王宮まかない料理番は偉大 見習いですが、とっておきのレシピで心もお腹も満たします

櫛田こころ

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番外編

第134話 無難こそ正解



「無難にクッキーちゃう?」

「……クッキーですか」


 アーネストを除く、近衛騎士団の集まりでまずは料理かお菓子の選別をしていたのですが。一番料理の出来るレクサスがそのように提案してくれました。


「単純のようで、意外と苦労するで? 自分もやけど、うちのカミさんもイツキはんから美味いクッキー作り教わったんや」

「なるほど。たしかにそれはそうですね」


 僕はリュシアーノ様から手作りのケーキをいただいたように、レクサスもサフィア殿からクッキーをいただいた。その事実は、結果的にどちらも結びつきを強くしてくださいました。とくれば、初心者同然の近衛騎士であろうと甘くみてはいけませんね。


「妊婦にチョコレートをぎょーさん食わせるのもよくないらしいわ。せやから、普通のバタークッキーでもええんやけど」


 と言ってから、レクサスは亜空間収納から木でできた箱を取り出しました。フタを開ければ、形が様々の金属片……いいえ、型が出てきましたね?


「これは?」

「イツキはんに教わったひとつで、型抜き言う道具やねん。単純な丸いクッキーより、楽しく作れるもんやて。前に、ちぃっと借りて返し忘れてたんやけど……ええと思わん? ハクト親方の力作や」

「生地を抜くだけ?」

「物によっては模様になるんよ」


 それは非常に興味深い。

 ただ丸などの単純なクッキーを作るよりも、ずっと面白い仕上がりになるでしょう。もちろん、サフィア殿へイツキが伝えた薔薇のクッキーも作ってみようと言うことになり。

 材料などの品々は各々で揃え、独身寮の厨房を借りて作ることになりましたが。


「アホかあああああああああああ!!?」


 と、レクサスが大声を出すほど、僕はともかく他の騎士らは予想以上に不器用でした……。
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