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第一章
《カルムの母》
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「だいじょうぶか?」
「ええ。」
心配そうに顔を覗き込んでくるカルムにセイラはニッコリと微笑むが、その笑みはどこか無理をしており、カルムは何か言いたげな顔をする。
「そろそろ休憩するか。」
「でも…。」
「大丈夫だ、今日中には着くからな。」
がははと言いながら笑うカルムの父にセイラは申し訳なさそうな顔をする。
今セイラがいるのはカルムたちと出会った森の中だった。
カルム、カルムの父、セイラ、このメンバーで先を進んでいる。
何故こんなメンバーで何故この森の中を歩いているかというと数時間前にさかのぼって、セイラがカルム、ミラ、レラの三人に詰め寄られたところから始める。
「私はカルムの母に会いたいです。」
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
四人は黙り込み、そして、いち早くハッとなったカルムの父親は爆弾を落とす。
「ああ、嫁に来るのかっ!」
「へぇっ!」
「なぁっ!」
「……っ!」
「そんなのだめですっ!」
爆弾発言をするカルムの父。
赤面して変な声を出すセイラ。
同じく赤面して絶句するカルム。
無言でカルムの父を睨むミラ。
反対だ―と勢いよく叫びレラ。
「違うのか?」
「違いますっ!」
「そうか……残念だな。」
「バカおやじなにいってやがるっ!」
「いや、素敵だと思わないか?」
「おもいませんわ。」
「そうか。」
「しね。」
強烈な一言を漏らすレラにとうとうカルムの父が撃沈する。
「あの、私はカルムのお母さんにちゃんとお話ししたうえで、皆で判断したいと思うんです。」
「……。」
「わたし、はんたいです。」
「わたしもっ!」
「おれはそばにいたい。」
「おいて欲しいと頼んでいるからな。」
ちょうど半分に分かれている状態で、セイラとしてはカルムを危ない目に遭わせたくはないので、どちらかと言えば反対だ。
でも、彼の真剣な目を見てはっきりと拒絶は出来なかった。
「もし、カルムのお母様が反対されるのなら、この話はなかった事に。」
「……。」
セイラは目に見えて落ち込むカルムを見てかわいそうに思うが、それでも、彼の母の反対を押し切るつもりはさらさらなかったので、心を鬼にする。
「そんじゃ、善は急げというからな行くぞ。」
「えっ、ちょっと。」
カルムの父親は何故かセイラをわきに抱えて歩き出す。
セイラは目を白黒させて、助けを求めると。
「なにをなさっておられます?」
「ひとさらいですか?」
目の座った双子がカルムの父の目の前に立ちはだかる。
「いや、人聞きのわる事を言うなよ。」
「いや、かんぜんに、おやじがわるい。」
「……息子お前もか~~~~~。」
こればかりはセイラも擁護できず苦笑するしか出来なかった。
それからひと悶着があったが、それも、何とかセイラは彼らと共に彼らの家へと向かう事になった。
そして、ようやくたどり着いた彼らの家はどこにでもあるような普通の民家だった。
「おー、今帰ったっ!」
カルムの父が帰った瞬間、何かが飛んできて、セイラがびっくりして動けないでいるとカルムが彼女の腕を引っ張って何かから私を助けてくれた。
飛んできたのは包丁だった。
もし、カルムが引っ張ってくれなかったら確実にその包丁はセイラの脳天に突き刺さっていただろう。
カルムの父を狙った包丁は勢いを途中で失い、彼の横を通過する前で失速して運悪く彼の後ろにいたセイラの前で落ちて来たのだった。
「だいじょうぶかっ!」
「え、ええ。」
心配して隅々まで確認するカルムにセイラの笑顔が引きつっている。
「えっ、ちょっと、お客様がいらしてたのっ!」
「あーあ。」
「この馬鹿亭主っ!」
「うおっ!」
フライパンを見事に頭に叩きつけられたカルムの父親は頭を押さえてしゃがみ込んだ。
「ごめんなさいね、見苦しい所見せてしまって。」
「い、いえ…。」
「カルムの母のルミナと申します。」
「あっ、セイラと言います。」
ニッコリと微笑む美女にセイラも慌てて頭を下げる。
