【新作】最強もふもふテイマーは卒業を決意するも

櫛田こころ

文字の大きさ
6 / 7

第6話

しおりを挟む
【ごめんなさい!】
 コアルームらしき広い場所に到達したら、コアのマスターらしき透けた身体を持つ男の子が全力で僕らに謝罪してきたのです?
「えっと、君はコアマスター?」
 僕が代表して聞くと、その子は涙目になりながらも頷いてくれた。
【は、はい。未熟者ですが】
「それでも、十年はここにいるんだよね?」
【……はい。魔物を生産する以外なにも出来ませんが】
「そう。けど、なんで僕らに謝るの?」
【だ、だってテイマーさんでしょ? 俺を壊しに来たんでしょう!?】
 きちんと意思があり、理解力もある。けど、いくらか臆病そうな性格だ。
「そのつもりで来たけど、君は他にも何かしようとしてたの?」
【……見たかったんです】
『何を?』
【外にある、サクラって木を。情報では知ってたけど、綺麗だって】
『『『「へ?」』』』
 消えたくない理由が花を見たいこと。たしかに、上司の情報だとダンジョンのこれまでの調査には魔物が大量発生するめでは至っていないとはあった。だけど、十年も育ったのだから、危険に変わりはない。なので、今回僕らが調査に来たんだけど、この様子だと下手に壊すのは可哀そうな気がしてきた。魔物の繁殖は殲滅し過ぎてもいけないのは自然の摂理にも反する。適度に残さないと絶滅したら亀甲していた種族とのバランスも崩れるから。
 そう考えると、ここのダンジョンは比較的おとなしい魔物ばかりだった。強さの度合いもまずまずだったし。
【コアマスターとして生まれた時に、外の風景を少し遠し見出来たんです。あんなにも優しい色の花を、自分の眼で見たいって。でも、俺はコアそのものだからここから動けない】
『不可能ではないぞ?』
【え?】
 キエラが遮るように言うと、僕も頷いた。
「出来なくはないよ。コアの中心核だけでも掘り出せば、外へは持ち運べる。破壊したことにして、外へ持ち出すことは出来るけど」
『甘い考えだけど、魔物をこれ以上生み出すことさせなきゃいいんじゃね?』
『あたしもそう思う~』
「という意見が多いけど、君はどうする?」
 嘘じゃない。
 これまでのダンジョン攻略も全部が全部破壊してきただけでなく、ダンジョン利点を生かして存続するかどうかを交渉したこともあった。もちろん、冒険者ギルド的には良くないと思われもしたが、最終的な交渉のおかげで成立した。今回も、村に被害を及ぼさなければ完全破壊する必要はないだろう。報告とかも始末書は書き慣れているから問題ない。褒められたことじゃないけど。
 僕は改めてコアマスターに問いかければ、その子は大粒の涙をこぼしながら笑った。
【連れてってください!】
 その発言に全員で頷き、コアの中心核を抜き取ってから雲移動で外に移動した。
「はーい。あれが本物の桜だよー」
 キエラに頼んで一番見えやすい位置にまで移動してもらうと、コアマスターの男の子は落ちないように雲の上から下を見下ろして喜んだ。
【すごい! 本当に白とかピンク色だ! 綺麗!】
『精霊の里に行けば、緑も赤もある』
【本当!?】
「さすがにすぐに見に行けないけど、まあ機会があればね。ねえ、せっかくだから僕がテイムしてもいいかな? みんな」
『『『賛成』』』
【俺をテイム?】
「ダンジョンコアは初めてだけど、この桜を媒介にすれば器の材料には使えるし」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者パーティを追放された地味な器用貧乏は、 魔王軍の女騎士とスローライフを送る

ちくわ食べます
ファンタジー
勇者パーティから「地味、英雄譚の汚点」と揶揄され追放された器用貧乏な裏方の僕。 帰る場所もなく死の森を彷徨っていたところ、偶然にも重傷を負った魔王軍四天王で最強の女騎士「黒鉄剣のリューシア」と遭遇する。 敵同士のはずなのに、なぜか彼女を放っておけなくて。治療し、世話をし、一緒に暮らすことになった僕。 これは追放された男と、敗北を重ね居場所を失った女の物語。

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

ゴミスキル【生態鑑定】で追放された俺、実は動物や神獣の心が分かる最強能力だったので、もふもふ達と辺境で幸せなスローライフを送る

黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティの一員だったカイは、魔物の名前しか分からない【生態鑑定】スキルが原因で「役立たず」の烙印を押され、仲間から追放されてしまう。全てを失い、絶望の中でたどり着いた辺境の森。そこで彼は、自身のスキルが動物や魔物の「心」と意思疎通できる、唯一無二の能力であることに気づく。 森ウサギに衣食住を学び、神獣フェンリルやエンシェントドラゴンと友となり、もふもふな仲間たちに囲まれて、カイの穏やかなスローライフが始まった。彼が作る料理は魔物さえも惹きつけ、何気なく作った道具は「聖者の遺物」として王都を揺るがす。 一方、カイを失った勇者パーティは凋落の一途をたどっていた。自分たちの過ちに気づき、カイを連れ戻そうとする彼ら。しかし、カイの居場所は、もはやそこにはなかった。 これは、一人の心優しき青年が、大切な仲間たちと穏やかな日常を守るため、やがて伝説の「森の聖者」となる、心温まるスローライフファンタジー。

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

処理中です...