最強の剣がフランスパン!?〜最弱冒険者の無双冒険録〜

櫛田こころ

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第二十章 説明だらけ

第5話 帰る場所③

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「「ちょっと、レイザー!?」」


 お父さん達は、また息ぴったりに声を揃えた。仲がいいんだな……と、再会したばかりの僕でも思う。


「せっかく帰ってきたトラディスを……また旅に出すのか!?」

「こいつは立派に冒険者だぜ? 兄貴としても、色々鍛えてやりてぇんだよ」

「それは…………そう、かもしれないが」


 お父さんの頭に、クダウサギのような耳が垂れているように見えたのは気のせい?

 思いっきりにしゅんってなる感じが、ちょっと可愛く見えた。それはお母さんもだったけど。

 とりあえず、今日だけはお城に泊まってほしいと言われ……ご飯の時間になるまで、僕とジェフさんはレイザーさんのお部屋にお邪魔することになった。


「てっきり、トラディスをここに残すとか言い出すと思ったが」


 椅子に座るのもなんだと、僕らはふかふかの絨毯の上であぐらを掻く姿勢になった。


「まさか? 湯場で言ったことはマジだ。ここはついでって、さっきも言っただろ? とりあえず……任務はさっさと終わらせたかっただけだ」

「……えっと……おに、いさん」

「言いにくいようなら、今まで通りでいいぞ?」

「い、いえ。僕……本当に王子でなくていいんですか?」

「王位については……いずれ、俺が継ぐ。お前は、自由でいいんだ。フランツのマスターとして……冒険者として、やりたいようにやればいい。親父達には、まあ手紙くらいは書いてやってくれ」

「……はい」


 でも、もし何かあれば……その時は僕もお兄さんを助けたい。それを言うと、お兄さんは僕の頭をまた荒っぽく撫でてくれた。


「だから……まあ。リーダーのジェフが文句なきゃ、明日にはここを立つ」

「いいぜ? とりあえず、ギルマスにも報告しに行こう。旅路を決めるのは、そっから先だ」

【おもろくなってくんなあ?】

「「だろ??」」


 家族が居ないと思っていた僕に、実は凄い人達が家族だったことと。

 頼もしい、冒険者としての仲間も出来て……本当に嬉しい!!

 帰る場所も出来て、けど未熟な僕はまだまだ外で色んなことを経験したい。夕ご飯の時に、お父さん達にもそう伝えて……納得してもらってから、僕らは翌日にお城からまたリクシアの街に戻った。


「……トラディス……く、んが王子?」

「ですの! 驚きですの!!」

「正真正銘俺の弟だ。ひとまず、家名については今まで通りだが」

「よろしくお願いします」

「……わかりました。では、今まで通りに。となると、トラディス君の潜在能力は王家の血筋も関係しているのでしょう」

「そうなんですか??」


 単純に逃げ足とかが速い理由だけではないようだ。


「身体能力がどっかは突飛出ているのが特徴だ。ギルマスの考察は当たってるぜ?」

「お兄さんは?」

「魔眼は違うが、腕力くらいだ」


 場所は違うけど、お兄さんにもあるようだった。

 身分については、基本的に伏せることになり……それ以外は、僕らは『シリウスの風』と言うチーム……もとい、パーティーとしてリクシアからスタートすることになりました!!


【ほんま、ええ奴らと巡り会えたなあ?】

『フランツのお陰だよ』


 元パーティーがきっかけだったとは言え、フランツがいなきゃ……この街でエクレアさん達に出会うことがなかった。

 マシュさんの護衛がなければ、ジェフさんとも出会わなかった。コンビを組んで……お兄さんにも出会えるとは思わなかった。

 本当の自分のことも。

 だから、僕は……帰る場所のために、今日もフランスパンの魔剣であるフランツを振るうんだ!!


「「「シリウスの風!!」」」


 今日も元気に、モンスターを討伐して……フランツが教えてくれる美味しいご飯を食べるんだ。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

cocoa
2022.12.28 cocoa
ネタバレ含む
2022.12.29 櫛田こころ

初めましてー

励みになったようで何よりですんw

実は、この作品のキャラ……もうすぐ、連載のファンタジー作品にお邪魔するのでもしそちらもよろしければ‼️

解除

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