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第19話 『ハル』と『ナツ』
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『異世界ファーム』と言う名目で、ひとつの並行世界もとい『異世界』を与えた【神】側の美晴こと『ハル』だったが。
隙間を縫うように、向こうでは『妹』の藍葉の様子と合わせてそちらの展開を観察していたものの。あまりにも急展開過ぎる『マニュアル』をさらりと作り上げる逸材に舌を撒きそうであった。
『……流石だな。こっちだと、今育ててる『クルス』が向こうじゃ『成樹』だといつ気づくか』
何百、何千、何万のパターンを組み合わせただろうに。
それでも、根底にある『愛』は推して量るべしとでも言うくらいに……このファームを整えている藍葉には『不随』を取り除きたかったのだろう。
多くの可能性を生まれながら捨てられ。
多くの希望を持つのを諦めかけ。
一度は信じていた愛情も砕けたと言うのに。
忘れられなく、求めてしまうのはまだ若輩者ゆえか。
しかしながら、それは『ハル』も同じだった。
この並行世界の他には、幾つもの『崩壊しかけている事象』があるのだ。
通じる者、通じない者。
事情を知る者と知らない者。
それらを否定し続ける者、さらには突き放す者。
多々あり過ぎたが、『ハル』は相対する『ナツ』のために引き離した者だ。神と括られ、世界に座す管理者の『柱』にされているだけの者。
神としての能力など、人間の脳が勝手に想像するような事象なんて少ない。
出来るとすれば、余程のことがない限り寿命がないだけで、老いも死ぬ事も容易でないだけだ。相対する者が来るまでの、生け贄とも言えるだろう。
並行世界とやらが『救命措置』だと知るのは、向こうの美晴に告げてはいるものの……あの藍葉に何も知らせずに、シェルター内の開拓がだいぶ終わったのには拍子抜けしそうだった。
『……いやー、どーするよ? 早くね?』
手当たり次第で用意した『玩具』で遊んだだけに等しいのに。
爪弾きされて、こもりがちだった時に得た情報を駆使し……措置をほとんど『終わらせ』てしまったのだ。脱帽して、美晴にどうリンクしようか……流石に悩んだくらいだ。
これでは、『ハル』は『ナツ』のシェルターに向けて、柱ではなくてもういいかもしれない。『神柱』とやらで、最愛の相手を探しに行っていいのだと意気込みそうになるくらいだ。
『こりゃ……『アキ』と『フユ』に通じるシェルターとくっつけていいかもな。けど、こっちの『藍葉』になる女って何処にいんだ??』
『ハル』の役目は、クルスの中にある『成樹の種』がある程度育つまでの見守り程度。
整ったら、他のシェルターと隣接するための救済策を講じなければいけないのだ。
だがしかし、この並行世界を整えた藍葉がやり過ぎなくらい仕事をしてくれたため……報酬がやはりうまく浮かばない。足の手術費など余裕で換金出来るが、やはりここは。
『向こうの俺も気づいているだろうし……あっちは頼んで、こっちが動けるなら探すか』
神柱として、意識以外動かなかった身体。何万年分動いたかのように、凝りなどは仕方がないが……深呼吸で何度か酸素を循環させてから、シェルターの門に大きな閂で向こうから開けられないようにする。
藍葉には端末越しに宇宙空間のような星空でしか見えてないだろうが、事実並行世界同士の『隙間』はそんな状態なのだ。狭間とか異空間と言う呼び名が近いかもしれない。
この中を彷徨うことが出来るのは、生身の人間では普通出来ないからこそ……『ハル』のような神柱を創ったのだ。
誰だったかは、原型がもう無いので『ハル』でも覚えていない。
わかるのは、シェルターのように引き離した自分の最愛の『ナツ』だけだ。
『…………何年かかるかわからないが、俺だけの『ナツ』ねぇ?』
同じ存在と結ばれるとは限らないパターンで、相殺しないパターンを生み出す。
