今世ではのんびりしたいのですが…無理ですか…

弥生 桜香

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第三章

《使役獣 2》

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「何で、こうなったのかしら?」
「セイラ様だからですっ!」

 興奮するミラ。

「まあ、セイラだしな。」

 少し呆れているカルム。

「セイラ様ですものね。」

 満面の笑みを浮かべるレラ。

「……本当にどうしてかしらね。」

 セイラの周りには五つの獣がいた。

 青い龍。

 赤い鳥。

 白い虎。

 黒い亀なのだが、尾っぽが蛇となっている。

 そして、金色の鹿のような、でも尾が牛、蹄は馬に似たそれがいた。

 セイラはそれらが「前」の知識にある四神と麒麟だと知っていた。
 彼女はただ、自分の使役獣を探していたというのに、何故か彼女の目の前に忽然と現れたのだ。

 そして、セイラは悟った。
 この森の獣と遭遇しない理由。
 それは彼らにあった。

『珍しいものに好かれたものだ。』
「黄砂。」

 忽然と現れた黄砂にセイラはげんなりしながら彼を見る。

『青龍、朱雀、白虎、玄武、麒麟か、本当に我が主は珍妙なものに好かれる気があるようだな。』
「嬉しくありません。」

 セイラは眉を八の字にして、本当に困った様子だった。

『諦めた方がよさそうだがな。』
「何でですか?」
『その者たちは主を気にってしまったようだからな。』
「……。」
『名をつければ、こ奴らはおのずと主の使役獣として腕を振るうだろう。』
「また、名前を考えるんですか?」
『ああ、それが最低条件だからな。』
「他には?」
『本来ならば陣を用い、血を捧げるが、そ奴らは特別故、名と主の魔力を少量あげればよかろう。』
「そうですか。」
『……他の地では青龍は木気、朱雀は火気、白虎は金気、玄武は水気、麒麟は土気と言われている。
 まあ、主の周りのそ奴らならばあまり堅苦しく考えなくてもよかろう、ただ単なる相性は存在するだろうが、そ奴らならば、よっぽどじゃなければ断る事はないだろうからな。』
「そうですか。」

 セイラは脱力しながら四神と麒麟を見る。

「頑張って名前を考えます。」
『頑張り給え。』

 そう言うと黄砂は現れた時動揺あっという間に姿を消した。

「頑張りますか。」

 セイラは力なく笑い、木の枝を拾い、地面と向き合う。
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