【完結】異世界で小料理屋さんを自由気ままに営業する〜おっかなびっくり魔物ジビエ料理の数々〜

櫛田こころ

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第8話 願いのためには①

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「店?」

「そう、お店」


 美女神様からのお願いを伝えると、クレハは首を傾げた。

 多分だけど……モンスターだからお店って概念がわからないかも。


「人間が建物使って、なんや売り買いするあれか?」


 はい、甘くみてました!!

 モンスターでもクレハは知能とか高いから、人間のことを色々知ってたみたい!!


「そう。食事……どころって言えばいいのかな? 私は向こうで下っ端だけど、そう言う場所で仕事してたの」

「……と言うと、ヒロはさっきみたいな料理。色々作れるん?」

「自分のためは……だけど、あっちじゃほとんど仕込みか時々まかないって言うの作らせてもらった程度だよ?」

「まかない?」

「簡単に言うと……お客さんに出さない料理。さっきみたいな串焼きもあったよ」


 あまりのジビエ食材で、串焼きの練習だけはさせてもらえたからね? なので、初回でも異世界の食材を少しは扱えたのだ。


「……それを、売り物にしようと?」

「……神様からのお願いではあるけど」


 中堅には程遠い、下っ端でも見習い卒業程度だったもん。

 なんで、わざわざ腕を治してまで転移とやらにさせたかわかんないが……とりあえず、クレハには喜んでもらえただけでも嬉しい。

 ここから、どうスタートしていけばいいかはさっぱりだけど。


「……ほーん? ツテはなくない」

「え!?」


 なんか、クレハにコネか何かがあるみたい!?

 私は思わず、距離を詰めて彼女を覗き込んだ!!


「な、なんや? そないに驚くん?」

「ご、ごめん……びっくりしちゃって」

「ええけど。まあ、場所を知っとるだけや……あちきら『アヤカシ』の集落に行くことになるんやけど」

「え……モンスターの?」

「なーに。人間とも商売のやり取りしとるんや。悪い条件ちゃうやん?」

「おお!」


 かっこいいです、クレハ様!!

 思わず、ハグしかけたら避けられちゃったけど。


「ほんなら行くで? 急いだ方がええやろ?」

「……こんな夜に?」

「そう見えるけど、あれがあるから今は昼間や」


 クレハは足を向けた方向には、木に鈴のように光った木の実が発光していたのだった。

 と言うわけで、いきなり人間のとこじゃないけど……モンスターの集落と言う場所に行くことになり。

 移動はさっきのジェットコースターのような魔法を使わずに、徒歩で。

 肩にクレハを乗せることで移動することになった。なんでも、クレハの匂いを私に染み込ませるらしい。クレハの匂いがちゃんとあれば……ほかのアヤカシ達にも信用してもらえるんだって。

 クレハ様、本当にいいモンスターだ。

 思わず、姐さんと呼びたいくらいに!!


「……まだ?」


 けど、だいたい一時間くらい歩いたところで……ほとんど景色が変わらないのに、私は少し飽きかけていた。


「大丈夫や。ほれ、あそこ」


 クレハは前足を伸ばした先を視線で追うと……そこには、なんでか河童みたいなモンスターが槍を持って、森の中に立っていたのだ。
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