僕がサポーターになった理由

弥生 桜香

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第一章

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 僕は一人、宿題を進め、切りがよくなったので、背伸びをすれば、丁度十二時半を回っていた。

「お昼にするか。」

 僕はひょうちゃんがまだぐっすりと眠っているのを確認してから台所に向かう。
 冷蔵庫を除いていも、昨日の残りなんて残っておらず、僕は頭を掻く。
 野菜室を見れば多くの食材があるし、冷凍室には冷凍ご飯、肉や魚などもある。
 首を捻り、そして、携帯を取り出し、ある料理を打つ。

「卵、冷凍ご飯、鶏肉、玉ねぎ、ピーマン……。」

 食材を取り出し、僕は包丁やまな板、フライパンを用意する。

「さて、始めますか。」

 本当に便利な世の中になったなと思いながら、僕は野菜を切る。

「……。」

 ぎこちない動きに、僕は無意識に眉を寄せる。

「……。」

 そして、小百合さんの言葉を思い出す。

 確かに、習えばよかった。

 ひょうちゃんに食べさせるのならできれば完璧にしたい。

 こんな機会が訪れるだなんて分からなかった、もし、次回があれば確実に上達したものを食べさせてあげたい。

 そう言えば、ひょうちゃん、お昼どうしているんだろう?

 食堂で見かけた事ないし、お弁当でも持ってきているのだろうか?

「………可能性は低いな。」

 思ってから、僕は否定の言葉を言う。

 確実にあり得ない。

 彼がお弁当を持ってくるような人か?

 答えは否だ。

 そうなると、コンビニ弁当か、パンか。

 栄養は足りているのか。

 そもそもちゃんとお昼を食べているのか。

 昔は霞を食べていたようなものだし、あんまり食の印象はなかったけど、これは確認しないといけない。

 今はいいけど、将来泣きを見るのはひょうちゃんだ。

「っと、火、火、えっと、油はこの下だっけかな?」

 下の扉を開けると、そこには油があった。

 まずは自分のお弁当でならしてから、ひょうちゃんのお弁当を作るか。

 でも、きっかけをうまく作らないと、彼食べてくれないしな。

「フライパンに玉ねぎ、鶏肉、ピーマンの順に入れる。」

 レシピを見ながら僕は手順通りに行動する。

 うーん、困ったな…。

 色々シミュレーションをしてみるけど、ひょうちゃんが突っぱねるのが落ちだ。

 ……もっと、仲を深める必要があるけど、これ以上手を出すと、ひょうちゃん警戒する恐れがあるから、どうするか。

 うん、だんだんいい匂いがしてきた。

「えっと、次はご飯を入れて、ほぐして、塩、コショウだな。」

 駄目だ、まずは僕の料理の腕前を上げてから、そこからだ、満足できる腕前になるのはいつになるか。

 早ければ、早い方がいいな、後で、小百合さんと母さんにお願いして料理を見てもらって、それで…。

「っと、ライスは作ったのに、肝心の卵を溶くの忘れかけてた。」

 ボウルに卵を割り、菜箸で溶きほぐす。

 塩、コショウを入れる、と。

「バターをフライパンに入れて、半熟状態まで焼いてご飯を入れて、包んで完成か。」

 これが失敗してももう一回ある。

 そう思ったのが悪かったのか、一回目。

 思ったよりもいびつな形のオムライスが出来た。

 二回目こそはと挑むのだが……。

「どうしてこうなった…。」

 何故か、二回目半熟状態を通り過ぎて固まってしまった卵に苦戦してびりびりに敗れたそれに包まれたご飯がむき出しになっている。

 全然うまくいかなかった。

 だけど、もう一回作るとなると、確実に母さんに怒られる。

 食材を無駄にして、と。

「……。」

 腹を括るしかない僕は肩を落としながらいまだ寝ているはずのひょうちゃんを起こすために自分の部屋に向かった。

 絶対に、料理を覚えてリベンジする。

 心の中でそう誓った。
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