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第105話 謝罪しまくり
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『……誠に申し訳ございませんでした』
『……よろしい』
藍葉はヘッドセットの端末無しなので、ノートパソコンでのチャット会話になってしまってはいるが。
NPCの『タチカワ』に潜り込んでいた成樹と無事コンタクトが取れたので、ひとまず安心が出来た。クロードとは一時通話を切ったが、こちらはこちらで説教を続けなくてはいけないのでちょうどよかったと思う。
何せ、色々事情説明抜きに、恋人としても部下としても信用されてなかったのだから。
『態とじゃない。……けど、こんな早い段階だとは思わなかった』
『クーちゃんからも聞いてる。けど……あたしを泣かせた責任はとって』
『はい、もちろんです……』
『で? 『加東奈月』さんとは間接的にコンタクト取れたけど……今、近くにいないの?』
藍葉は自宅の部屋で凍えながらもキーボードを弾いているが、成樹らはVRの中にダイブしているので身体がどこにいるのか知りたかった。あの自宅兼仕事場にこのあと向かうように指示してもらっても、公共交通機関がほぼほぼストップしているとタクシーも使えないとくれば行っても無駄だ。
しかし、安物のノートパソコンとスマホとかタブレットでどこまで対応できるかわからない。その指示くらいは少しばかりほしかった。
特に、『加東奈月』との接触については。
『ドクター』で表面上の会話は出来たのだが、成樹が担当していた警備隊の『タチカワ』に連打する勢いでコマンドを打ち込んだところ……今のように応じてくれたのだ。荒業だが、ネットワーク環境が弱くても効いてくれたようで本当によかった。
『いない……な? つか、ほかのプレイヤーに誘導されたのかで脱獄イベントしやがった』
『……こっちの画面でも確認できないね』
『尋問途中なのに、誰だ? 勝手に誘導したの』
『まあ、近くにいるかもしれないのはともかく。……シゲくんは、今どこなの?』
『わからん』
『へ?』
『あの家に居たはずなのに、美晴も近くにいないし……シェルターのようなんに閉じ込められてる』
『だ、大丈夫??』
『もともと、その予定だったけど。勝手にしてやられた』
それほどなのか。クロードから聞いた『地球規模災害』とやらを落ち着かせるための……生け贄に近い救済措置。そして、対策を練る幹部として成樹や美晴以外にも、コールドスリープのようなシェルターに押し込んで『スカベンジャー・ハント』に意識を誘導させた。
ほかをコントロールできるように、外界から行うようにしてきたのは『加東奈月』。顔も声も知らない相手だが、立ち上げした幹部クラスとしては優秀かもしれない。環境の変化を機敏に読み取り、国以上に世界を巻き込んで被害人口を最低まで抑え込んだのだから。
そのおかげもあり、藍葉は成樹たちを失っていない。この会話も幽霊との対話でないのは、クロードが保証してくれているので確かなことだ。
なら、やはり今藍葉が彼らにしてあげれることはひとつだ。
『……あたし。シゲくんの家行ってみる。ゆっくり動いてでも』
『待て!? 外気温は零度以下だぞ?! 普通の防寒じゃ無理だし、藍葉は』
『いいの! シゲくんたちが帰ってくるまで……こっちじゃあたしは役に立たないから、『ポイ活ファーム』を維持させる。そっちのモニターさんたちも……そうなんでしょ?』
『……すまん』
そこで会話を終わらせ、ノートパソコンは自宅に置いたままにしておく。代わりに、今まで使用してきたタブレットは鞄に入れてから……あるだけのニットでもこもこの格好になって階段を下りていけば、両親らのいる一階もなかなかに極寒だったが、ふたりは静かに寝ているだけだった。藍葉の杖の音がうるさいのに、一切起きないのは珍しい。
「……出来ることはするから。いってきます」
声をかけても身じろぎすらない両親にそう声をかけ、玄関のドアを少し乱暴に開けたが……肌に触れた箇所がすぐに冷え込む寒さに、出たくないというのを押し込めてから表に出るのだった。
