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全員のまかない
第15話 王妃のまかない
あの人……イツキが、イージアス城に来てからもうすぐ三年の月日が経とうとしていた。
ジェラルドも、一歳と少しになって随分と大きくなった。イツキが陛下に伝えた離乳食もたっぷりと食べてきたお陰もあり、すくすくと育っている。
そのイツキが……とうとう、アーネストと結婚することが決まった。
これはもう、国中を上げて祝おうとも……陛下は少し考えられたこともあったが、イツキから親しい者同士で祝いたいと言われたので無しになった。
その代わりではないが、祝える『モノ』を変えようとなったのだ。
「次はこいつ混ぜろ!」
「……まだ混ぜるのか」
「ったりめーだ! ケーキの大半は混ぜる作業だかんな?」
「ワルシュー? 卵割れたわよー?」
「よっしゃ。そんじゃ、スプーンで黄身すくって別のボウルに入れてくれ」
「はーい」
「……先輩。粉ふるえたで」
「んじゃ、嬢ちゃんの方手伝いな」
「料理長、こちらは」
私はあまり参加出来ていないけれど……陛下とリュシア。他にも近衛騎士団からネルやレクサスと言った、イツキとは親しい間柄である人間が……養父であるワルシュ先輩の指示に従い、ひとつの大きな『ケーキ』を作っていた。
「ふふ。イツキのために……皆が手を取り合うだなんて」
アレルギーと言う病が見つかったことが原因で、古き慣習だった『フルコース料理』がなくなったとは言え。
その恩人であるイツキのために、皆が手を取り合ってひとつの料理を作るだなんて……今までだと考えられない。
悪い事ではない。とても良いことだ。
陛下も娘も……大変そうだが、とても楽しそうだもの。
「う、あ? うー!」
簡易ベッドの上で、ずっと様子を見ていたジェラルドも……参加したくても出来ないのでうじうじしていたわ。頭を撫でてやっても、『うー』っと拗ねていた。
「ふふ。仕上げのひとつは参加出来るようだから……我慢なさい?」
「……うー」
「私も参加出来ないのよ?」
この頃、やんちゃ盛りのジェラルドは目を離すと何を仕出かすかわからない。なので、メイドらは控えていてもこの子の側に居て皆を見守っているのだ。
しかし……途中から様子を見に来たとは言え、すごく大掛かりな作業ばかり。
サーシャ先輩とワルシュ先輩の結婚式の時に、イツキが作ったあのケーキも凄かったが……ここまで作業が大変だとは。
あの人はなんともない表情をいつもしているけれど……本当に、他人のためなら苦については何も言わない人だわ。
今はきっと、厨房で何か作っているでしょうけど……こんなにもたくさんの人達に、祝福してもらえると動いているのを知れば……あの可愛らしい茶の瞳が丸くなること間違い無しね?
「お母様! イチゴを飾りましょう!! ジェラルドも!!」
「あら?」
「ねー、ね!」
考え事をしていたら、もうそんなにも作業が進んでいたようで。
そして……近づくに連れて、ほとんど出来上がっている大きな大きなケーキの仕上がりを見て。
「……ワルシュ先輩? やり過ぎでは?」
「…………今更だ。イツキらだけで食うわけじゃねぇし」
「ふふ」
だからとは言え、ご自分の体の大きさくらいのケーキを作るとは思わず。
陛下やレクサスとかは、へばるように床の上で倒れたりはしていたが。
仕上げのイチゴやクッキーを飾りつけていくのは、皆と一緒に手分けしてやることが出来た。
ジェラルドも、一歳と少しになって随分と大きくなった。イツキが陛下に伝えた離乳食もたっぷりと食べてきたお陰もあり、すくすくと育っている。
そのイツキが……とうとう、アーネストと結婚することが決まった。
これはもう、国中を上げて祝おうとも……陛下は少し考えられたこともあったが、イツキから親しい者同士で祝いたいと言われたので無しになった。
その代わりではないが、祝える『モノ』を変えようとなったのだ。
「次はこいつ混ぜろ!」
「……まだ混ぜるのか」
「ったりめーだ! ケーキの大半は混ぜる作業だかんな?」
「ワルシュー? 卵割れたわよー?」
「よっしゃ。そんじゃ、スプーンで黄身すくって別のボウルに入れてくれ」
「はーい」
「……先輩。粉ふるえたで」
「んじゃ、嬢ちゃんの方手伝いな」
「料理長、こちらは」
私はあまり参加出来ていないけれど……陛下とリュシア。他にも近衛騎士団からネルやレクサスと言った、イツキとは親しい間柄である人間が……養父であるワルシュ先輩の指示に従い、ひとつの大きな『ケーキ』を作っていた。
「ふふ。イツキのために……皆が手を取り合うだなんて」
アレルギーと言う病が見つかったことが原因で、古き慣習だった『フルコース料理』がなくなったとは言え。
その恩人であるイツキのために、皆が手を取り合ってひとつの料理を作るだなんて……今までだと考えられない。
悪い事ではない。とても良いことだ。
陛下も娘も……大変そうだが、とても楽しそうだもの。
「う、あ? うー!」
簡易ベッドの上で、ずっと様子を見ていたジェラルドも……参加したくても出来ないのでうじうじしていたわ。頭を撫でてやっても、『うー』っと拗ねていた。
「ふふ。仕上げのひとつは参加出来るようだから……我慢なさい?」
「……うー」
「私も参加出来ないのよ?」
この頃、やんちゃ盛りのジェラルドは目を離すと何を仕出かすかわからない。なので、メイドらは控えていてもこの子の側に居て皆を見守っているのだ。
しかし……途中から様子を見に来たとは言え、すごく大掛かりな作業ばかり。
サーシャ先輩とワルシュ先輩の結婚式の時に、イツキが作ったあのケーキも凄かったが……ここまで作業が大変だとは。
あの人はなんともない表情をいつもしているけれど……本当に、他人のためなら苦については何も言わない人だわ。
今はきっと、厨房で何か作っているでしょうけど……こんなにもたくさんの人達に、祝福してもらえると動いているのを知れば……あの可愛らしい茶の瞳が丸くなること間違い無しね?
「お母様! イチゴを飾りましょう!! ジェラルドも!!」
「あら?」
「ねー、ね!」
考え事をしていたら、もうそんなにも作業が進んでいたようで。
そして……近づくに連れて、ほとんど出来上がっている大きな大きなケーキの仕上がりを見て。
「……ワルシュ先輩? やり過ぎでは?」
「…………今更だ。イツキらだけで食うわけじゃねぇし」
「ふふ」
だからとは言え、ご自分の体の大きさくらいのケーキを作るとは思わず。
陛下やレクサスとかは、へばるように床の上で倒れたりはしていたが。
仕上げのイチゴやクッキーを飾りつけていくのは、皆と一緒に手分けしてやることが出来た。
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