ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!

櫛田こころ

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第34話 これはデートか?

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 日曜日になってしまった。

 移動は成樹が車を出すからと、家の中で呼び鈴が鳴るまで待つことに。どこかおかしくないか、メイクはやり直した方がいいのかと四苦八苦していると……すぐに呼び鈴がなったので応対するしかなかった。


「お? 可愛いカッコしとるの」


 さらっと言うのは慣れているせいか、と思いかけたが。グラサンの向こう側で優しく目が緩んでいるのを見ると、こちらが照れてしまいそうだった。


「……シゲくんも、かっこいいよ」
「そらどーも」


 シンプルでいて、スタイルの良さを引き出している服装が眩しく見える。美晴はいないのかと聞けば、なぜか苦笑いされてしまった。


「?」
「上司と部下なんはもちろんじゃけど……デートのつもりなんじゃが」
「え」
「ま、最初はこんなもんじゃろ。扉開けたるから、ゆっくり乗りんしゃい」


 意味がわからない、と普通なら思ってしまうところだったが。からかっている様子もないし、昔の罪悪感からの誘導でもなさそうだった。ひとまず、車に乗ればシートベルトは代わりに締めてくれるし、頭を撫でる手つきは優しいもの。

 勘違い、でないにしてもここまで尽くしてくれる成樹の行動の一つ一つに、ときめきを覚えないわけがない。愛されているにしても、それは幼馴染みだと思っていたのに。


(……変に期待しちゃう!)


 障がい者として生き方のほとんどを諦め。

 間接的でも、成樹への恋心は玉砕したと思い込んでいたし。

 そのどちらをも、フォローしてくれたのは兄のおかげもあるが、きっかけは運転席に移動した成樹が大半。


「まずは、適当にドライブ行くぜ。好きな音楽でも聞いとき」
「……ポッド繋いでいいの?」
「ええよ。藍葉の好きなもんも知りたい」


 と言っても、いきなりアニソンは恥ずかしかったので、BGM風の挿入歌を集めたヒーリングソングにしておいた。歌詞があるようでない、伝承の歌とかを集めたものだが。


「……どしたの? シゲくん」


 運転はスタートしたが、顎に手を添えるときは何かを思いついたような動作に見える。声を掛ければ、『ああ』と軽く返事はしてくれた。


「いいもんやなと。あのアプリにまだBGMは依頼しとらんし……こーゆーのもええな」
「これ、ほとんどアニソンだけどね?」
「言われんとわからんぜよ」
「ボーカロイドのとかもそう思われがちだけど。私はこっちも好き」
「ほーん」


 とりあえず、どこへ行くかの話の流れには持って行けたが。高速に乗って有名サービスエリアや道の駅を回ると言う……デートにしては健全過ぎて少し意外に思ったのだった。


「……テーマパークかと思った」
「足悪い子に、一時間でも並んで立たせるのは嫌じゃ」
「……ありがと」
「それに、藍葉はなんとなく食べ巡りの方が好きそうな気がしたんよ」
「……正解です」


 そこそこ交流のブランクはあったのに、好みはお見通しだったようだ。なら、と曲をシャッフルして色んなアニソンを流せば、互いに好きなアニメの話題へと自然に変わる。

 それともうひとつ。


「移動のチェックイン。ここで存分に実験しんしゃい。藍葉はその機能あんまり使えんじゃろ」
「あ、そーいえば」


 提案しときながら全然だったので開けば……しゅぽんと音がなったと同時にバナーにはとんでもない数値のポイントが集まって、目を剥きそうになった。
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