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第4話 私はジビエ料理人①
しおりを挟む「……何しようとしとるん?」
猫又ちゃんに呆れられるのも仕方がない。
私はなんと、素手で猪もどきこと六角ボアと言う生き物を引きずろうとしていたのだから!
「ん~~!? 押せない!!」
早く血抜きとかしないと……せっかくのお肉がダメになってしまう。それに死体となったら熱を放出するから肉が悪くなってしまう。
狩猟経験はないが、仕込みなどの時に師匠である料理長からも手厳しく指導を受けた。
料理人とは猫又ちゃんに言ったが……私は普通の和食洋食とかの料理畑ではない。
酪農などで手に入る動物をあまり扱わない……ジビエ肉専門の小料理屋での下っ端だったのだ。
女だからって、やれないことはない! と意気込んでみたものの……六角ボアとやらは、結構大きくて重くて。
異世界に転移させられて、腕も完治したからって非力には変わりなかった。
「……嬢ちゃんも肉食いたいん?」
「た……べたい、けど! ちゃんと……下処理……しなきゃ!!」
「……下処理?」
「お、肉を……美味しくする方法!!」
だから、肉を一旦冷やすのに川へ行かなくちゃ。
死ぬと腐臭も出てくるので、大変よろしくない。それが肉に移ったら、食べられたもんじゃない。それも、料理長以外に猟師さん達にたくさん教わった。
頑張ろうとしたけど……筋肉のつき方は腕の不髄が治っても同じままらしく。美女神様、そこはなんか特典付けてよ!? と文句が少し言いたくなった!!
「ふぅむ。興味深い」
押していた六角ボアが……軽くなった?
と思ったら、私ごと宙に浮かんでいたのだ!?
「は、え!?」
「どこへ行けば良い? あちきが運んでしんぜよう」
どうやら猫又ちゃんの魔法か何からしい。
人生初の飛行にもびっくりしたけど。
私のつたない説明を聞いて……興味を持ってくれたのが嬉しかった。
お互い、お腹が空いている者同士の……協力に切り替わったのだ!
「川! 川でこいつをキンキンになるまで冷やすの!」
「あいわかった。……舌を噛むのは堪忍な?」
「へ?」
次の瞬間、ジェットコースターばりの猛スピードで移動させられ……ものの数分で、川に到着。
猫又ちゃんは、私を地面に下ろすと六角ボアの方は川に漬け込もうとしていた。
その前に!
「待って、血抜きしなきゃ!!」
「血を抜くのかい?」
「首筋に深く切り込み入れて血を出していくの。肉に変な匂いがつく問題もあるけど。あとは」
解体は数回程度しか小料理屋でも経験がないが……やってみるしかない! 道具は無くとも、猫又ちゃんが風の魔法とかで裂傷を入れることができたので。私が指示しつつ、ぐちょぐちょで気持ち悪いけど……何とか内臓とかも抜き出した。この悪臭も肉には良くないとされているから。
「これは焼けばええんか?」
またもや、魔法の使える猫又ちゃんのお陰で焼却処理も出来たわけで。
そこから……肉が冷えるまで川に漬け込み。
待っている間に、お互いのことを語り合うことになった。
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