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第141話 式の直前

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 三日後。

 私と珀瑛ハクエイ様の……結婚式と披露宴を行う日となった。

 精霊の里で……大規模ではないが、親しい方々とのささやかな祝いの席となる。

 そのような日に……皆様以外にも、物凄い方がいらっしゃってくださった。


「儂が……先代の精霊王、玉杜ギョクトじゃ」


 貫禄がある……まるで、法王様のようなお姿である男性。

 人間で言うなら……老年に差し掛かるお年頃だろうか。銀髪が美しく、とてもお美しい方だった。


「お初にお目にかかります。そらと地の大精霊となった鏡羅ミラと申します」

「うむ。龍羽リュウハから聞いてはおるぞ。我らの恩人である、元は人間だった聖女よ」


 私がご挨拶させていただくと……玉杜様は、にこりと微笑んでくださった。あと、なぜか……私の頭を撫でてくださったが。ヴェールを崩さないように、とても優しく。


「……あの?」

「元は人間であったが……随分と謙虚な心を持つのだな。さすがは、神が名を与えられた者だ」

「せや! ミラは俺の大事なつがいですわ!!」

「……そのようじゃな、ハクよ」


 ハク様は、本日は私がドレスを着ているのに合わせて……とてもお美しい白の装いを身につけていらっしゃる。たしか……騎士服にも似た装いだそうで。

 正直言って、お似合い過ぎだ!

 出来ることなら……他の方々のお目に触れたくない。私はなんて……心が狭いのだろうか。


「はーい! ハクとミラはこっちに来て来て!!」


 そろそろ……結婚式を始めることになり、着飾られた龍羽様に呼ばれました。

 人間とは違う我らなので……本当に形式ばった部分はあるが。

 我ら大精霊は神と直結した関係ではあるので……言葉通りに、神への誓いを唱えることに異論はない。

 ハク様の腕に掴まり……泣いたり笑顔になられている大精霊の方々に見守られながら、儀式を始めようとした時。

 私とハク様が止まった場所から、いきなり淀んだ『膿』のようなものが溢れ出てきたのだ!?
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