ポイ活で、異世界ファームを育成しよう!

櫛田こころ

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第89話 ちょっとひらめき?

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 ルドガーから炊き出しの依頼をこなして、二回目くらいに気づいたことが出来た。


「容器もやけど。一個ごとの『量』を増やすのもええんとちゃう?」


 基本的に『軽く腹が膨れればいい』程度のサイズなので、スープもだが弁当の量も少ない気がした。これについて、リーナもサナも今更気づいたらしく、顔を見合わせて驚いていたくらいだ。


「たしかに。あたしたちは自分で好きに食べれるから」
『盲点デした』
「管理者に質問してからやけど。大丈夫だったら、分担作業また決めようや」
「なにを?」
「容器つくりな。スープと弁当は別々がええやろ」
「さっすが、クーちゃん!」


 同意を得てから、さっそく連絡版に質問すれば『問題なし。担当も好きに決めて良し』とあったので、リーナがスープの器を錬成したからと自分の家に戻ったため、クルスは弁当の容器を錬成することにした。


「うーん。冒険者連中が腹いっぱいになるくらいの……も含めて」


 ルドガーに聞いたが、魔物の討伐は順調なものの。魔熊という臭いのきつく、討伐も少し困難な魔物しか見当たらないらしい。肉の処理はその場で解体してくるので、鮮度は問題ないそうだ。

 だが、先にクルスたちの炊き出しで美味い食事に慣れてしまったせいか、味はいまいちという結果。こちらはこちらで、自分たちも指示を受けている身なので下手にまずいものを作れないだけだ。

 というか、素材が良過ぎて、まずいものなど作れないわけがないという感じ。


「魔法使えたら、改良とか出来るやろうけど。俺とかは無理やしな?」


 リーナとサナは魔法を使えるかどうかなど、今更だが聞いていない。リーナとは恋人同士になったものの。それらしい行為は、まだキス程度。夜も共寝くらいはするようになったが……柔らか肌の感触に、気持ちが昂るも無理は出来ないとクルスは自分で諫めようとしていた。

 一応仕事のようなものはあるし、ほかにもゴーレムであれサナがいるから翌日に響いては色々指摘されてしまう。承知の上であったも、微妙に気恥しい。童貞ではないのに、ときめき方が変なところで乙女のようだとクルスは自分でツッコミたくなるが。

 それほど、リーナの育ち抜きに『大事にしたい女』扱いしたくなるのだ。娼館のケバイ女たちといっしょにしたくない。純真無垢と言えるかはわからずとも、本気で嫁にしたいくらい惚れ抜いているのだ。

 さておき、お互いの素性をあまり明かしてないことについては……徐々にでいいと思っている。恋人同士になったからって、すべてを一気にひけらかすつもりはクルスも特に思っていない。

 容器が出来たら、試しに試作してみるかと明日の炊き出しに必要な材料でこしらえてみた。


「クーちゃん、いい匂い!」


 容器を持って戻ってくる頃には、だいたいの料理が出来上がっていた。


「試しに詰めてみよう思っとるんよ。女の大喰らい分は、リーナやってみてくれん?」
「うん、いいよ」
「そのあと、食べてみよか」
「わーい」


 元気いっぱい、明るくて表情がコロコロ変わる可愛らしい女性。だけど、芯は強くて勇猛果敢な面もある。以前は貴族や豪族にも付き合いがあったらしいのは本人の口から聞きはしたが……まさか、クルスが歩兵として所属していたあの城の中にいたとしたら。

 とんでもない身分の差があるのでは……と思うものの、今となっては関係がないと納得しておく。

 でなきゃ、リーナが自分から好意を見せる行動をしてこなかったし、クルスも抱えていた想いに気づこうともしなかった。だから、それでいいのだと再三再四考えるくらいに納得したのだ。

 炊き出し弁当の試作が出来上がってみれば、それなりのボリュームのある見本が出来。まずは食べようとお互い盛り付けた器を交換。味は大丈夫だったし、量はクルスの体格で少し苦しいと思えるくらいだから、ルドガーにも明日きちんと報告しようと決定した。
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