僕がサポーターになった理由

弥生 桜香

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第一章

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「まあ、空野くんがいるから勝てるとは思ってはいなかったけど、なんか手のひらで踊らされていた気分よ。」
「そうだよね。」

 ジトリと睨んでくる二人に僕はから笑いしか出ない。

「君たちならこうだろうな、というのがあったからね。」
「読みやすいって事?」
「まず、あの場所で藤井さんのギフトが発動する事はないからね。」
「……。」
「君のギフトは自然で生み出された風があって初めて発動するから、人工のものだと意味がないからね。」
「……。」
「林くんのギフトは正直厄介だけど、光属性に弱いという弱点があるからね。そうなると、御神くんに対処してもらったら僕たちの勝ちは固くなる。」
「……。」
「今回はワイヤーを使ったけど、他ならどんな武器が有効かな?
 接近戦だと、林くんのギフトの効果で動きを制限されるから、そうなると、飛び道具が、罠系……今回のような特殊武器となるな…。」
「……。」
「でも、飛び道具だと、場合によっては藤井さんの風によって阻まれるから、あまり使いたくないかな、でも、ボウガンとかだったら…、うーん、でも、狙いがくるって二人にけがは負わせたくないからな。」
「なんか、わたしたちが負けた理由って。」
「ここまで綿密に作戦を考えていなかったからよね。」
「えっ?全然だよ、結構急ごしらえなところがあるし、手持ち、そして、御神くんのコンディションとかによって左右されるから。」
「……。」
「今日は言う事聞いてくれたからよかったけど、今までの戦いだと全くだったからね。
もし、僕の言葉を聞いていなかったら、確実に戦法を変えないといけないからね。」
「……。」
「もし、聞いてなかったら、多分、御神くんの事だから、光じゃなくて、攻撃力のある炎を出していたか、いつもの癖で氷か風を使っていただろうな。
そうなると、僕が遠くからワイヤーを操って、林くんの動きを制限して……。」
「空野くんに勝てる人間っているのかしら?」
「いない気がする。」
「そんな事ないよ、はっきり言えば、僕一人だとみんなに負けると思うよ?」
「そんな事ないわよ。」
「あるよ、例えば、僕が無防備だとすれば、動きを制限すような能力を使われたら一発でお終いだし、それに、遠距離系もきついな。」
「それは誰もが一緒よ。」
「それは違うよ、そうだな。
 林くんならギフトで敵の動きを止めて、そうすれば逃げられるし、場合によっては倒せるだろう。
 藤井さんだって、突風で視界を奪ってから一気に攻めてもいいしね。それか、土とか色々巻き込んでぶつければそれだけで、十分視界も奪えるし、攻撃にもなるよね。」
「だけど、空野くんだって、できるよね?」
「まあ、僕の場合、何のアイテムも持っていない、あるいは持っていても相手に適していないという条件を揃わなかったらね。
でも、お風呂とか無防備になる瞬間って誰にでもあるんだよ。」
「……。」
「無能力者の弱い部分がそこなんだよね、何らかの能力があれば、無防備になるという事はまずないからね。」
「……。」

 二人の顔色が曇っていくので、ここまでの方がいいよね。

「さて、そろそろ、外に出ようか、いつまでも中で駄弁っていたら先生に怒られるからね。」
「そうね。」
「そうだね。」

 僕は落ち込んでいる二人にどうしたものかと悩む。

「なんかごめんね。」
「えっ?」
「へ?」
「僕が変な事を言ったから二人が悩んでいるんだよね。」
「違うわ、ただ、貴方の言葉を聞いて自分たちが恵まれているのだと思って。」
「うん、空野くんみたいに色々所持するのって面倒だし、それに、それぞれのアイテムを把握しないといけないのって無理だからな…。」
「そうね、メグは無理よね。」
「一平、黙れ。」

 ジトリと藤井さんは林くんを睨む。

「まあ、自分たちが恵まれすぎて何も考えていなかった事が恥ずかしく思っただけなの、だから、貴方がそんな顔をしなくていいのよ。」
「そんなって。」
「なんか捨てられた子犬のような。」
「喧嘩の仲裁にどうやって入ろうかと迷う子供のような顔ね。」
「……。」

 僕は思わず自分の顔に触る。

 すると、二人は声を上げて笑う。

「まあ、そんなに心配する事ないわ。」
「そうだよ、さてと、三人とも出口まで走ろうよ、負けたらジュース驕ってね。」
「って、メグ、フライングよ。」
「へへーん。」

 もう走り出している藤井さん、後を追う林くん。

「それじゃ、御神くん、僕たちも行こう?」
「ああ。」

 ずっと、木に持たれていたひょうちゃんに声をかけ、僕たちも走り出す。

 ちなみに順位は、僕、ひょうちゃん、藤井さん、林くんの順番だった。

「風の力を使ったのに、何で、何もしてなかった二人に負けたのっ!」

 何故かゴールした後、藤井さんが叫んでいたけど、何でだろう?
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