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8-1.ダイエットピクニック①
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さらに、半月後。
ピピピ、ピピピ。
「……125キロ」
「おおおおおおお!!!!」
あれからまた半月経ったとは言え。
その前とは違い、25キロも痩せたのだ!
セリカから言えば痩せ過ぎかもしれぬが。
俺様にとっては、喜ばしいことだった!
「順調……。あと二ヶ月で、目標に近いくらいにまでは痩せれると思う」
「うむ。頑張るしかないな!」
「それと今日は。少し遠出しようと思う」
「遠出、だと?」
「安心して。ダイエット強化合宿ほどはしないから」
「安心出来んぞ!」
相変わらず手厳しい我がホムンクルスよ!
しかしながら、彼女のお陰で痩せてきているのは確実なので反論は出来ず。
セリカが、お弁当を作るからと言って俺様にはポーション作りを頼んでから厨房に篭ってしまったが。
一時間後には、彼女はとんでもない格好で玄関に立っていた。
「……それは?」
「……お弁当と、運動用の道具一式」
「多くないか?」
「マスターのため。それに私はヒトではないから筋力が少なくても大荷物は持てる」
「俺様が持つ必要は?」
「マスターには、目的地に行くまでウォーキングしてもらうから」
「……わかった」
それならば、荷物は彼女に任せるしかない。
いったいどこまで連れて行かれるのかと思いきや。
ウォーキングしながら、導かれた場所は近くの河原。
美しいせせらぎ。
夏ではあるのに、暑過ぎず冷え過ぎず、過ごしやすい風。
今にも顔をつけたいくらい澄んだ冷たそうな水の流れ。
が、それらを堪能することをセリカが許すはずもなく。
身体の汗は、洗浄の魔法で綺麗にされてから、中休みも兼ねて川の水を沸かして茶を入れてもらい。
少しのんびりしてから、次の運動に取り掛かることになった。
「まず、はじめに」
「う、うむ?」
「足腰は整ってきたはずだから、腹筋を鍛えていく」
「ふっきん?」
「お腹の筋肉。うまく行けば、街の冒険者のようにお腹の筋肉が割れるはず」
「筋肉が割れる……?」
ああ、あの脳筋バカ共のことが。
たしかに、肉体美としては申し分ないところもあったが。
まだ美しかった俺様もそこそこ割れてたので気にも留めていなかったが……今はダメだな。
だいぶ腹周りの贅肉は落ちてきても、今の俺様の腹肉は奴ら以上に、以前の俺様には程遠い状態だ。
ならば、せめて元の身体に戻るまで鍛えるしかない。
「まずは、地面に膝をついて」
「ふむ。こう、か?」
「次に腰を丸めないように前に手をついて」
「う、うむ」
「それから。私がいいと言うまでじっと耐えて」
「わ、わかった!」
なんだこれは!
膝をついているのに、ふくらはぎや太腿部分がプルプルと震え出し。
腕も真っ直ぐに伸ばしているだけなのに、同様の状態に。
腰は痛くはないのだが、呼吸がし辛く、肺も苦しい!
なんだこのシンプルなのに、身体が悲鳴を上げる運動は!
「ん、それまで。ゆっくり地面に体をつけて」
「き……効くぞぉ……」
ほんのわずか、その姿勢であっただけなのに、地味に身体には堪えていた。
が、しかし。
またほんのわずか休んでいたら、すぐに元に戻せとセリカは言ってきたのだ!
「休憩時間は30秒。今のプランクという運動も同じ時間。これを10回繰り返す」
「なぬ!」
「他にも色々やってから、お昼ご飯」
「うぬぬぬぬぬ!!」
それから、いつものストレッチに加えてセリカがいつのまにかシャインで造ったという筋肉トレーニング用の道具もつかって、全体的に運動をこなして。
汗だくになっては、洗浄魔法でセリカが綺麗にしてくれて。
息が整ってからは次、次と。
だいたい、日が真上に到達してから、弁当となったのだった。
「おおおおお!!!!」
野菜、肉、卵、パン。
どれもこれもが、今までのメニューと大差はないが、今の俺様にとってはありがたい食事だった!
セリカが、少しずつ食べられる分だけを皿に盛り付けてくれて。
俺様は先に渡された濡れ布巾で綺麗に手を洗ってから、フォークを片手に受け取った。
「美味そうだな!」
「キノコの肉巻き、青菜の炒め物。卵焼き。パンはブランパンだけど」
「いただくぞ!」
あれだけの運動をした後にこの褒美とは!
キノコは相変わらず加えられているが、セリカの絶妙な味付けのおかげでだいぶ食べられるようになってきた。
あと二ヶ月で、この身体ともおさらばしたいのだが。
慎重に……慎重にいかねば、また元に戻ってしまうのだと。
俺様は、自分に言い聞かせるしかなかった。
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