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第70話 ポイ活チームたちは
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「お疲れ様です~」
日程を組み直し、成樹の回復スケジュール調整もし直してから、藍葉たちは奈月らのところに来てくれた。藍葉はまだ人工骨の手術をしていないので杖持ちだったが、顔色の方は元気そのものだった。
逆に、β版のゲーム内で昏睡状態だった成樹の方が回復するのに時間がかかったらしく、まだ疲れが顔に出ていた。
「ごめんね? ここ二階だけど、エレベーターないから」
「こんくらいなら、余裕ですよ。シゲくんがちょっとふらついちゃったですが」
「気にせんでええよ。相当寝てた代償じゃ。奈月らが気にするとこじゃないき」
「「……そうですか」」
歳の差恋愛だとは聞いていたが、藍葉の様子が元気そのものであってよかったと思う。ただでさえ、人類滅亡阻止の責任を負いかねないところまで協力してもらったのに……恋人も承知の上で計画を進めても、この笑顔ということは。
「藍葉ちゃん。俺と同じようなダイブしてたんだっけ?」
「そうですよ~? 『ハル』と『ナツ』のマッチングアプリよろしく、ポイ活運営させられてたのは癪ですけど~」
「……美晴先輩と、夏奈さんのこと?」
「そうです! 夏奈姉の捜索必死だったんですから!! 本気で生きててよかったですよ。お兄ちゃん、コールドスリープのこと知らなきゃ自殺紛いだったくらいに」
「……管理不足で申し訳ございません」
「ええよ。あいつは先に、俺と藍葉のこと気にしとったし」
「自律神経失調症あたりからの、新薬開発からやり直しですかね?」
「そのためにも、宅配ご飯のレシピ改善もですね!! 紗夜先輩たちに、お土産用意したんです!!」
と同時に、宅配のインターホンが鳴り。成樹が代わりに受け取ってくれると、冷凍配達仕様の段ボールが届いた。
「『異世界ファーム弁当?』……開けていい?」
「もちろん!」
「藍葉が監修した、宅配弁当や。しかも、冷凍」
「「おお!!」」
再生プラスチックの容器に、メニューの書かれたフィルムのみ。名前を見ただけでも美味しそうなメニュー開発を……と、ポイ活の宅配弁当企画の立ち上げから関わっていたと聞いていたが、本気で今すぐにでも食べたいくらいに食べ盛りの奈月たちには嬉しいお土産だった。
「課金プランとしては、まだ改善多いですけど。先輩たちは今モニターってことで無料です」
「え……悪い」
「悪くない。俺らを生き長らえさせてくれた代表じゃぞ? 命賭けたんはお互い様じゃ。俺は俺で、藍葉にちゃんと起こしてもらえたしな?」
「シゲくん……なんか、恥ずかしい」
「そうけ?」
らぶらぶなカップルの甘い雰囲気に部屋の温度が少し上がった気がしたものの、せっかくだからと四人分温めて、食べながら感想を藍葉がメモするなど本格的なレビューの仕事をすることになったのだ。
「成樹先輩には……早いうちに接触取れてよかったです」
紗夜にレビューを任せ、奈月はベッドで成樹と団欒することにした。教授を務める父が大学でゼミを担当していた頃からの付き合いだったが、奈月との接触は意外に遅く。奈月が海外留学と偽るところからのスタートだった。
並行世界へのダイブとのズレで、雅博とともに何回か接触してきた中に彼もいたのだ。
「そじゃな。β版のNPCの中に何年もダイブするのは肉体年齢が若いのとか関係なく……リスクが高い。それがたったの数か月で終わってよかった」
「……藍葉ちゃんも、相当泣いたでしょう?」
「感覚過敏で相当泣いた時期もあったようじゃ。……けど、今は空元気じゃない」
「……それなら、安心できます」
パートナーシップ制度の先駆け、という理由でつくらせたポイ活アプリの『異世界ファーム』。
その兆しも、また『加東奈月』らに与えられた任務だったので、資産を『クロニクル=バースト』から用意したのだ。最初なにも知らないモニターにさせられていた藍葉には申し訳なさが色々あったが、無事に主任クラスの仕事を任せられたので今では頼りになる以上の部下だった。
