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第92話 調整してみて、次に
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「いや~、助かった」
改良を加えた炊き出しの納品だったが、クルスの提案が功を奏したのか。ルドガーには何度も『助かった』と頷かれた。余程、満腹になるほどの弁当がほしかったようだ。本人もだが、今も討伐に関わっている冒険者連中らがだが。
彼らは、最近金銭がわずかながらも出来たため、炊き出しの一部を『購入』したいと言い出したらしい。それもあって、クルスらが持ってきた『満腹弁当』については……彼らの要望を聞き届けた言わんばかりの商品だそうだ。そのため、買取価格もいつもより少し多かった。
「こっちは訳あって人手は増やせれんからな? 食材の方も、分担してなんとか品種改良とやらしてんねん」
「極寒なのに、出来るのか?」
『ワタシ、が担当デス』
「……なるほど。ゴーレムなら寒さも関係ないか」
『エエ』
本当は寒さも暑さもあまり関係のない土地で実るのだが、そこは適当に誤魔化しておくしかない。
実際、サナが管理している果樹園から、少しずつ『普通』の果物などが実り出しているので……それは、次回以降に持参する予定だ。数日でいきなり出来上れば、ルドガーらも乗り込んでこないとは言い切れない。
とにかく、今回のようにクルスとリーナメインでつくった『満腹弁当』の方が喜ばれているのでよかった。それは次回の買い取りも同じようにしようと約束して、その日は関所を越えて戻るだけに終わる。
「前みたいに、町の人の笑顔とか見れないのが残念だねぇ?」
「けんど、そいつらも仕事出来るようにせな」
「だねぇ?」
リーナとしては働き足りない気分らしいが、それなりに動いていても元気いっぱいとは若い証拠だ。そこそこ歳のいっているクルスも、まだ働けなくはないが疲労感は多少なりともある。恋人になっても、必要以上のいちゃいちゃは……実は、まだだ。
(もうそろそろ……誘ってもええねんけど。こん子が『初めて』やろうし……なんて誘えば!?)
今まで、そういう商売の女しか手出ししてこなかったため、純真無垢とも言える生娘に手出しした経験のないクルスは……逆に、不安でたまらず、誘えていないのだ。
リーナは割と積極的なタイプに見えるが、最初だけはクルスから誘ってほしいのかで特に言い出したりしてこない。
そこは勢いと流れ!とは思うものの、失敗とかいろいろしたくないので地団駄を踏んでしまうのは、どうしてもリードしなくてはいけない男のクルスだ。初めての女性を気遣いたい気持ちくらい、ちゃんとある。告白までも色々あって、リーナを不安に思わせてからのスタートだったからだ。
(……うーん? いっしょ、なら寝床以上に『風呂』でもええか?)
などと、少し上級者向きな嗜好を考えてみたが。明るいところでいきなり美少女のそれを拝むのは早いと、自分で頭を殴った。
当然、道端で何をしているのだとリーナらに不思議がられたが、なんでもないと言い切って誤魔化した。
『クルス。次は、畑も少々改良しまショウ』
敷地に戻ってから、サナがきちんとまともに仕事の内容を告げてくれたので、そっちに意識を傾けることに。仕事が出来るようになれば、無理にほぼ毎日労働に明け暮れることもないし……リーナとも、のんびり生活できるかもしれない。
今は今、とサナの指導を受けながら『魔力の流れ』とやらを作物へ与える方法を学んではみたものの。そもそもの『生活魔法』とやらが苦手だったクルスへ、サナが鬼教師のように指導するところから始まってしまった。
半日くらいかけ、ようやくひと通りの流れが終わった頃には、リーナの昼ご飯が有難くて涙が出そうになったほどだ。
(……女ふたり相手にするのとちゃうけど。サナ、勇ましいわ)