あくまで、記号名を付けられているだけだから……と、『ハル』は閂を再確認してから狭間を跳躍した。
隙間を縫うように、向こうでは『妹』の藍葉の様子と合わせてそちらの展開を観察していたものの。あまりにも急展開過ぎる『マニュアル』をさらりと作り上げる逸材に舌を撒きそうであった。
『……流石だな。こっちだと、今育ててる『クルス』が向こうじゃ『成樹』だといつ気づくか』
何百、何千、何万のパターンを組み合わせただろうに。
それでも、根底にある『愛』は推して量るべしとでも言うくらいに……このファームを整えている藍葉には『不随』を取り除きたかったのだろう。
多くの可能性を生まれながら捨てられ。
多くの希望を持つのを諦めかけ。
一度は信じていた愛情も砕けたと言うのに。
忘れられなく、求めてしまうのはまだ若輩者ゆえか。
しかしながら、それは『ハル』も同じだった。
この並行世界の他には、幾つもの『崩壊しかけている事象』があるのだ。
通じる者、通じない者。
事情を知る者と知らない者。
それらを否定し続ける者、さらには突き放す者。
多々あり過ぎたが、『ハル』は相対する『ナツ』のために引き離した者だ。神と括られ、世界に座す管理者の『柱』にされているだけの者。
神としての能力など、人間の脳が勝手に想像するような事象なんて少ない。
出来るとすれば、余程のことがない限り寿命がないだけで、老いも死ぬ事も容易でないだけだ。相対する者が来るまでの、生け贄とも言えるだろう。
並行世界とやらが『救命措置』だと知るのは、向こうの美晴に告げてはいるものの……あの藍葉に何も知らせずに、シェルター内の開拓がだいぶ終わったのには拍子抜けしそうだった。
『……いやー、どーするよ? 早くね?』
手当たり次第で用意した『玩具』で遊んだだけに等しいのに。
爪弾きされて、こもりがちだった時に得た情報を駆使し……措置をほとんど『終わらせ』てしまったのだ。脱帽して、美晴にどうリンクしようか……流石に悩んだくらいだ。
これでは、『ハル』は『ナツ』のシェルターに向けて、柱ではなくてもういいかもしれない。『神柱』とやらで、最愛の相手を探しに行っていいのだと意気込みそうになるくらいだ。
『こりゃ……『アキ』と『フユ』に通じるシェルターとくっつけていいかもな。けど、こっちの『藍葉』になる女って何処にいんだ??』
『ハル』の役目は、クルスの中にある『成樹の種』がある程度育つまでの見守り程度。
整ったら、他のシェルターと隣接するための救済策を講じなければいけないのだ。
だがしかし、この並行世界を整えた藍葉がやり過ぎなくらい仕事をしてくれたため……報酬がやはりうまく浮かばない。足の手術費など余裕で換金出来るが、やはりここは。
『向こうの俺も気づいているだろうし……あっちは頼んで、こっちが動けるなら探すか』
神柱として、意識以外動かなかった身体。何万年分動いたかのように、凝りなどは仕方がないが……深呼吸で何度か酸素を循環させてから、シェルターの門に大きな閂で向こうから開けられないようにする。
藍葉には端末越しに宇宙空間のような星空でしか見えてないだろうが、事実並行世界同士の『隙間』はそんな状態なのだ。狭間とか異空間と言う呼び名が近いかもしれない。
この中を彷徨うことが出来るのは、生身の人間では普通出来ないからこそ……『ハル』のような神柱を創ったのだ。
誰だったかは、原型がもう無いので『ハル』でも覚えていない。
わかるのは、シェルターのように引き離した自分の最愛の『ナツ』だけだ。
『…………何年かかるかわからないが、俺だけの『ナツ』ねぇ?』
同じ存在と結ばれるとは限らないパターンで、相殺しないパターンを生み出す。
あくまで、記号名を付けられているだけだから……と、『ハル』は閂を再確認してから狭間を跳躍した。
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