【完結】真心スイーツとは、あなたの『痛み』が代金です

大通りからふたつほど、道を曲がった角にあるちいさなケーキ屋さん。

イートインはおひとり様のみ。わざわざそれがあるのは『客の悩み』を聞くため。代金は金銭ではなく『あなたの痛み』を受け取るための交渉の場なのだから。

店主・真宙(まひろ)以外は接客スタッフが一名いるだけ。ショーケースには、基本洋菓子でたまに和菓子のスイーツたちが並んでいるものの。名前に『ケガの場所』が書かれているおかしいが美味しそうなスイーツたちばかり。

客の『痛み』を頂戴し、客には痛みが強い箇所を忘れるためにスイーツを提供する場所。

それが、『ル・フェーブ』の営業のやり方なのだった。

通うに通えない、導きの洋菓子店は求む客のみしか近寄らせない……必然のための場所なのだった。
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