今世ではのんびりしたいのですが…無理ですか…

弥生 桜香

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第二章

《学ぶ 21》

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「しつれいします…。」
「こんにちは、ウノちゃん。」

 入ってきた少女にセイラは席を立ち、しゃがみ込む。

「はじめ、まして…。」

 シスターの服にしがみ付く少女にセイラは苦笑しながら、じっと彼女を見る。
 もし、ここに光属性の人が居たら分かったのだろうが、セイラの目が薄っすらと金色に輝く。

「体しんどくない?」

 小さく頷く、少女にセイラはニッコリと微笑む。

「よかった、もし、しんどかったりしたら、シスターとか皆に相談してね。」
「……ねーちゃん、おいしゃさま?」
「違うわ。」

 少女の質問にセイラは苦笑しながら首を振った。

「私はお医者様の資格はないわ。」
「……。」
「シスター、ウノちゃんはもう大丈夫みたいですね。」
「ええ、神父からもそう言われました。」
「セイラ様。」
「淀みもすっかりと消えているから、大丈夫よ、ミラ。」
 近寄ってきたミラにセイラは小さく言う。
「さようでございますか。」
「ええ、本当によかった。」

 セイラは懐から小さな花のような黄色い石を差し出す。

「これは?」
「昨日ね、お姉ちゃん、ウノちゃんの部屋にあった黄色い紙を使っちゃったから、その変わりよ。」
「いいの?」
「勿論。」

 ウノはシスターを見上げれば、彼女は小さく頷く。

「おねえちゃん、ありがとう。」
「どういたしまして。」

 満面の笑みを浮かべる彼女にセイラは少しでも、小さな子どもの笑顔が曇らないように願うのだった。

「ねー、シスター。」
「ジャックに見せたいの?」

 シスターの言葉にウノはコクリと頷く。
 シスターは困ったようにセイラを見る。

「ウノちゃん、これをジャックくんにも渡してもらえる?」

 そう言うと、セイラは赤い石の鳥をウノに渡す。

「これをジャックに?」
「うん、ジャックくんに会えたから、ウノちゃんに会えたからそのお礼よ。」
「分かった。」

 ウノはセイラから石を受け取り、そして、シスターをもう一度見る。

「そうね、行ってらっしゃい。」
「はい。」

 元気に頷いたウノはぱたぱたと出て行く。
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