「立ち話もなんだから、入って頂戴。」
「は、はい。」
セイラは戸惑いながらもカルムの家にお邪魔するのだった。
「ええ。」
心配そうに顔を覗き込んでくるカルムにセイラはニッコリと微笑むが、その笑みはどこか無理をしており、カルムは何か言いたげな顔をする。
「そろそろ休憩するか。」
「でも…。」
「大丈夫だ、今日中には着くからな。」
がははと言いながら笑うカルムの父にセイラは申し訳なさそうな顔をする。
今セイラがいるのはカルムたちと出会った森の中だった。
カルム、カルムの父、セイラ、このメンバーで先を進んでいる。
何故こんなメンバーで何故この森の中を歩いているかというと数時間前にさかのぼって、セイラがカルム、ミラ、レラの三人に詰め寄られたところから始める。
「私はカルムの母に会いたいです。」
「……。」
「……。」
「……。」
「……。」
四人は黙り込み、そして、いち早くハッとなったカルムの父親は爆弾を落とす。
「ああ、嫁に来るのかっ!」
「へぇっ!」
「なぁっ!」
「……っ!」
「そんなのだめですっ!」
爆弾発言をするカルムの父。
赤面して変な声を出すセイラ。
同じく赤面して絶句するカルム。
無言でカルムの父を睨むミラ。
反対だ―と勢いよく叫びレラ。
「違うのか?」
「違いますっ!」
「そうか……残念だな。」
「バカおやじなにいってやがるっ!」
「いや、素敵だと思わないか?」
「おもいませんわ。」
「そうか。」
「しね。」
強烈な一言を漏らすレラにとうとうカルムの父が撃沈する。
「あの、私はカルムのお母さんにちゃんとお話ししたうえで、皆で判断したいと思うんです。」
「……。」
「わたし、はんたいです。」
「わたしもっ!」
「おれはそばにいたい。」
「おいて欲しいと頼んでいるからな。」
ちょうど半分に分かれている状態で、セイラとしてはカルムを危ない目に遭わせたくはないので、どちらかと言えば反対だ。
でも、彼の真剣な目を見てはっきりと拒絶は出来なかった。
「もし、カルムのお母様が反対されるのなら、この話はなかった事に。」
「……。」
セイラは目に見えて落ち込むカルムを見てかわいそうに思うが、それでも、彼の母の反対を押し切るつもりはさらさらなかったので、心を鬼にする。
「そんじゃ、善は急げというからな行くぞ。」
「えっ、ちょっと。」
カルムの父親は何故かセイラをわきに抱えて歩き出す。
セイラは目を白黒させて、助けを求めると。
「なにをなさっておられます?」
「ひとさらいですか?」
目の座った双子がカルムの父の目の前に立ちはだかる。
「いや、人聞きのわる事を言うなよ。」
「いや、かんぜんに、おやじがわるい。」
「……息子お前もか~~~~~。」
こればかりはセイラも擁護できず苦笑するしか出来なかった。
それからひと悶着があったが、それも、何とかセイラは彼らと共に彼らの家へと向かう事になった。
そして、ようやくたどり着いた彼らの家はどこにでもあるような普通の民家だった。
「おー、今帰ったっ!」
カルムの父が帰った瞬間、何かが飛んできて、セイラがびっくりして動けないでいるとカルムが彼女の腕を引っ張って何かから私を助けてくれた。
飛んできたのは包丁だった。
もし、カルムが引っ張ってくれなかったら確実にその包丁はセイラの脳天に突き刺さっていただろう。
カルムの父を狙った包丁は勢いを途中で失い、彼の横を通過する前で失速して運悪く彼の後ろにいたセイラの前で落ちて来たのだった。
「だいじょうぶかっ!」
「え、ええ。」
心配して隅々まで確認するカルムにセイラの笑顔が引きつっている。
「えっ、ちょっと、お客様がいらしてたのっ!」
「あーあ。」
「この馬鹿亭主っ!」
「うおっ!」
フライパンを見事に頭に叩きつけられたカルムの父親は頭を押さえてしゃがみ込んだ。
「ごめんなさいね、見苦しい所見せてしまって。」
「い、いえ…。」
「カルムの母のルミナと申します。」
「あっ、セイラと言います。」
ニッコリと微笑む美女にセイラも慌てて頭を下げる。
「立ち話もなんだから、入って頂戴。」
「は、はい。」
セイラは戸惑いながらもカルムの家にお邪魔するのだった。
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