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番外編②
第138話 まずは仕込み
臓物だからと、ゲイリッシュ殿は魔法鞄に入れて持ってきてくれたのだが。イツキにも作る前の段階を見てほしいと言われ、厨房にきてみた……が。
はっきり言って、肝とは違うそれを見て逃げ出したい気持ちになった。鳥の卵と違うのはわかっていたが、魚はあんなにもたくさん集まるようになっているのか!?
「俺も久々に思ったぜ? こんなもん食えるのかって。けんど、イツキの嬢ちゃんなら」
「こちらに来る前もそこまで仕込んだことはないですが。絶対美味しいものになりますよ」
「その言葉、信じるぜ」
「任せてください」
肝のような皮をかぶった中には、粒々の卵がぎっしり。これが美味いのかと言われても初見だと否と言いたいくらいだ。
だが、愛する妻の好物というからには……余程、美味しいものなのだろう。仕込みには少し時間をかける以外は、冷蔵庫に入れて馴染ませる工程だけらしく。
まずは、少しぬるいお湯の中でイツキは卵の膜をほぐしていった。
「せっかくが固くならねぇか?」
「これくらいのお湯だと大丈夫ですよ。軽い殺菌も兼ねてます」
「ほーん?」
「あと、塩も入れているのでよりほぐしやすいんです」
「塩か」
「濃い塩水の手前……が、コツですね」
膜の切れ目をくるんと外し、少し白くなった卵らがぽろぽろと湯の中に転がっていく。丁寧な仕込みだからこそ、中身も壊れないようだ。焼き網や笊で剥がす方法もあるらしいが、初見だったのでイツキは手でほぐす方を選んだらしい。
ほぐしきったら、ゴミとか血管やらも湯を変えながら取り除き……三、四回繰り返していけばオレンジ色の卵たちが湯の中で綺麗に沈んでいく。
「ほう? これでほとんど終わりか?」
「水切りしたあとに、味付けの決め方を検証しましょう」
「いくつかあるのか?」
「醤油と麹のミックスは絶対。単体で醤油、味噌、昆布だしと塩ですね」
「……悩むな」
「今回は量が少なめなので、二種類にしましょう。味噌が面白いかもしれませんし」
「そのまま漬け込んだら取り出せないんじゃないか?」
「なので、清潔なガーゼで挟んで上から塗るんですよ。挟む感じで」
「「……考えもしなかった」」
「私も、学んだだけです」
どちらも一晩漬けこんで置く以外、あとは片付けだけだったので。サケはサケで新鮮なままだったから……イツキがコージに軽く漬け込んで、米とドンブリにしないかという魅力的な食事になった。
あのイクラとやらも気にはなったが……それは、また明日の楽しみにというわけで。
料理長らにも、つまみ食いは絶対しないようにと頼み込んでおく。でないと、イツキが仕込んだものをうっかり食卓に使用されたら……ゲイリッシュ殿も食べれなくなるしな。功労者をねぎらうための食事でもあるので、それはいかんことだ。
はっきり言って、肝とは違うそれを見て逃げ出したい気持ちになった。鳥の卵と違うのはわかっていたが、魚はあんなにもたくさん集まるようになっているのか!?
「俺も久々に思ったぜ? こんなもん食えるのかって。けんど、イツキの嬢ちゃんなら」
「こちらに来る前もそこまで仕込んだことはないですが。絶対美味しいものになりますよ」
「その言葉、信じるぜ」
「任せてください」
肝のような皮をかぶった中には、粒々の卵がぎっしり。これが美味いのかと言われても初見だと否と言いたいくらいだ。
だが、愛する妻の好物というからには……余程、美味しいものなのだろう。仕込みには少し時間をかける以外は、冷蔵庫に入れて馴染ませる工程だけらしく。
まずは、少しぬるいお湯の中でイツキは卵の膜をほぐしていった。
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「ほーん?」
「あと、塩も入れているのでよりほぐしやすいんです」
「塩か」
「濃い塩水の手前……が、コツですね」
膜の切れ目をくるんと外し、少し白くなった卵らがぽろぽろと湯の中に転がっていく。丁寧な仕込みだからこそ、中身も壊れないようだ。焼き網や笊で剥がす方法もあるらしいが、初見だったのでイツキは手でほぐす方を選んだらしい。
ほぐしきったら、ゴミとか血管やらも湯を変えながら取り除き……三、四回繰り返していけばオレンジ色の卵たちが湯の中で綺麗に沈んでいく。
「ほう? これでほとんど終わりか?」
「水切りしたあとに、味付けの決め方を検証しましょう」
「いくつかあるのか?」
「醤油と麹のミックスは絶対。単体で醤油、味噌、昆布だしと塩ですね」
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「今回は量が少なめなので、二種類にしましょう。味噌が面白いかもしれませんし」
「そのまま漬け込んだら取り出せないんじゃないか?」
「なので、清潔なガーゼで挟んで上から塗るんですよ。挟む感じで」
「「……考えもしなかった」」
「私も、学んだだけです」
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あのイクラとやらも気にはなったが……それは、また明日の楽しみにというわけで。
料理長らにも、つまみ食いは絶対しないようにと頼み込んでおく。でないと、イツキが仕込んだものをうっかり食卓に使用されたら……ゲイリッシュ殿も食べれなくなるしな。功労者をねぎらうための食事でもあるので、それはいかんことだ。
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