ゴーレムは製作者の記憶をベースにすると、リーナが少し前に話してくれたが……管理者は男性のはずなのに、やけに現実味のある性格だなと思った。
改良を加えた炊き出しの納品だったが、クルスの提案が功を奏したのか。ルドガーには何度も『助かった』と頷かれた。余程、満腹になるほどの弁当がほしかったようだ。本人もだが、今も討伐に関わっている冒険者連中らがだが。
彼らは、最近金銭がわずかながらも出来たため、炊き出しの一部を『購入』したいと言い出したらしい。それもあって、クルスらが持ってきた『満腹弁当』については……彼らの要望を聞き届けた言わんばかりの商品だそうだ。そのため、買取価格もいつもより少し多かった。
「こっちは訳あって人手は増やせれんからな? 食材の方も、分担してなんとか品種改良とやらしてんねん」
「極寒なのに、出来るのか?」
『ワタシ、が担当デス』
「……なるほど。ゴーレムなら寒さも関係ないか」
『エエ』
本当は寒さも暑さもあまり関係のない土地で実るのだが、そこは適当に誤魔化しておくしかない。
実際、サナが管理している果樹園から、少しずつ『普通』の果物などが実り出しているので……それは、次回以降に持参する予定だ。数日でいきなり出来上れば、ルドガーらも乗り込んでこないとは言い切れない。
とにかく、今回のようにクルスとリーナメインでつくった『満腹弁当』の方が喜ばれているのでよかった。それは次回の買い取りも同じようにしようと約束して、その日は関所を越えて戻るだけに終わる。
「前みたいに、町の人の笑顔とか見れないのが残念だねぇ?」
「けんど、そいつらも仕事出来るようにせな」
「だねぇ?」
リーナとしては働き足りない気分らしいが、それなりに動いていても元気いっぱいとは若い証拠だ。そこそこ歳のいっているクルスも、まだ働けなくはないが疲労感は多少なりともある。恋人になっても、必要以上のいちゃいちゃは……実は、まだだ。
(もうそろそろ……誘ってもええねんけど。こん子が『初めて』やろうし……なんて誘えば!?)
今まで、そういう商売の女しか手出ししてこなかったため、純真無垢とも言える生娘に手出しした経験のないクルスは……逆に、不安でたまらず、誘えていないのだ。
リーナは割と積極的なタイプに見えるが、最初だけはクルスから誘ってほしいのかで特に言い出したりしてこない。
そこは勢いと流れ!とは思うものの、失敗とかいろいろしたくないので地団駄を踏んでしまうのは、どうしてもリードしなくてはいけない男のクルスだ。初めての女性を気遣いたい気持ちくらい、ちゃんとある。告白までも色々あって、リーナを不安に思わせてからのスタートだったからだ。
(……うーん? いっしょ、なら寝床以上に『風呂』でもええか?)
などと、少し上級者向きな嗜好を考えてみたが。明るいところでいきなり美少女のそれを拝むのは早いと、自分で頭を殴った。
当然、道端で何をしているのだとリーナらに不思議がられたが、なんでもないと言い切って誤魔化した。
『クルス。次は、畑も少々改良しまショウ』
敷地に戻ってから、サナがきちんとまともに仕事の内容を告げてくれたので、そっちに意識を傾けることに。仕事が出来るようになれば、無理にほぼ毎日労働に明け暮れることもないし……リーナとも、のんびり生活できるかもしれない。
今は今、とサナの指導を受けながら『魔力の流れ』とやらを作物へ与える方法を学んではみたものの。そもそもの『生活魔法』とやらが苦手だったクルスへ、サナが鬼教師のように指導するところから始まってしまった。
半日くらいかけ、ようやくひと通りの流れが終わった頃には、リーナの昼ご飯が有難くて涙が出そうになったほどだ。
(……女ふたり相手にするのとちゃうけど。サナ、勇ましいわ)
ゴーレムは製作者の記憶をベースにすると、リーナが少し前に話してくれたが……管理者は男性のはずなのに、やけに現実味のある性格だなと思った。
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