『……よろしい』
藍葉はヘッドセットの端末無しなので、ノートパソコンでのチャット会話になってしまってはいるが。
NPCの『タチカワ』に潜り込んでいた成樹と無事コンタクトが取れたので、ひとまず安心が出来た。クロードとは一時通話を切ったが、こちらはこちらで説教を続けなくてはいけないのでちょうどよかったと思う。
何せ、色々事情説明抜きに、恋人としても部下としても信用されてなかったのだから。
『態とじゃない。……けど、こんな早い段階だとは思わなかった』
『クーちゃんからも聞いてる。けど……あたしを泣かせた責任はとって』
『はい、もちろんです……』
『で? 『加東奈月』さんとは間接的にコンタクト取れたけど……今、近くにいないの?』
藍葉は自宅の部屋で凍えながらもキーボードを弾いているが、成樹らはVRの中にダイブしているので身体がどこにいるのか知りたかった。あの自宅兼仕事場にこのあと向かうように指示してもらっても、公共交通機関がほぼほぼストップしているとタクシーも使えないとくれば行っても無駄だ。
しかし、安物のノートパソコンとスマホとかタブレットでどこまで対応できるかわからない。その指示くらいは少しばかりほしかった。
特に、『加東奈月』との接触については。
『ドクター』で表面上の会話は出来たのだが、成樹が担当していた警備隊の『タチカワ』に連打する勢いでコマンドを打ち込んだところ……今のように応じてくれたのだ。荒業だが、ネットワーク環境が弱くても効いてくれたようで本当によかった。
『いない……な? つか、ほかのプレイヤーに誘導されたのかで脱獄イベントしやがった』
『……こっちの画面でも確認できないね』
『尋問途中なのに、誰だ? 勝手に誘導したの』
『まあ、近くにいるかもしれないのはともかく。……シゲくんは、今どこなの?』
『わからん』
『へ?』
『あの家に居たはずなのに、美晴も近くにいないし……シェルターのようなんに閉じ込められてる』
『だ、大丈夫??』
『もともと、その予定だったけど。勝手にしてやられた』
それほどなのか。クロードから聞いた『地球規模災害』とやらを落ち着かせるための……生け贄に近い救済措置。そして、対策を練る幹部として成樹や美晴以外にも、コールドスリープのようなシェルターに押し込んで『スカベンジャー・ハント』に意識を誘導させた。
ほかをコントロールできるように、外界から行うようにしてきたのは『加東奈月』。顔も声も知らない相手だが、立ち上げした幹部クラスとしては優秀かもしれない。環境の変化を機敏に読み取り、国以上に世界を巻き込んで被害人口を最低まで抑え込んだのだから。
そのおかげもあり、藍葉は成樹たちを失っていない。この会話も幽霊との対話でないのは、クロードが保証してくれているので確かなことだ。
なら、やはり今藍葉が彼らにしてあげれることはひとつだ。
『……あたし。シゲくんの家行ってみる。ゆっくり動いてでも』
『待て!? 外気温は零度以下だぞ?! 普通の防寒じゃ無理だし、藍葉は』
『いいの! シゲくんたちが帰ってくるまで……こっちじゃあたしは役に立たないから、『ポイ活ファーム』を維持させる。そっちのモニターさんたちも……そうなんでしょ?』
『……すまん』
そこで会話を終わらせ、ノートパソコンは自宅に置いたままにしておく。代わりに、今まで使用してきたタブレットは鞄に入れてから……あるだけのニットでもこもこの格好になって階段を下りていけば、両親らのいる一階もなかなかに極寒だったが、ふたりは静かに寝ているだけだった。藍葉の杖の音がうるさいのに、一切起きないのは珍しい。
「……出来ることはするから。いってきます」
声をかけても身じろぎすらない両親にそう声をかけ、玄関のドアを少し乱暴に開けたが……肌に触れた箇所がすぐに冷え込む寒さに、出たくないというのを押し込めてから表に出るのだった。
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