【完結】異世界で小料理屋さんを自由気ままに営業する〜おっかなびっくり魔物ジビエ料理の数々〜

櫛田こころ

文字の大きさ
51 / 108

第51話 焼肉クレープ①

しおりを挟む
 フライパンに、薄ーくサラダ油みたいな油……トット油って言うのを引き。

 そこに、これまた購入しておいたおたまを使って……出来たクレープ生地をすくい、出来るだけ薄く伸ばしていく。


「にゃー?」


 クレハにはさっぱりだから、これがどう言う食べ物なのかわからないみたいだわ。

 もちろん、ちゃんと説明はするわ。


「これをね? 表と裏、少し乾燥するくらいに焼いて……はい」


 菜箸を使って、うまく焼けた生地をクレハに見せてあげた。

 すぐに食べたそうにしていたが、まだだと避難させたわ。


「これやないん?」

「まだよ……。これを今からどんどん焼いてって、あとで具材を巻くの」

「まく?」

「うん、楽しみにしてて?」

「にゃー」


 破けないように、慎重に焼いて……全部をお皿の上に乗せておいたら。その次に、具材作りだ。焼肉は絶対だから……あとは他の。おかずクレープだから、甘いのは今回却下だし……けど、材料は一昨日この里で買ったものしかない。

 サラダ感覚で食べられる葉物野菜は……今回は特に購入していなかった。スインドさんのところでは、生鮮食品はなかったので……同じく。

 しかし、今回は皆お腹ぺこぺこだから……種類を増やすのはまた次の機会にしよう!

 とりあえず、焼肉バージョンをクレハと手分けして準備していった。


「さて、適度に冷ましたから」


 クレープを巻くのは……実に久しぶりだ。事故と入院より前……年単位でやらなかったかしら? 凝った作り方だと、生地を寝かさなきゃいけないとかあったし。

 具材を、一箇所に……今回は少し多めに広げた生地の上に置き。

 折って、折って……くるくると巻いていったら。形は逆三角形にはならなかったけど、まあ形にはなった。和食じゃないし、私はクレープ専門店で働いていたわけじゃないから。

 これを本当なら紙に巻きたいとこだけど……クッキングシートとかはないので、お皿に載せておくことにしたわ。クレハがかぶりつきそうだったが、注意してやめさせた。


「なーんでなん?」

「皆で食べる方が美味しいからよ?」

「にゃ?」

「食事って、気分で味も雰囲気も全然変わるのよ?」

「……そうなん?」

「うん」


 多分だけど。

 長老おじいちゃんがともかく……ご両親が不在がずっと続いていたからか。クレハには『食卓を囲む』って概念がないかもしれない。

 けど……ここ二、三日で私が加わったことで、ちょっと変わったかなとは思うが。

 クレハは首を傾げながらも、うんうん唸ってたわ。


「うーん。気分にゃぁ?」

「もう少しで出来るから……クレハもやってみる? 巻くの」

「……ええのん?」

「何事も経験よ?」


 けど、狩りとかは器用なのに……手先の方は少しぶきっちょなのか、何回か生地を破きそうになったのですぐにバトンタッチとなったわ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-

ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。 断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。 彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。 通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。 お惣菜お安いですよ?いかがです? 物語はまったり、のんびりと進みます。 ※本作はカクヨム様にも掲載しております。

処理中です...