日程を組み直し、成樹の回復スケジュール調整もし直してから、藍葉たちは奈月らのところに来てくれた。藍葉はまだ人工骨の手術をしていないので杖持ちだったが、顔色の方は元気そのものだった。
逆に、β版のゲーム内で昏睡状態だった成樹の方が回復するのに時間がかかったらしく、まだ疲れが顔に出ていた。
「ごめんね? ここ二階だけど、エレベーターないから」
「こんくらいなら、余裕ですよ。シゲくんがちょっとふらついちゃったですが」
「気にせんでええよ。相当寝てた代償じゃ。奈月らが気にするとこじゃないき」
「「……そうですか」」
歳の差恋愛だとは聞いていたが、藍葉の様子が元気そのものであってよかったと思う。ただでさえ、人類滅亡阻止の責任を負いかねないところまで協力してもらったのに……恋人も承知の上で計画を進めても、この笑顔ということは。
「藍葉ちゃん。俺と同じようなダイブしてたんだっけ?」
「そうですよ~? 『ハル』と『ナツ』のマッチングアプリよろしく、ポイ活運営させられてたのは癪ですけど~」
「……美晴先輩と、夏奈さんのこと?」
「そうです! 夏奈姉の捜索必死だったんですから!! 本気で生きててよかったですよ。お兄ちゃん、コールドスリープのこと知らなきゃ自殺紛いだったくらいに」
「……管理不足で申し訳ございません」
「ええよ。あいつは先に、俺と藍葉のこと気にしとったし」
「自律神経失調症あたりからの、新薬開発からやり直しですかね?」
「そのためにも、宅配ご飯のレシピ改善もですね!! 紗夜先輩たちに、お土産用意したんです!!」
と同時に、宅配のインターホンが鳴り。成樹が代わりに受け取ってくれると、冷凍配達仕様の段ボールが届いた。
「『異世界ファーム弁当?』……開けていい?」
「もちろん!」
「藍葉が監修した、宅配弁当や。しかも、冷凍」
「「おお!!」」
再生プラスチックの容器に、メニューの書かれたフィルムのみ。名前を見ただけでも美味しそうなメニュー開発を……と、ポイ活の宅配弁当企画の立ち上げから関わっていたと聞いていたが、本気で今すぐにでも食べたいくらいに食べ盛りの奈月たちには嬉しいお土産だった。
「課金プランとしては、まだ改善多いですけど。先輩たちは今モニターってことで無料です」
「え……悪い」
「悪くない。俺らを生き長らえさせてくれた代表じゃぞ? 命賭けたんはお互い様じゃ。俺は俺で、藍葉にちゃんと起こしてもらえたしな?」
「シゲくん……なんか、恥ずかしい」
「そうけ?」
らぶらぶなカップルの甘い雰囲気に部屋の温度が少し上がった気がしたものの、せっかくだからと四人分温めて、食べながら感想を藍葉がメモするなど本格的なレビューの仕事をすることになったのだ。
「成樹先輩には……早いうちに接触取れてよかったです」
紗夜にレビューを任せ、奈月はベッドで成樹と団欒することにした。教授を務める父が大学でゼミを担当していた頃からの付き合いだったが、奈月との接触は意外に遅く。奈月が海外留学と偽るところからのスタートだった。
並行世界へのダイブとのズレで、雅博とともに何回か接触してきた中に彼もいたのだ。
「そじゃな。β版のNPCの中に何年もダイブするのは肉体年齢が若いのとか関係なく……リスクが高い。それがたったの数か月で終わってよかった」
「……藍葉ちゃんも、相当泣いたでしょう?」
「感覚過敏で相当泣いた時期もあったようじゃ。……けど、今は空元気じゃない」
「……それなら、安心できます」
パートナーシップ制度の先駆け、という理由でつくらせたポイ活アプリの『異世界ファーム』。
その兆しも、また『加東奈月』らに与えられた任務だったので、資産を『クロニクル=バースト』から用意したのだ。最初なにも知らないモニターにさせられていた藍葉には申し訳なさが色々あったが、無事に主任クラスの仕事を任せられたので今では頼りになる以上の部下だった。
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