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第五章
第五章「文化祭」29
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「いーやーだっ!」
放課後、無駄な抵抗をしている碧を尻目に涼也は受け取った衣装を受け取っていた。
「碧っ!いい加減にしなさい。」
「だって、俺男だよ。」
「知っているわよ。」
「だからって、何でこんなフリフリを着なきゃいけないだよ。」
「あら、嫌だっていうの?」
ニッコリと微笑んでいる春香に碧はギクリと体を強張らせる。
「嫌っていうか、似合わないだろう?」
「似合うと思うわよ?」
「でも……。」
「男でしょうがさっさと着替えてきなさいっ!」
「はいいいいいいいいいいっ!」
春香に怒鳴られた碧は半泣きになって簡易で作られた着替え室に入って行く。
因みにその着替え室に入る事が出来るのは今回の劇で女装する二人だけだったりする。
涼也たちは机の陰に隠れながらこっそりと着替えている。
「大変だな。」
「ああ。」
碧大して憐れみの篭った目をするクラスメートに、涼也も内心で同意する。
「あんたたち、終わったの?」
「もうちょい。」
「もーすぐ。」
「あとちょっと。」
「終わったっす。」
「……。」
涼也はあらかた着替え終わったので。立ち上がり最後の締めとして、外套を着る。
おもちゃの銃を背負い、涼也は堂々と教室の端まで歩く。
「うわ…似合う。」
「予想以上ね。」
「この前までノーチェックだったけど、良いわね。」
「何か名倉君がいなかったら王子様でもよかったかも。」
「確かに…。」
女子のこそこそとした言葉に涼也は分からない程度に肩を竦める。
何でそう簡単に女子って意見を変えるんだろうな。
ついこの間まで女顔だとか、可愛い系とか言われていた涼也は呆れる事しか出来なかった。
そして、しばらくしているとザワリと周りが煩くなる。
緩慢に顔を上げれば涼也が予想した二人の人物の一人である王子姿の樹が立っていた。
「名倉君、サイズ大丈夫?」
「……。」
「やっぱりインナーの色黒じゃなくて、濃紺がよかったかな。」
「でも、黒でもいいと思うけど。」
「名倉くんはどっちがいいと思う?」
「どっちでも構わない。」
「どっちでもってそれが困るんじゃない。」
「はいはい。そこ群がらないの、というか、寸法を聞くんならまず出て来た本城に聞くべきだと思うんだけど?」
「明らかピッタリだし。」
「大丈夫でしょ?」
「まあ、そうだけど、本城どうなの?」
「ちょうどいい、強いて言うならズボンの裾が少し短い気がしなくはないが。」
「うーん、確かにでも大丈夫そうかな?」
「だな。」
「それ以外はなさそう?」
「ああ。」
「了解、衣装班、本城の衣装はそのままでOKよ。」
「はーい。」
「了解、了解。」
「名倉の方も丈は大丈夫?」
「ああ」
「それなら、それでいきましょう、今さらインナーを買いに行くのも面倒だし、それに、作るにしても時間がないでしょう?」
「それは。」
「十分見栄えもいいし。問題はないわよ。」
樹は女子の目が離れた瞬間に、涼也の傍までやってくる。
「大変だなもてる男は。」
「煩い。」
「はいはい。」
軽く睨まれる涼也は肩を竦め、ぼんやりと周りを見る。
そして、ある程度の人数が着替え終わり始めた頃、先ほどの樹の登場以上にざわめきが上がる。
「嘘だろう。」
「可愛い。」
「でも、白雪姫っていうよりはアリスっぽくない?」
「確かに。」
「でも可愛い、着替えなおす前に写メ取らせて。」
「あっ、それ頂戴。」
「お、いいな、おれにもくれよ。」
「お前、男の写真だぞ。」
「いや、あそこまでの美少女なら問題ないだろう。」
「確かにな。」
涼也は外野の声を聴きながら横で苦虫を嚙み潰したような顔をしている樹を出来るだけ見ないようにしているのだが、残念ながら視界に入ってしまっているので、嫌でも見えてしまっていた。
「碧、こっちに視線頂戴。」
「こう?」
「そうそう、ニッコリ笑って。」
「はーい。」
碧はもう自棄になっているのか女子の注文に応える。
「ふう、もうそろそろ、他の衣装に着替えないと時間がないわよ。」
流石に痺れを切らしたのか、他の女子たちに声を掛ける声が聞こえた。
「えー。」
「どうせ、他の衣装でも写メを取るんでしょう。」
「まあね。」
「なら、ほら、鳴海次はこっちよ。」
