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第29話 ココロ願うほどのトリュフチョコ①
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それからは、目を逸らしてはいけない。
去るまで、見届けなければならないと……真宙は本能的に感じ取っていた。
自分の腕前なら、この客に出してよいと師匠でもある店長に太鼓判を押されたとしても……薄っすら笑うだけの男か女かもわからない客に、そのチョコレートを出しても眺めているばかり。
吟味しているにしても。
好物なのか、わからないにしても。
『ル・フェーヴ』の支払い方法をまだ学んでいるだけのひよっこが、果たして食べてもいい品を出せているのか自信がない。
「俺の弟子だ。味の保障はするぜ?」
などと、店長は自信満々に言うも、若い年代の客は『ふぅん』とトリュフチョコレートをひとつ摘まむのであった。
*・*・*
「真宙、誠心誠意を込めたもんを作ってほしい」
今日も特別な客にしか商品を提供しない、これまた特殊な店の『ル・フェーヴ』で修業を始めたばかりの加賀谷真宙。雇い主で、師匠にもなった吾妻大我からはすぐに名前呼びにされたのはいいが、パティシエの修行そのものはスパルタばかり。
真宙が食べたことで『痛み』の代金を払えるくらいの逸品を仕上げるのだから、その弟子に指名されたからには相応の指導を受けて当然。
だが、今日は奇妙なことを言い出したのだ。いつも以上に、しっかり作れということは『客』がいつもと違うのかもしれないと、本能で察したくらいに。
「……僕が、お客様に?」
「おう。最近テンパリングの腕が上がっただろう? ちょいと、常連客が来るから出してやりたいんだ」
「!? ここ、常連さんがいるんですか?!」
「滅多に来ないが、一応……な?」
「せ、先輩……の人とか?」
「あ~……そういうのじゃぁない」
意味不明な回答ではあるが、この『土地』の関係者とも受け取れる感じではあった。しかし、わざわざ店長から直々にお願いされるということは……お客への提供デビューがこれで決まるかもしれない。
一部の技術は認められていても、それ以上の『等価交換』とも言えるここの商法には……まだまだ真宙の若い技術では追い付かないも当然。だからこそ、基礎基本を学び直すのに機材ではなく手仕込みでホイップクリームやチョコレートの湯煎をしたりしている。今も、ちょうどチョコレートの湯煎をしていたのだ。
「わかりました。……生チョコの方がいいです?」
「いや。普通のトリュフでいい。ボンボンにはしないでくれ。酒類は苦手だそうだ」
「わかりました」
シンプルが一番難しいとされている。
ボンボンを楽しまないということは、酒精の強い味わいが苦手。なら、甘めなのとクランチを利かせたものがいいかと真宙は仕込む前に、一度深呼吸をした。
腰の『痛み』は未だにここへ滞在するための『代金』として支払われているらしいが。つい、癖でひと息つけないと気持ちの切り替えが出来ない。それを店長もわかってか、肩を軽く叩いてくれた。
「んじゃ、若葉に味見頼んだ」
「? 若葉さんに?」
まだ若葉には肯定ともとれる合格点を出せた品は少ない。唯一出せたのは、ホイップクリームだがたくさんは苦手とかで、しばらくは頼んでいないのだ。父親に呼ばれた若葉は今日もエプロンドレス姿は可愛いが、背丈は本当に小学生かと疑うくらいに小さい。低学年ほどではないが、最高学年だとしても先頭の列に立つくらい小さいのだ。
それと、真宙に対しては年が近いこともあってか不愛想に見える。接客はちゃんとしているらしいが、それにしても笑顔が少ない。そして、この店の管理業務の一部を店長から引き継げるように業務を学んでいるそうだ。外見だけで、中身を侮ってはいけない相手なのは確実。
「何? 加賀谷くんが何か作ってくれるの?」
先輩風をふかしているわけではないつもりだろうが、呼び方に少し棘があるのもまた悲しかった。
「ああ。例の客が久しぶりに来るからな? 弟子の菓子をひとつは……と頼んだんだ」
「……あの人、来るの?」
「久しぶりに、連絡寄越してきた」
「……あっそ」
無愛想なのは家族に対しても同じであるのなら、単に性格が問題なのだろうか。とりあえず、そう思うことにして気持ちを切り替えることにした。
