトンとした顔をして藍妃を見る。
「ふふふ、可愛い~。」
「うわっ!や、止めてっ!」
ガバリと年上の女性に抱きしめられた碧は顔を真っ赤に染めるが、体は口ほどに抵抗していない、否、抵抗したら余計に何をされるか分からないので彼は抵抗できないでいるのだが、それを知らない樹は冷たい目で碧を見ていた。
「は、離してっ!」
「もう少しだけ。」
「…お嬢様、お楽しみの所誠に申し訳ありませんが。」
突然現れた黒いサングラスをかけた真っ黒なスーツを着込んだ男に樹はギョッとなるが、碧はまるで神が現れたかのように目を輝かせた。
「田中さんっ!」
平凡な苗字に樹は微かに肩を揺らす。
「何よ、田中太郎。」
「……何度も言いますが、、わたしは田中太郎ではありません。」
「どうでもいいのよ、田中太郎。」
「……。」
男は諦めたのかスッと藍妃を見る。
「分かりました、お嬢様のお好きなようにお呼びください。」
「ふん、分かればいいのよ。」
胸を張り、髪を靡かせる藍妃に男はどこか疲れたような顔をしているが、残念ながらこの場にいる誰もがそのサングラスよって隠された素顔を知らないでいた。
「で、何なの?」
「お時間です。」
「もうそんな時間。」
「はい。」
「もう……、もうちょっとあおちゃんで遊びたかったけど仕方ないわね。」
「……。」
物憂げな顔をされて碧を見つめる藍妃、その視線を受けて体を強張らせる碧、傍から見れば、確実に藍妃に同情などの感情を抱くだろうが、先ほどのやり取りを見ている男二人は碧に同情の目を向けている。
「あおちゃん。」
「は、はいっ!」
敬礼までする碧に可愛い馬鹿な子を見るような目で藍妃は見守るように見つめる。
「本当にいいの?」
「……。」
最初、何を言われたのか分からない碧だったが、すぐに何かを思い出したのかハッとしたような顔をして、そして、樹の知らないようなどこか大人びた曖昧の笑みを浮かべる。
「うん、それが、俺の選んだ道だから。」
「気が変わったなら、すぐに言いなさいよ。」
「変わらないよ。」
「あと一年……ううん、いつまでも相談に乗るから一人で何でもかんでも背負い込むのは止めなさい。」
「お嬢様。」
「分かっているわ。」
最後に碧を見つめ、樹を睨み、藍妃は後ろに一人の男を従わせながら颯爽と立ち去った。
「何だったんだ。」
「ははは、名倉、災難だったな。」
「あいつ、誰だよ結局。」
「んー、俺も藍妃さんの苗字は知らないけど、取り敢えず、俺たち孤児の施設の責任者?のお子さんらしい。」
「らしい、ってなんだ。」
「だって、俺たちには教えてくれないからな。」
「……。」
そういうモノなのか、と樹は怪訝に思いながらも、それ以上聞く事はなかった。
「そう言えば、お前も時間は大丈夫なのか?」
「えっ…。」
樹の腕時計を見せられた碧はピシリと音を立てながら固まる。
「や、やばいっ!」
短いスカートがめくれ上がるくらいに足を上げ、走り出す碧に呆気に取られる樹だったが、すぐに碧の格好を思い出し彼を追う。
「おい、この馬鹿、走るならおしとやかに走れっ!」
「無理っ!」
「てめぇっ!」
せっかくの忠告を無視する碧に樹は青筋を立てる。
「この馬鹿野郎。」
彼の後を追うように樹も駆け出した。
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