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第100話 風の勘
しおりを挟む(……あ、あかん……!! し、死ぬかと……思ったぁ!?)
大好きな子に、ぎゅっとされて……心臓が鷲掴みにされるくらいに、身体が高鳴ってん!!
龍羽様が上手いことミラを止めてくださらなければ、俺は……俺は、身体が溶けてしまうかと思ったわ!!
『……おいひぃ』
俺のときめきは知らんと、ミラは今齧れるようになったガラクタを美味そうに頬張っていた。
その表情も、むちゃんこ可愛ええけど!!
この子は!!
ほんま!?
俺を殺したいんか!?
(……知らんやろうなあ?)
今までの過酷な生活を思えば、『恋』とか『愛』をほとんどわかっとらんはずや。
大精霊として覚醒したとは言えど、そこは…………あれ?
(……覚醒したから、足りんもんは補填されとるはずやし)
ってことは、まさか。
ミラは……鏡羅は!?
まさか、俺と……同じ?
(いやいやいや!? んな、まさか!?)
ガラクタを食いながら、龍羽様に頭を撫でてもらっとるミラは相変わらずむちゃんこ可愛い……。
まだ酒の余韻はあるようやけど……人間もやけど、精霊にも酒の強さは影響がある。
とくれば、ミラのさっきの行動は……ミラ自身の本音か?
もしそうならば!!
(全身全霊で、ミラの気持ちに応えるで!!)
俺だけわしゃわしゃ触ってくれるとことか。
俺と生活することを選んでくれたことが。
全部、ミラが俺を好きやと思ってくれとる証拠ならば!!
俺は……俺は!!
受け止めるで、ミラ!!
「もっと食べるー?」
『はい~』
てか、龍羽様。
ミラをヨシヨシし過ぎとちゃう?
俺の気持ち、ミラ以外全員が知っとんのに……可愛がり過ぎやない!?
さっきは助かりましたけど!!
(……でも、簡易体でガラクタ食うミラも可愛ええ)
覚醒しても、簡易体は以前のとほとんど変わらんようや。
とくれば、精獣化はどうか。
神は、形は既にあると以前はおっしゃっていたが……今はどうか。
ちょぉ、気になったけど……ミラにいつ自分の気持ちを伝えようか悶々としていると。
それは現れたのだった。
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