チョコレートは、日本人向きだと滑らかな舌触りだけじゃなく『甘さ』『ビター』のふたつがどれほどマリアージュしているかを問われるのだ。市販品の準チョコレートと呼ばれるものは総じて甘過ぎる者が多い。欧米のチョコレートもまさしくそんな感じだ。しかし、ショコラティエと名の付く職業も出るくらい、ここ最近のチョコレートはひと粒が芸術品とも言われるくらいに高価なのも多い。
真宙の腕でそれが出来るかまだわからないが、まずは定番の甘さとビターを意識して手掛けてみた。ノーマルのと、クランチ入りのをひと粒ずつ出してみたが。
「……私、食べない方がいいかも」
「はい?」
どうして、と言葉を続けようとしたときに耳に届いたのはあのドアベルの音色。
若葉は客が来るのをわかっていたからか、すぐに表へと出ていく。真宙は注文が入っても店長の仕上げを見に行くだけの修行の身なので、表に行くことはほぼない。だが、若葉がひょいと顔を出してきて、なぜか手招きしてきたのだ。
「へぇ? 新人?」
何故か、店長が対応していたお客に自分を紹介されることに。全体的にほっそりしているし、服がユニセックスなのかで男か女かもわかりにくい。顔も声もそんな感じだったが、ここではプライバシーを察知するのは店長の役割なので、真宙は椅子に腰かけている客に……ただ会釈するだけにした。
「そ。今日はこいつのショコラを食べて欲しいんだが……どうだい?」
「へぇ? こっちの領分に来たばかりの奴のを?」
「ダメかい?」
「いや。興味深い」
固い言葉遣いだから、勝手に男かと思うことしたが……どこか浮世離れした雰囲気に、常連客にしてもどんな『痛み』を抱えているのかわからない。それでも、若葉に出そうとしていたあのショコラしか出来上がっていないが、店長に聞けば『大丈夫』と指示を出してもらえた。
「……お待たせ、しました」
常連客なので、『痛み』の箇所を指定しない。それを伝えてよい場面でないことくらいわかる。
だが、妙な緊張感がずっと続くこの空気が早く終わればいいと思ってしまう。客に対してそんなことを感じていては、この店を継ぐ意志があるのにいけないことだと自分に叱咤した。
店長が真宙の菓子の出来を褒めるのに対し、客はひとつ摘まんで『ふぅん』と声を出すだけ。食べるきはあるのか、口元に持っていく……と思ったら、鼻に近づけて。
「へぇ? いい匂いしてるじゃん?」
と、笑いながら砕けた物言いになり、ひょいっと口に放り込むのだった。
去るまで、見届けなければならないと……真宙は本能的に感じ取っていた。
自分の腕前なら、この客に出してよいと師匠でもある店長に太鼓判を押されたとしても……薄っすら笑うだけの男か女かもわからない客に、そのチョコレートを出しても眺めているばかり。
吟味しているにしても。
好物なのか、わからないにしても。
『ル・フェーヴ』の支払い方法をまだ学んでいるだけのひよっこが、果たして食べてもいい品を出せているのか自信がない。
「俺の弟子だ。味の保障はするぜ?」
などと、店長は自信満々に言うも、若い年代の客は『ふぅん』とトリュフチョコレートをひとつ摘まむのであった。
*・*・*
「真宙、誠心誠意を込めたもんを作ってほしい」
今日も特別な客にしか商品を提供しない、これまた特殊な店の『ル・フェーヴ』で修業を始めたばかりの加賀谷真宙。雇い主で、師匠にもなった吾妻大我からはすぐに名前呼びにされたのはいいが、パティシエの修行そのものはスパルタばかり。
真宙が食べたことで『痛み』の代金を払えるくらいの逸品を仕上げるのだから、その弟子に指名されたからには相応の指導を受けて当然。
だが、今日は奇妙なことを言い出したのだ。いつも以上に、しっかり作れということは『客』がいつもと違うのかもしれないと、本能で察したくらいに。
「……僕が、お客様に?」
「おう。最近テンパリングの腕が上がっただろう? ちょいと、常連客が来るから出してやりたいんだ」
「!? ここ、常連さんがいるんですか?!」
「滅多に来ないが、一応……な?」
「せ、先輩……の人とか?」
「あ~……そういうのじゃぁない」
意味不明な回答ではあるが、この『土地』の関係者とも受け取れる感じではあった。しかし、わざわざ店長から直々にお願いされるということは……お客への提供デビューがこれで決まるかもしれない。
一部の技術は認められていても、それ以上の『等価交換』とも言えるここの商法には……まだまだ真宙の若い技術では追い付かないも当然。だからこそ、基礎基本を学び直すのに機材ではなく手仕込みでホイップクリームやチョコレートの湯煎をしたりしている。今も、ちょうどチョコレートの湯煎をしていたのだ。
