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第65話 スカベンジャーがリリース
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受診や買い出しの繰り返しをしつつ、療養を皆でしながらも……軽く仕事ができる部分はなんとかこなし。
『起きた』ところから、約半月で『クロニクル=バースト』の活動を再開することが出来た奈月だった。紗夜と同棲をしていても、少しずつの片付け以外にバックアップしていたクリエイターとしての情報整理をしながらだと……することが限られていたからだ。
もちろん、普通の健常者手前までの療育はまだまだだったし、服薬も食事も加賀谷と名乗ったあのベテラン医師に栄養を調整してもらいながら過ごしてはいたものの。
そんなすぐに即死することのない、そこそこの健常者に戻ったのなら……部屋で使えるデバイスなどを駆使する以外、災害救難の世間での『娯楽』を自分たちでなんとかするしかないと提案したかった。
並行世界で、どこの『加東奈月』が選んだ未来。
ある場所があれば。
ここがなければ。
彼らが居れば。
などと、有無の可能性を自分たちでひとつでも見つけることが出来たのが、この現実のひとつだ。
奈月の両親も健在していることは、あちらの茂明からも無事だと連絡は受けた。今は災害地の真ん中のシェルターにいるので、簡単には奈月らの区画には来れないそうだが。
「こことここ……を縮小して、こっちを」
「ココア飲む~?」
「うん。あまんまり甘くないのなら」
「じゃ、コーヒーと混ぜる? どっちも粉にして」
「うん、お願い」
紗夜も手伝うに手伝ってくれてるが、まずは生活面重視と自分の部屋の片づけを少しずつ行っていた。ADHDのグレー以上なのがわかり、過剰な散財をしていたこともわかったのもあるが。奈月という『パートナー』が居れば少しは安定剤のようになると、書類の通りふたりで住んで一週間くらいで落ち着きがぐんと安定している。
今では女性らしく炊事も普通以上にすることが出来るようになったので、さっきのように飲み物にまで気を配ってくれていたようだ。
『誰か』の『誰か』。
フィクションの『誰か』。
それを見つけたのは、ひょっとしたら紗夜の方が奈月を欲していたことで早いかもしれないが……断捨離していたときに、感じていた苦い思いはもうこの女性にはさせたくなかった。生き残るというノンフィクションが出来上がった今なら、医療費はかかるもののそれ以上の生活をふたりや仲間で作り上げていくことは出来る。
その楽しみを、紗夜もわかってきたのか無茶な散財は買い出しでもあまり見ることはなくなった。
「……さて。ここまで処理出来た!!」
チャットで、別のマンションでメメと生活している雅博へ連絡すれば、すぐに応答のサインを寄越してきた。
『やっぱ、お前が来ると早いな? もうリリーステストまで終わったのか?』
『もち。メメの画像処理もピクセルくらいからクリーンナップしといた』
『はやいはやいはやい!!? わーったけど、ほかの連中にはどう伝えとくんだ?? ナビキャラの『イバラキ』はお前が遊ぶ権限があるんだろ? ほかにとっちゃNPCのあれを』
『データは修復程度で済んだ。俺も普通に遊びたいけど、VRMMOでAIの育成は常にしないと学習を覚えないからね? しばらくは、俺がダイブしていたデータをもとに『怪盗シリウス』とどこまでやり合えるか……あいつには頑張ってもらうしかないね』
『……全員シャッフルしたんだろ? 誰だよ、今の担当?』
『さあ? それもまた、面白いんじゃない?』
NPCではなく、AIでもない企業側のプレイヤーが相手になるVRMMOの各種イベント。
神が捨てたがらくたがとんでもない遺物だと知り、プレイヤーたちが奪い合いの戦いを繰り返すどとに『がらくた』も成長していく。
ノート一冊程度の設定から生まれた、創作ゲームの本格リリースは無事に幕をあけるのだった。
『起きた』ところから、約半月で『クロニクル=バースト』の活動を再開することが出来た奈月だった。紗夜と同棲をしていても、少しずつの片付け以外にバックアップしていたクリエイターとしての情報整理をしながらだと……することが限られていたからだ。
もちろん、普通の健常者手前までの療育はまだまだだったし、服薬も食事も加賀谷と名乗ったあのベテラン医師に栄養を調整してもらいながら過ごしてはいたものの。
そんなすぐに即死することのない、そこそこの健常者に戻ったのなら……部屋で使えるデバイスなどを駆使する以外、災害救難の世間での『娯楽』を自分たちでなんとかするしかないと提案したかった。
並行世界で、どこの『加東奈月』が選んだ未来。
ある場所があれば。
ここがなければ。
彼らが居れば。
などと、有無の可能性を自分たちでひとつでも見つけることが出来たのが、この現実のひとつだ。
奈月の両親も健在していることは、あちらの茂明からも無事だと連絡は受けた。今は災害地の真ん中のシェルターにいるので、簡単には奈月らの区画には来れないそうだが。
「こことここ……を縮小して、こっちを」
「ココア飲む~?」
「うん。あまんまり甘くないのなら」
「じゃ、コーヒーと混ぜる? どっちも粉にして」
「うん、お願い」
紗夜も手伝うに手伝ってくれてるが、まずは生活面重視と自分の部屋の片づけを少しずつ行っていた。ADHDのグレー以上なのがわかり、過剰な散財をしていたこともわかったのもあるが。奈月という『パートナー』が居れば少しは安定剤のようになると、書類の通りふたりで住んで一週間くらいで落ち着きがぐんと安定している。
今では女性らしく炊事も普通以上にすることが出来るようになったので、さっきのように飲み物にまで気を配ってくれていたようだ。
『誰か』の『誰か』。
フィクションの『誰か』。
それを見つけたのは、ひょっとしたら紗夜の方が奈月を欲していたことで早いかもしれないが……断捨離していたときに、感じていた苦い思いはもうこの女性にはさせたくなかった。生き残るというノンフィクションが出来上がった今なら、医療費はかかるもののそれ以上の生活をふたりや仲間で作り上げていくことは出来る。
その楽しみを、紗夜もわかってきたのか無茶な散財は買い出しでもあまり見ることはなくなった。
「……さて。ここまで処理出来た!!」
チャットで、別のマンションでメメと生活している雅博へ連絡すれば、すぐに応答のサインを寄越してきた。
『やっぱ、お前が来ると早いな? もうリリーステストまで終わったのか?』
『もち。メメの画像処理もピクセルくらいからクリーンナップしといた』
『はやいはやいはやい!!? わーったけど、ほかの連中にはどう伝えとくんだ?? ナビキャラの『イバラキ』はお前が遊ぶ権限があるんだろ? ほかにとっちゃNPCのあれを』
『データは修復程度で済んだ。俺も普通に遊びたいけど、VRMMOでAIの育成は常にしないと学習を覚えないからね? しばらくは、俺がダイブしていたデータをもとに『怪盗シリウス』とどこまでやり合えるか……あいつには頑張ってもらうしかないね』
『……全員シャッフルしたんだろ? 誰だよ、今の担当?』
『さあ? それもまた、面白いんじゃない?』
NPCではなく、AIでもない企業側のプレイヤーが相手になるVRMMOの各種イベント。
神が捨てたがらくたがとんでもない遺物だと知り、プレイヤーたちが奪い合いの戦いを繰り返すどとに『がらくた』も成長していく。
ノート一冊程度の設定から生まれた、創作ゲームの本格リリースは無事に幕をあけるのだった。
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