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番外編
第226話 何料理?
「……なんとなく、予想はしてたが」
「うむ。イツキくんはきちんと口にしておったわ」
中央厨房に出向き、ワルシュにイツキくんから得た新たな情報を告げた。パイナップルのこともじゃが、あのゲイリッシュの嫁さんとなったお嬢さんのことものお?
まさかまさか、結婚もじゃが懐妊まで先を越されるとは。仕方がないというべきか……まあ、仕方がないのお。こやつの嫁さんはまだまだ世界を回らにゃいかん、現役の高位ランク冒険者じゃ。そう簡単には引退させられん。
こやつ自身は、あっさりと称号を手放したがのお?
「……新しいパンの食べ方考えたのによ」
「新しい食べ方?」
「じいさん、ピザって食ったことあるか?」
「……ピザ?」
なんじゃ、その響きだけで食欲を掻き立てるようなものは。
気になっていると、ワルシュは『ちょっと待っててくれ』と言って奥に何かを取りに行きおった。
ワシは突っ立っているしかないが……若い料理人らがそわそわしおったわ。まあ、コルト氏はともかく……年老いた医師がこのような場所にいるのは不自然じゃからの?
と思っておったら、その一人がワシに茶を差し入れてくれたわい。
「どうぞ」
「うむ。ありがとう」
物怖じしない若者なのが、なかなかに良い。
一礼して去って行こうとしておったが、少し待つようにワシは引き止めた。
「……何か?」
「うむ。ワルシュの言う、ピザとはなんなのじゃ? ワシはおそらく食べたことがない」
「ピザですね。パン料理のことです」
「……ほぉ?」
「イツキさんが教えてくれたんですが、食パンでもパン生地を広げたものでもいいんですが。その上にソースと具材。仕上げに削ったチーズをたっぷり乗せて焼き上げるのです」
「……なんと」
そんな料理、聞いたことも見たこともないぞ?
しかも、イツキくんが伝えた料理じゃとは。
それは……期待が高まってしまうではないか!?
彼には持ち場に戻ってもらい、茶を飲みながらワルシュを待っておったが……少し甘酸っぱいような、しかしながらスパイシーな香りが奥から流れてきおった。
この正体が、ピザなのじゃろうか??
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