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第24話 家族だけど、複雑
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我が娘は、従妹の先行きを悩んでいるようだ。
己自身が距離を置き過ぎてしまい、失いかけた最愛があったように。
「……ダディ? 私、押しつけ過ぎだったかしら?」
「どうだろうね。那湖は、自由の狭間で綺洞くんを見つけただけだが」
行き遅れとかはともかく。我ら寿命を気にしない混ざりに混ざった生き筋を持つ者の、『パートナー』を気にしてしまうのもひと苦労だろう。
特に、流子は陸音くんが少し真面目に戻った『今』を那湖が戻してくれたから……恩義があると。
しかしながら、那湖は昔から独特な感性の持ち主。
寄られても波に乗って過ぎ去るのがほとんどだった。そんな子が懐いている男性とあれだけいっしょ……なのには、手を差し伸べたくなるかもしれない。
私も考えたが、あれは『戦友』にも等しい生き方のひとつにも見えたのだ。
「好き同士の好きが、今は違うだけかしら?」
「そうかもしれないし、実は違うかもしれない。いいじゃないか、那湖の個性を受け止めてくれてるし……実質上の保護者にもなってくれている」
「……そうね。焦りは禁物だわ」
娘はその言葉を自分自身にも言い聞かせているのだろう。少しの過ちで、距離を置き過ぎてしまったのは流子自身だから。しかし、恩人でもある那湖の幸せも考えてやりたい気持ちはある。
私とて、身内としてそれは同じだったが。
「では、スポンサーとして……彼らの仕事を少し増やしてやるのはどうだい?」
「それがね? 奏歌ちゃんの別名義……そっちのPVの人気出そうだから、様子見なの。可愛い可愛い妹たちの活躍次第で、それは大きく変動するわ!!」
「導いていないのに、出会いは必然とも言うかね?」
「顔出しし過ぎたら、プライベート大変だもの。……そこは、スポンサー側でも資産側でも守っているわ」
「だが、それ以外……暇、と?」
「ダディもでしょう?」
「ははは。それはそうなんだよ」
個性が強く、能力も高い身内ばかりなのに……どうものんびり過ぎて仕事のやり甲斐が少ない。がむしゃらにしなくて良いにしても、これでは張り合いというのもない。
であれば、と。私はとある会社の社長にそのPVとやらのリンクを送ることにした。
5秒くらいで、望んでた返事が来たのには大層驚いたがね……。
『まさかまさかの、『NAOMASA』本人の音源かい!?』
「本決まりはせずに、社内で例の企画をお願いしたいんだが」
『りょーかい! くぅ! 非公式だが楽しみだ!!』
那湖の幸せ、とやらに少し貢献出来るかわからないが……もう少し、あの近辺の整備事情くらいのマネープランは伯父として考えておくとも!
己自身が距離を置き過ぎてしまい、失いかけた最愛があったように。
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特に、流子は陸音くんが少し真面目に戻った『今』を那湖が戻してくれたから……恩義があると。
しかしながら、那湖は昔から独特な感性の持ち主。
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「……そうね。焦りは禁物だわ」
娘はその言葉を自分自身にも言い聞かせているのだろう。少しの過ちで、距離を置き過ぎてしまったのは流子自身だから。しかし、恩人でもある那湖の幸せも考えてやりたい気持ちはある。
私とて、身内としてそれは同じだったが。
「では、スポンサーとして……彼らの仕事を少し増やしてやるのはどうだい?」
「それがね? 奏歌ちゃんの別名義……そっちのPVの人気出そうだから、様子見なの。可愛い可愛い妹たちの活躍次第で、それは大きく変動するわ!!」
「導いていないのに、出会いは必然とも言うかね?」
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「だが、それ以外……暇、と?」
「ダディもでしょう?」
「ははは。それはそうなんだよ」
個性が強く、能力も高い身内ばかりなのに……どうものんびり過ぎて仕事のやり甲斐が少ない。がむしゃらにしなくて良いにしても、これでは張り合いというのもない。
であれば、と。私はとある会社の社長にそのPVとやらのリンクを送ることにした。
5秒くらいで、望んでた返事が来たのには大層驚いたがね……。
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