「わかりました。……生チョコの方がいいです?」
「いや。普通のトリュフでいい。ボンボンにはしないでくれ。酒類は苦手だそうだ」
「わかりました」
シンプルが一番難しいとされている。
ボンボンを楽しまないということは、酒精の強い味わいが苦手。なら、甘めなのとクランチを利かせたものがいいかと真宙は仕込む前に、一度深呼吸をした。
腰の『痛み』は未だにここへ滞在するための『代金』として支払われているらしいが。つい、癖でひと息つけないと気持ちの切り替えが出来ない。それを店長もわかってか、肩を軽く叩いてくれた。
「んじゃ、若葉に味見頼んだ」
「? 若葉さんに?」
まだ若葉には肯定ともとれる合格点を出せた品は少ない。唯一出せたのは、ホイップクリームだがたくさんは苦手とかで、しばらくは頼んでいないのだ。父親に呼ばれた若葉は今日もエプロンドレス姿は可愛いが、背丈は本当に小学生かと疑うくらいに小さい。低学年ほどではないが、最高学年だとしても先頭の列に立つくらい小さいのだ。
それと、真宙に対しては年が近いこともあってか不愛想に見える。接客はちゃんとしているらしいが、それにしても笑顔が少ない。そして、この店の管理業務の一部を店長から引き継げるように業務を学んでいるそうだ。外見だけで、中身を侮ってはいけない相手なのは確実。
「何? 加賀谷くんが何か作ってくれるの?」
先輩風をふかしているわけではないつもりだろうが、呼び方に少し棘があるのもまた悲しかった。
「ああ。例の客が久しぶりに来るからな? 弟子の菓子をひとつは……と頼んだんだ」
「……あの人、来るの?」
「久しぶりに、連絡寄越してきた」
「……あっそ」
無愛想なのは家族に対しても同じであるのなら、単に性格が問題なのだろうか。とりあえず、そう思うことにして気持ちを切り替えることにした。
チョコレートは、日本人向きだと滑らかな舌触りだけじゃなく『甘さ』『ビター』のふたつがどれほどマリアージュしているかを問われるのだ。市販品の準チョコレートと呼ばれるものは総じて甘過ぎる者が多い。欧米のチョコレートもまさしくそんな感じだ。しかし、ショコラティエと名の付く職業も出るくらい、ここ最近のチョコレートはひと粒が芸術品とも言われるくらいに高価なのも多い。
真宙の腕でそれが出来るかまだわからないが、まずは定番の甘さとビターを意識して手掛けてみた。ノーマルのと、クランチ入りのをひと粒ずつ出してみたが。
「……私、食べない方がいいかも」
「はい?」
どうして、と言葉を続けようとしたときに耳に届いたのはあのドアベルの音色。
若葉は客が来るのをわかっていたからか、すぐに表へと出ていく。真宙は注文が入っても店長の仕上げを見に行くだけの修行の身なので、表に行くことはほぼない。だが、若葉がひょいと顔を出してきて、なぜか手招きしてきたのだ。
「へぇ? 新人?」
何故か、店長が対応していたお客に自分を紹介されることに。全体的にほっそりしているし、服がユニセックスなのかで男か女かもわかりにくい。顔も声もそんな感じだったが、ここではプライバシーを察知するのは店長の役割なので、真宙は椅子に腰かけている客に……ただ会釈するだけにした。
「そ。今日はこいつのショコラを食べて欲しいんだが……どうだい?」
「へぇ? こっちの領分に来たばかりの奴のを?」
「ダメかい?」
「いや。興味深い」
固い言葉遣いだから、勝手に男かと思うことしたが……どこか浮世離れした雰囲気に、常連客にしてもどんな『痛み』を抱えているのかわからない。それでも、若葉に出そうとしていたあのショコラしか出来上がっていないが、店長に聞けば『大丈夫』と指示を出してもらえた。
「……お待たせ、しました」
常連客なので、『痛み』の箇所を指定しない。それを伝えてよい場面でないことくらいわかる。
だが、妙な緊張感がずっと続くこの空気が早く終わればいいと思ってしまう。客に対してそんなことを感じていては、この店を継ぐ意志があるのにいけないことだと自分に叱咤した。
店長が真宙の菓子の出来を褒めるのに対し、客はひとつ摘まんで『ふぅん』と声を出すだけ。食べるきはあるのか、口元に持っていく……と思ったら、鼻に近づけて。
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