清楚系の衣装を渡された碧は少し疲れたような足取りで衣裳部屋に入る。
放課後、無駄な抵抗をしている碧を尻目に涼也は受け取った衣装を受け取っていた。
「碧っ!いい加減にしなさい。」
「だって、俺男だよ。」
「知っているわよ。」
「だからって、何でこんなフリフリを着なきゃいけないだよ。」
「あら、嫌だっていうの?」
ニッコリと微笑んでいる春香に碧はギクリと体を強張らせる。
「嫌っていうか、似合わないだろう?」
「似合うと思うわよ?」
「でも……。」
「男でしょうがさっさと着替えてきなさいっ!」
「はいいいいいいいいいいっ!」
春香に怒鳴られた碧は半泣きになって簡易で作られた着替え室に入って行く。
因みにその着替え室に入る事が出来るのは今回の劇で女装する二人だけだったりする。
涼也たちは机の陰に隠れながらこっそりと着替えている。
「大変だな。」
「ああ。」
碧大して憐れみの篭った目をするクラスメートに、涼也も内心で同意する。
「あんたたち、終わったの?」
「もうちょい。」
「もーすぐ。」
「あとちょっと。」
「終わったっす。」
「……。」
涼也はあらかた着替え終わったので。立ち上がり最後の締めとして、外套を着る。
おもちゃの銃を背負い、涼也は堂々と教室の端まで歩く。
「うわ…似合う。」
「予想以上ね。」
「この前までノーチェックだったけど、良いわね。」
「何か名倉君がいなかったら王子様でもよかったかも。」
「確かに…。」
女子のこそこそとした言葉に涼也は分からない程度に肩を竦める。
何でそう簡単に女子って意見を変えるんだろうな。
ついこの間まで女顔だとか、可愛い系とか言われていた涼也は呆れる事しか出来なかった。
そして、しばらくしているとザワリと周りが煩くなる。
緩慢に顔を上げれば涼也が予想した二人の人物の一人である王子姿の樹が立っていた。
「名倉君、サイズ大丈夫?」
「……。」
「やっぱりインナーの色黒じゃなくて、濃紺がよかったかな。」
「でも、黒でもいいと思うけど。」
「名倉くんはどっちがいいと思う?」
「どっちでも構わない。」
「どっちでもってそれが困るんじゃない。」
「はいはい。そこ群がらないの、というか、寸法を聞くんならまず出て来た本城に聞くべきだと思うんだけど?」
「明らかピッタリだし。」
「大丈夫でしょ?」
「まあ、そうだけど、本城どうなの?」
「ちょうどいい、強いて言うならズボンの裾が少し短い気がしなくはないが。」
「うーん、確かにでも大丈夫そうかな?」
「だな。」
「それ以外はなさそう?」
「ああ。」
「了解、衣装班、本城の衣装はそのままでOKよ。」
「はーい。」
「了解、了解。」
「名倉の方も丈は大丈夫?」
「ああ」
「それなら、それでいきましょう、今さらインナーを買いに行くのも面倒だし、それに、作るにしても時間がないでしょう?」
「それは。」
「十分見栄えもいいし。問題はないわよ。」
樹は女子の目が離れた瞬間に、涼也の傍までやってくる。
「大変だなもてる男は。」
「煩い。」
「はいはい。」
軽く睨まれる涼也は肩を竦め、ぼんやりと周りを見る。
そして、ある程度の人数が着替え終わり始めた頃、先ほどの樹の登場以上にざわめきが上がる。
「嘘だろう。」
「可愛い。」
「でも、白雪姫っていうよりはアリスっぽくない?」
「確かに。」
「でも可愛い、着替えなおす前に写メ取らせて。」
「あっ、それ頂戴。」
「お、いいな、おれにもくれよ。」
「お前、男の写真だぞ。」
「いや、あそこまでの美少女なら問題ないだろう。」
「確かにな。」
涼也は外野の声を聴きながら横で苦虫を嚙み潰したような顔をしている樹を出来るだけ見ないようにしているのだが、残念ながら視界に入ってしまっているので、嫌でも見えてしまっていた。
「碧、こっちに視線頂戴。」
「こう?」
「そうそう、ニッコリ笑って。」
「はーい。」
碧はもう自棄になっているのか女子の注文に応える。
「ふう、もうそろそろ、他の衣装に着替えないと時間がないわよ。」
流石に痺れを切らしたのか、他の女子たちに声を掛ける声が聞こえた。
「えー。」
「どうせ、他の衣装でも写メを取るんでしょう。」
「まあね。」
「なら、ほら、鳴海次はこっちよ。」
清楚系の衣装を渡された碧は少し疲れたような足取りで衣裳部屋に入る。
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